勉強をしないといけないのに、どうしてもやる気がでない。 やらなきゃと思っているのに、とりかかることができない。 そんなこと、ありませんか? 今回は、勉強や課題といった、「嫌だと思ってしまうもの」にとりかかる極意をご紹介します。
邪魔なものには手が届きにくくする
勉強しようと思ったら、脇にあった漫画が気になり読みだしてしまう……。 誰しも、そんな経験ありますよね。 こういった、本来目的としていたことをしようとした時に邪魔になるもののことを、剣持まよさんの『脱・三日坊主!続かない女のための続ける技術』では、『オジャマ』と呼びます。
剣持 まよ (著), 石田 淳 (監修) サンクチュアリパプリッシング 2009年
このオジャマに影響を受けないようにするためのコツは、 『行動を減らす』 『行動を増やす』 の二つです。
人間は楽な方へ流れます。やりたくない勉強をやるのと、大好きな漫画を読むのだったら、漫画をとってしまうのはごく自然とも言えます。 そこで、勉強をやるための『行動を減らす』、漫画を読むための『行動を増やす』ということをやってみましょう。 例えば、
<漫画を読むためにする行動>が、 ①本棚から漫画をとる <英語の勉強をするための行動>が、 ①鞄を開く ②教科書と筆記用具を出す ③課題を確認する ④机を少し片づけてスペースを確保する
だったとすれば、この行動の数を逆にしてしまえばいいのです。
漫画を入れた本棚に布をかけたり、漫画を蓋つきのケースに入れてみる。 それだけで、漫画を読むまでに行動が増えることになります。 逆に、英語の勉強の方は、課題をあらかじめ、勉強に使用する教科書やノートに書き込んでおけば、行動が一つ減らせます。勉強机はいつも整理しておくようにしておけば、更に段階は減ります。 もし鞄がリビングにあって、勉強する部屋まで持っていくのが面倒なら、その場でやり始めてしまいましょう。
とにかく、やるべきことを始めるまでの『行動を減らす』、オジャマを始めるまでの『行動を増やす』 で、オジャマに流されることなく、やるべきことにとりかかっちゃいましょう。
瞬間集中法!
勉強をやるための物理的障壁が克服できれば、あとはとりかかるだけ、なのですが、勉強をやり始める前に、まず計画を立てないといけないのでは?と、やり始める前の段階を気にしてしまい、いつまでたっても勉強に入れないという人はいませんか? もしくは、テストまでにこの問題集をやり終えないといけない、こんな量できる訳がない、自分はバカだし…と苦手意識からの思い込みで、勉強にとりかかれない人はいませんか?
こうしたものを心理的障壁と言い、勉強の大敵になります。 けれど、脳科学者の茂木健一郎さんは、
心理的障壁に立ち向かうのは、難しいことではありません。 思い立った時に、パッと勉強に入ってしまえばいいのです。 そして、勉強を始めたら瞬間的に集中する。これが、忙しい現代社会に生きる僕たちにとっての効果的な勉強のしかた、「瞬間集中法」です。 『茂木健一郎/2010/脳を活かす勉強法/p78~p79』.
と述べています。 まさにこの通りで、勉強をやる前にあれをやらなきゃ、これをやらなきゃと思う前に、できない自分に落ち込むより前に、まず取りかかってしまいましょう。 戦略が必要、闇雲にやっても意味がない、ということはよく言われますが、そもそも取りかかれなくっちゃ意味がありません。やろうと思ったその時に、闇雲でいいのでやり始めてしまいましょう。 なんでもいいからやり始めると、脳の側坐核というやる気を司る部分が刺激され、やる気が自然と湧いてきて、気づいたときには集中できているはずです。
***
いかがでしたか? やるべきことを放置して、やらなきゃと思えば思うほど、脳に負担がかかり、苦手意識に変わってしまいます。 それより前に、『行動を減らす』『行動を増やす』『まず取り掛かる』で、すっきりやることを終わらせてしまいましょう!
参考・引用文献 剣持まよ著/石田淳監修/サンクチュアリパブリッシング/2009『脱・三日坊主!続かない女のための続ける技術』 茂木健一郎著/PHP文庫/2010『脳を活かす勉強法』 参考サイト 『心理学入門/作業興奮』

