先日、「世界算数」と呼ばれる算数の大会をStudy Hackerで紹介した。(「世界算数大会」に学ぶ。問題解決のための5つの思考法) 小学一年生から大人まで参加でき、思考力と論理力を試す大会だ。「算数」だからといって、なめてはいけない。関数や幾何の知識を必要としない分、純粋な「ものの考え方」を問う非常に難しい問題で、逆に数学より難しいと思う人が多いかも。
日本で初めてフィールズ賞(数学界のノーベル賞)を受賞した小平邦彦氏は、開成中学の算数の入試問題を、時間内に解くことができなかったという。 (参考:YOMIURI ONLINE|<3>世界的数学者が、算数に苦戦する理由 )
算数には、数学的手法が使えない。だからこそ、全ての人に共通する「ものの考え方」を試されるのだ。 その世界算数のサイトでは、思考回路のタイプを5つに分類。問題を解決するために必要な考え方の本質を紹介している。その思考法のどれもが一見すると「算数」とは思えないような、非常に一般的な考え方に通じるものなのだ。
あなたは何型?思考法を診断しよう
まずは先日の記事から5つのタイプを見てほしい。5つのタイプとは、「ステップ回路」「リバース回路」「クリエイト回路」「ノック回路」「スキャン回路」である。 望ましいのは、問題に合わせてこの5つの思考法を組み合わせたり、最適な思考を選び出していろいろな角度から問題を見ること。しかし、数学が得意だけど国語は苦手な人、あるいはその逆の人もいるように、この5つの思考もうまく当てはまるものと当てはまらないものがあるだろう。 この5つの思考のうち、どれが得意でどれが不得意か。それを知るために、自分が得意とする思考を診断してくれるサイトがある。世界算数のサンプル問題と、オリジナルの診断用問題を合わせて5問解くだけ。 Math Mind Quiz|あなたの思考回路は何型?
たった5分で自分の思考回路が判明してしまう。ぜひチャレンジしてみてほしい。ちなみに筆者は「スキャン型」だった。物事の本質を見極めることができる…そうだ。
[caption id="attachment_19832" align="alignnone" width="829"] 出典:Math Mind Quiz[/caption]
算数で論理的思考能力を鍛える?
最近、ビジネスの世界でも教育の世界でも、「論理的にものを考える」能力がしきりに叫ばれている。これがまさに、ここ最近の大ブームとも言えるロジカルシンキングだ。
「ロジカル・シンキング」とは、論理的思考という意味。情報を決められた枠組みにしたがって整理・分析するさまざまなスキルの集まりを指し、これらを使うことによって、複雑なものごとの因果関係を明快に把握したり、問題に対する有効な解決策を導き出したりすることが可能になります。
出典:コトバンク|ロジカルシンキング
世界が一層グローバル化し複雑になっていく中で、今ある材料から論理的に結論を導き出したり問題を正確に把握して解決策を探る能力は、これからますます必須といえるだろう。Math Mind Quizで出題されている実際の問題は、一見簡単そうに見えて一筋縄ではいかないものばかり。たかだか算数とあなどることなかれ。この問題を通して普段使わない脳みそを絞り出すことは、ロジカルシンキングを鍛える手段になるのではないだろうか。
出典:Math Mind Quiz
*** 私たちは、義務教育の中で数学と算数を通じて論理的に考える能力を学んできた。それが最近は少し鈍っているかもしれない。また元々数学が苦手、という人も多いだろう。小学生の知識だけで解ける問題を通して、論理的思考を磨いてみてほしい。
参考 YOMIURI ONLINE|<3>世界的数学者が、算数に苦戦する理由 Math Mind Quiz|あなたの思考回路は何型? 世界算数