誰だって勉強は辛い。
数学の積分はうんざりするし、歴史の暗記は気が重い。化学では計算ミスが尽きないし、英単語帳なんて燃やしてしまいたい。いい加減にしてくれ! そんな人は多いはずだ。どうしたら勉強が楽しくなるのか。そんな永遠の謎に、今日は一緒に挑んでみよう。

楽しさとは“やりがい”から生まれる

「勉強が楽しい!」そう語る人に聞いてみると、どうやら「純粋な楽しさ」とは少し違うようだ。ここでいう「純粋な楽しさ」とは、ゲームや漫画によって得られるあの感情のこと。しかし、「勉強が楽しい」という感情は確実に存在している。彼らが嬉々として語る「勉強の楽しさ」の源は、どこか一般的なものとは違う場所にあるみたいなのだ。

それは、やりがいだ。

難しい問題が解けて嬉しいのは、「やりがいがあったから」で、勉強が続くのも、「やりがいを感じたからだ」という。

一般的なやりがいとは、何かを成し遂げた時に得られる感情だ。そう考えると、勉強においてのやりがいは、問題を解いたり、目標を達成したりして初めて感じられるものだ。全く問題に手がつかなければ、やりがいは生まれない。だから勉強しない。するとまた解けなくなって、やりがいが生まれない。
そんな負のスパイラルに落ちてしまう人もいる。

一体、そんな人はどうやって「やりがい」をGETすればいいのだろうか。

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負の連鎖から抜け出すために。やりがいを捏造しよう

答えは簡単。やりがいを捏造してやればいいのだ。それができれば、どんな勉強だって楽しくなるのだから。そのために今回ご紹介したいのが、「ピークエンドの法則」と呼ばれる心理学の法則だ。これは簡単に言うと、「あらゆる経験の快苦は、そのピークと終了時の快苦によって決まる」というもの。

ピークエンドの法則は、心理学者のダニエル・カーネマンによって発見された。カーネマンは、二つのグループに不快な騒音を聞かせる実験を行った。そして次に、騒音をストップさせたあと、一方のグループにだけ、少し音量を下げて再び騒音を聞かせたのだ。すると、驚くべき結果が出た。二度に渡って騒音を聞かされたグループの方が、不快感が低かったというのだ。

普通に考えれば、二度に渡って騒音を聞いた方がいやな気分になりそうなものだが、実際にはそうではない。少しくらい長くても、終了時の経験で、全体の印象が決まってしまうのだ。今回の場合、二回目の騒音の音量が低かったことにより、不快が和らいだのだ。

カーネマンに言わせれば、これはピーク時も同じ。ピークとエンド(終わり)の印象によって、全体の印象が決まるのだという。

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最後に実践問題演習…は絶対ダメ。

さて、そこで考えてみたいのが、勉強時間終了間際の過ごし方だ。普通に考えて、勉強の最後は問題演習や実戦問題など、ガッツリと重量のある問題で締めることが多いだろう。確かに、そういった問題を正解できれば、かなりのやりがいが生まれる。ピークエンドの法則からみても大成功だ。

しかし、もし不正解だったら? もっと言えば、全く手がつかなかったら?

この場合、勉強の後味は最悪。ピークエンドの法則に従えば、その日の勉強自体、印象の悪いものになってしまうのだ。「よーし、最後に過去問やるぞ!」「あと30分あるから、難問を解いて終わりにしよう!」

なんだかやる気のある発言に聞こえるが、心理学的にはハイリスク。1日の終わりで疲れているのに、ちょっとチャレンジしすぎだ。だから、勉強の終わりには必ず簡単な問題に取り組もう。計算練習でもいいし、単語の暗記でもいい。極端な話、プリントの整理でも構わない。とにかく簡単なものをやってみて、達成感を無理やりでも最大限に味わうことをおすすめする。

そうすれば、脳は一瞬で騙されてくれて終わりの印象がよくなる。結果として、勉強全体の印象もアップするというからくりだ。

***

スポーツチームの練習では、練習後に必ずクールダウンをするはずだ。時間をかけてジョギングやストレッチを行い、次の練習に備える。これは勉強にも応用できるのだ。
1日の終わりにわざわざ重い演習をする必要なんてない。軽めに終わらせて、しっかり次の日に備えよう。

参考

weblio辞典|ピーク・エンドの法則
weblio辞典|ヒューリスティックス