以前、何度もさらっと全体を繰り返し読む「繰り返し読み勉強法」をご紹介しました。 これは、一度でしっかり精読して理解していくのではなく、流し読みを何度も繰り返すという勉強法、読書法でした。 【『脳が勝手に覚えてくれる! 繰り返し読み勉強法の驚きの効果』】
今回はそのメカニズムを問題演習に応用した、「流し読み」ならぬ「流し解き」について紹介しようと思います。 試験直前の確認として活用すれば、効果を発揮するはずです。
流し解きとは
流し解きとは「1問ずつの解答を最後まできっちり作らず、その分問題集全体を何周も繰り返す方法」です。 解答を最後まで作らないって、それって大丈夫?と思われるかもしれませんが、大丈夫です。
流し解きは具体的に3つのステップに分かれます。
①その問題の解答を作るときのキーワードのみを書き殴っていく。 ②分からなかったら、キーワードを確認。 ③全ての問題でキーワードがスラスラでてくるまで、何周も問題集こなす。
ここでのポイントは「キーワード」。 例えば、「日本国憲法の三大原則について述べよ」という問題があったとすれば、 三大原則である「国民主権・基本的人権の尊重・平和主義」の他に、 解答の要となる「天皇は象徴に留まる・戦争の放棄・戦力の不保持・交戦権の否認」なども挙げておきましょう。 採点者の気持ちに立ったときに採点基準となりそうなものがキーワードです。 キーワードさえ覚えていれば、文面は簡単に作れるはずです。
キーワードの他に「指針」「自分が間違いやすいポイント」も有効
数学のように文章で解答を作成しない問題の場合、キーワードの代わりに「指針」を確認しましょう。 例えば、「この問題はこの公式を使う」と言うように。
さらに、「前回、自分はここをこのように間違えた」ということを確認するのも効果的です。 「いつもこの部分を忘れてしまう、間違ってしまう」というのが確認できれば、本番でも間違うことは無いはずです。
試験の答えには、論述におけるキーワードといったような、採点の基準が存在しているはずです。 そのような重要事項だけを短時間で何度も確認することで、試験直前に万遍なく確認できるのが「流し解き」の最大の利点。 いざ試験に臨んだ時に「一回やったはずなんだけど……なんだっけ~!!」とならないというわけです。
もちろん言うまでもなく、キーワードや指針だけを覚えていても実際の解答に反映できなければ意味がありません。 頭から最後まで、きちんと解答を作ることも織り交ぜつつ活用していきましょう。
<参考資料> 『脳が勝手に覚えてくれる! 繰り返し読み勉強法の驚きの効果』

