アナタの周りにこんな人はいませんか?
・クラスの賢い人が使っている参考書を買う人 ・テレビで有名人が勧めたグッズを、翌日には持っている人 ・女優のコーデをコピーする人
こういう人って、周りからは「ミーハー」って言われたりすることが多いですが、実は、こういったことも成功のサポートをしてくれるんです。 今回は、脳の構造を生かした、「ミーハーのススメ」です。
マネから入ることで、自己暗示がかかる
優秀な人の使っているのと同じペンを使っているだけで、何だか自分までデキるようになった気がする。 そんなことって確かにありますよね。
社会心理学者のエイミー・カディは、このような自己暗示について、興味深い実験をしています。
被験者に、強く見えるポーズと弱く見えるポーズをとってもらい、それぞれの場合の違いを調べました。 すると、強く見えるポーズをとった時は、自信が出て、リスクをとることを厭わなくなることが分かりました。 生理的にも、テストステロンという闘争本能をうながすホルモンが多く分泌され、コルチゾールというストレスに反応したときに分泌されるホルモンの値が減少しました。 そして、弱く見えるポーズをとった時は、これと逆の反応が起こったというのです。
つまり、強そうにふるまえば実際に強くなるし、逆もまたしかり、ということなんです。
マネをしていくと、「ミラーニューロン」が自分を変えてくれる
また、脳科学的な観点からも、優秀な人のマネをすることの効果が分かっています。
ヒトの脳には、「ミラーニューロン」という、相手の行動・感情を自分に重ね合わせるニューロンがあります。 笑っている友人を見るとつい自分も笑ってしまう、そういったことはミラーニューロンの働きによるものだと言われています。
このニューロンの発見者、イタリア・パルマ大学のジャコーモ・リッツォラッティは、サルを用いた実験で、実験担当者が餌を拾い上げるのを見たサルは、自分が餌を拾うときと同じ反応が脳に見られるということを発見しました。
このようなニューロンはヒトやサルといった霊長類にしか存在しないと言われ、それほど高等な脳の働きだというわけです。
ミラーニューロンによって、自分の行動が、優秀な人のものと重なっていき、それが後々の結果に反映されていく、というわけです。
どんどんデキる人のマネをしていこう。でも、それだけで成功するわけではない
以上を踏まえると、優秀な人のまねをすることは、心理的にも脳科学的にも効果的だということが分かります。
まず、「何だか自分も賢くなった気がする」というふうに、ポジティブな気分にさせてくれるということ。
そして、ミラーニューロンの働きによって、自分の脳のレベルからデキる人に似ていくということ。
皆さんも、どんどんデキる人のマネをしていきましょう。
ただし、これは、「デキる人に近づく」という意味なのであって、「デキる人のマネをするだけで自分も成功する」という意味ではもちろんありません。 優秀な人は、人から見えないところでたゆまぬ努力をしているのが常です。
その人の行動をマネて満足するだけではなく、きちんとやるべきことはやって、成功に近づいていきましょう。 きっと、デキる人から写し取った行動や考え方が、成功の手助けをしてくれます!
※参考文献 中野信子『脳はどこまでコントロールできるか?』KKベストセラーズ、2014年 Wikipedia「ミラーニューロン」

