皆さんは何かを記憶しようとするときどんな方法を使っていますか? ひたすら頭の中で復唱する。英単語なら何度も書く、などでしょうか。 でもこれらって「根性」という感じがしませんか。
ここでは根性ではなく、テクニックで記憶力をアップさせる方法をお教えします。 その名も「メモリー・ルーム記憶法」です。
古代ローマ人に学ぶ「メモリー・ルーム記憶法」
奴隷社会であった古代ローマでは、裕福な人々は暇を持て余し、遊びとしての学問を楽しんでいました。それと共に、様々な記憶術が生みだされました。中でも人気があったのが「メモリー・ルーム記憶術」。これは空想上の部屋「メモリー・ルーム」を作りだし、その家具と覚えていたいものを結び付けて記憶するという方法です。 では具体的な手順を説明します。
Step1 部屋の間取りと大きな家具をイメージする
頭の中で、自分好みの部屋をイメージしてみましょう。 部屋の形は正方形で、壁紙は淡いクリーム色。真ん中には木目の綺麗な大きなテーブルと椅子のセット。入口を入って右手には濃いブラウンで横に長いタンスがあって……。と、まあこんな感じです。 設計図などを描くと具体的にイメージできてよいでしょう。
Step2 自分がその部屋にいるところを想像する
部屋のイメージが大体できたら、その部屋の中を歩き回ってみましょう。テーブルに触って感触を確かめたり(イメージしたり)、家具にあった小物を置いてみたりするとよいでしょう。ここでリアルなイメージを作れれば作れるほど、記憶がしやすくなります。 ここまでで下準備は完了です。
Step3 家具と記憶したいものを結び付ける
それでは実践的な手順に入っていきましょう。 例えば明日持っていかなければならないファイルがあるとします。これを、メモリー・ルームのテーブルの上に置きます。テーブルの上にファイルが乗っているところをしっかりとイメージしましょう。 朝起きて、メモリー・ルームの机の上を見る。するとそこにはファイルがあり、ファイルを持っていかなければならないことを思い出す、というわけです。 また、歴史の流れを暗記したいとき、家具の並び順と対応させると覚えやすくなるでしょう。
***
いかがでしょうか。 こんな現実味のない方法が本当に使えるのか?と思う方も多いはず。 私も半信半疑で取り入れてみましたが、驚くほど役に立ちます。 さらに、この記憶法では想像力が必要なために右脳が鍛えられ、また、秩序立った暗記のために左脳も鍛えられます。 少し難しそうと思うなら、現実の自分の部屋を使ってStep3から始めるのも良いでしょう。 この方法を使っている学術ジャーナリストのトニー・ブサンによれば、このメモリー・ルームはいくらでも増やしていけるとのこと。 メモリー・ルームで豪邸を作るのを目標にしてみては?
参考 トニー・ブサン,近田美希子訳(2009)『マインドアップ記憶術 トニー・ブサン天才養成講座3』ディスカヴァー・トゥエンティワン

