テスト開始。答案をめくると全く予想もしていなかった問題が。まずい。こんなのやってない。話が違うぞ。どうしよう。焦ってはだめだと分かっているものの、落ち着かせようと思えば思うほどに冷や汗が。結局何もできないまま試験終了のチャイムが鳴る・・・
これ、入試で一番やりたくない失敗ですよね。いわゆる「アガってる」状態なわけですが、今回はそんな緊張をコントロールしたり、自分の普段の勉強をブラッシュアップしたりするのに役立つ方法をお伝えします。その名も「メタ認知勉強法」。「暗記数学」などを提唱し、受験界では有名人でもある和田秀樹氏も、自身の著書の中で「メタ認知」について触れています。
「メタな」自分をつくること
「メタ」ってちょっと聞きなれない言葉でしょうか。Wikipediaでは、
メタ(meta-)とは、「高次な-」「超-」「-間の」「-を含んだ」「-の後ろの」等の意味の接頭語。ギリシャ語から。
と紹介されています。 ……ちょっとこれでもわかりにくいですね。
ざっくり言ってしまえば、「メタ認知」とは「自分の思考を認知する」ということ。自分がどのように考えて問題を解いているか、それを自体を考えてみるのです。 自分を客観的に見ることのできる「メタな自分」を手に入れれば、本番思わぬ問題が来ても動じません。
「いま見たことがない問題に出会って、自分は動揺しているな。この動揺は試験の邪魔になる。冷静に類似の問題を思い出すのが得策だ。」
このように、自分を客観的に俯瞰することで、心に余裕が生まれてくるはずです。
また、ある問題で行き詰ったときに、がむしゃらにトライするのではなく、ちょっと冷めた目で自分を観てみるとよいでしょう。そうすることで「自分の状態」を把握して、どうすればいいのかがわかります。違う方法を試してみるのか、次の問題に進むのか、それとも今は休憩をとるべきなのか。自分を客観的に見つめることって、とても大事になってきます。
「メタ認知」を手に入れるには
「メタな」自分を手に入れる裏ワザは、残念ながらありません。「メタ認知」がどういうものなのかを知り、少しづつ自分のものにしていく必要があります。ブラウンという認知心理学者によると、メタ認知とは
1、自分の限界を予測する 2、自分にとって今何が問題なのか明確にする 3、問題の解決法を立てる 4、自分の思考を点検・モニタリングしてみる 5、結果と目標を照らし合わせ、方法を実行するか決める
という5段階に分かれるそうです。普段勉強する時から、上の五段階に分けて問題を考えてみることが大事です。
一つの問題に、わき目も振らずがーーーっと集中する。それも大事かもしれませんが、少し冷めた目で自分を見つめ、ちょっと斜に構えて問題に取り組むのも、大事なことかもしれませんよ。

