メンタリストDaiGoの提唱する『自分を変えるためのリスト』。素直にやってみたら、理想の自分がほんとに見えてきた。

「今の自分には決して満足していないけれど、なかなか変われない」 「成長したいけれども、何から始めていいのかわからない」 このように悩んでいる方はいないでしょうか。

上昇志向の強いビジネスパーソンの方であれば、将来的になりたい自分や目指している理想像といったものをお持ちのはず。そこに近づくためにも、まずは初めの一歩を踏み出してみませんか。

今回は、A4の紙1枚を使って自分を成長させる方法をご紹介します。

なぜ人は変われないのか?

「自分を変えたい」と思ってもなかなか行動に移せないのは、いったいどうしてなのでしょうか。

ひとつには、生物として人間に元来から備わっている「ホメオスタシス」という機構が理由として挙げられます。人間の体や脳は、状態を常に一定に保とうとする働きを持っており、急激な変化を嫌うという性質があります。そして重要なのは、このメカニズムが心理的な場面でも働いてしまうということ。つまり、何か新しい行動や習慣を取り入れようとしても、“危険なもの” と判断されて妨げられてしまうのです。

また、いざ変わろうと思っても「そもそも何をすればいいのかわからない」といった理由から足踏みをしてしまうことも、原因のひとつに挙げられるでしょう。理想像とはいえ、それは往々にして漠然としたものになりがち。曖昧な願望だけ抱いたままで具体的な行動レベルにまで落としこまれていないと、何をやろうか考えているうちに面倒くさくなってしまい、結局「やっぱいいいや」とやらず仕舞いになってしまうのです。

自分を変えるための“リスト”を作ろう

それでは自分を変えようと思ったら、どのような方法を取るのが有効なのでしょうか。

メンタリストのDaiGo氏は、自身の著書『ポジティブ・チェンジ』の中で、「現在の自分」「これからの自分」「変わるためのメソッド」の3つをA4の紙1枚にまとめることを提唱しています。

「現在の自分」というのは、コンプレックスを抱えていたり悩みの原因になっていたりするなど、これから変えたいと思っている部分のこと。対して「これからの自分」は、今まさに自分が思い描いている、なりたい自分の姿を指します(これは「現在の自分」とは正反対の内容になりますね)。そして「変わるためのメソッド」として、これからの自分に近づくための具体的な方法を考えていきます。

実際に筆者自身も、変わりたい自分について1ケ月ほど前に考えてみたところ、「体が細い」「成績があまり良くない」「音痴である」といったコンプレックスがまっさきに思い浮かびました。そしてリストを作ってみたところ、以下のようになりました。

現在の自分 これからの自分 変わるためのメソッド
ガリガリの体型 がっしりした体型 毎朝起きたら 腕立て伏せを30回行なう
成績があまり良くない 成績がとても良い 毎日22時~23時は 必ず勉強に充てる
音痴 歌がうまい 毎日、大学帰りに 1時間カラオケに行く

結論から述べてしまうと、筆者は自分に課したこれら3つのメソッドの習慣化に成功し、現在に至っています。もちろん「がっしりとした体型」「良い成績」「歌がうまくなる」といった効果が目に見える形で表れてくるまでにはある程度の時間がかかるのでしょうが、実際の行動として習慣化させることができたという点では、「これからの自分」に(少しずつではありますが)着実に近づけていると言えるでしょう。

それでは、実際にやってみたくなった方のために、いざリストを作る際のコツについてお伝えしていきます。

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初めから頑張りすぎない。まずは簡単なものを “ひとつ” メソッドに定めよう。

いくら自分の理想に近づくためとはいえ、初めからあれもこれもと厳しい内容をたくさん自分に課していては、結局どれも習慣化できずに終わってしまうおそれがあります。これでは本末転倒ですよね。そこで初めのうちは、実行のハードルがそれほど高くないものを “ひとつだけ” メソッドに設定することをおすすめします。

やるべきことを事前にひとつだけ決めていれば、そもそも何をしようかと迷う心配もありませんし、それが実行しやすいものであるのならばなおさら、「えいっ」と簡単に行動に移すことができます。

またメソッドを書く際は、例えばただ漠然と「毎日筋トレをする」と書くのではなく、「いつやるのか」「どれくらいやるのか」「どのような手段でやるのか」など、細かな計画レベルにまで落としこむようにしましょう。曖昧なままだと、いざ実行しようというときに「さて、どうしようか」と考えてしまうことになるため、意味がありません。

行動科学マネジメント第一人者の石田淳氏も、具体化を徹底することの重要性を以下のように解いています。

重要なのは、曖昧さを排除し、「具体化」を徹底する、ということ。具体的に「どんな行動をすればいいのか」がはっきりしていなければ、新しい習慣を身に付けることはできません。

(引用元:ITmedia エグゼクティブ|習慣づくりに必要なのは「具体化」と「行動のコントロール」

自分が実行している姿を想像できるくらい具体的に書くことで、実行にも移しやすくなりますよ。

リスト化することの大きな威力

紙に書く。たったそれだけのことではありますが、「何をすればいいのか迷わない」「シンプルでわかりやすい」といった点で、自分を変えるための初めの第一歩を踏み出すためには非常に有効な方法だと感じました。また、例えば一度勉強の習慣が身についてしまえば、その前後の時間も別の科目の勉強時間として設定できるなど、メソッドを拡張したり行動のレベルを高めたりするのも容易でした。

そして、このリストのおすすめの使い方がもうひとつ。「現在の自分」を縦に読んでいくと「ガリガリで成績が悪くて音痴」となり少しがっかりしてしまいますが、「これからの自分」を縦に読んでいくと「がっしりしていて成績が良く、歌もうまい」と、今のコンプレックスを全て取り払った人物像になっています。おまけに、そんな自分に近づくための方法も右側に書いてある。眺めているだけでなんだかモチベーションが上がってくるように感じませんか。変わりたいという思いを無駄にしないためにも、普段からよく見える場所にリストを貼っておくようにするとよいでしょう。

*** 理想の自分ではなく、そこに至るまでの “行動” に着目することで、今やるべきことが見えてきます。ぜひご自身でリストを作成して、なりたい自分に近づくための第一歩を踏み出しましょう!

(参考) Wikipedia|恒常性 メンタリスト DaiGo 著 (2015),『ポジティブ・チェンジ』, 日本文芸社. 神田昌典 著 (2011),『非常識な成功法則【新装版】』, フォレスト出版. Wikipedia|決断疲れ ITmedia エグゼクティブ|習慣づくりに必要なのは「具体化」と「行動のコントロール」

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