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あなたの悩みは何ですか?

「英語が話せない」「プレゼンが苦手」「忘れ物が多い」「恋人にふられそう」「友達と喧嘩した」

ほんの些細な悩みから、人生を決める大きなものまで、悩みに振り回される私たち。なぜ人は悩んでしまうのでしょう。悩みをうまくコントロールできたら、と思うことはありませんか。今回ご紹介する書籍は、そんな悩みを科学的に解決する方法を教えてくれます。

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『どうでもいいことで悩まない技術』
柿木隆介著
文響社 2015年

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(以下引用は本書より)

著者である柿木氏は、神経内科医として臨床での経験を積んだ後に研究医に転身し、現在では国立の研究機関で教授を務めるエリート脳科学者。臨床医時代の経験も踏まえてこの本を執筆されました。

悩みと上手に付き合うために。ぜひご覧ください。

なぜ悩んでしまうのか

私たちは、一体なぜ悩みを抱えてしまうのでしょうか? 歴史の年号はすぐに忘れてしまうし、英単語はなかなか覚えられないのに、どうでもいい悩みが頭からこびりついて離れないのはなぜなのでしょう。著者はこう語っています。

たとえば、怒りや悲しみなど感情が大きく動かされるような出来事、また、繰り返し何度も経験したことなどは、「印象深い出来事」としてわかりやすい場所に保管されていきます。(中略)ある出来事が気になって悩んでしまう。それは、その出来事が「あ~イヤだった!」という強い印象とともに長期記憶として保存されているからです。

嫌なことが頭から離れないのは、至極当然のことなのです。脳がそういう仕組みになっているのですから。「悩みが多い……」と悩むのは、時間の無駄だというわけですね。

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悩み軽減のための脳科学的メソッドとは

この本は、悩みのメカニズムを科学的に解明した上で、悩んだことによって生じる怒りの感情をどうすれば収めることができるのか、解決策を提示してくれます。

些細な悩みでカッとなってしまうことは、誰にでもあること。著者は、それを「原始的な脳によるもの」だと分析しています。怒りでカッとなったり、恐怖でブルッと震えたりするのは、トカゲや犬にもある原始的な脳の活動によるもの。人間の場合、そうした瞬間的な感情の高ぶりを普段押さえ込んでいるのが、人間独自に発達した脳=前頭葉なのだそう。

前頭葉は持続的に活動して情動をおさえるようになっています。簡単にいえば、怒りや悲しみといった感情をコントロールする部屋のようなもので、24時間いつでも運転しているのです。

この前頭葉をうまく働かせるためにはどうすればよいか。次は、その方法の詳しい解説へと移ります。

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脳は習慣によって変えられる

著者が紹介するひとつの方法が、「深呼吸をする」というもの。感情の高ぶりを抑える前頭葉は、作動するまでに少し時間を要するのだとか。そのための時間を稼ぐために、深呼吸をすると良いのだと言います。

前頭葉が怒りをおさえるのにどのくらいの時間がかかるのか。(中略)どれくらいの時間かというと、3秒から5秒。(中略)となると、「イラッ」「ムカッ」としたとき、この3秒~5秒という時間をうまく稼ぐ動作を取ることが怒りをおさめるよい方法だといえるでしょう。たとえば、深呼吸などはその一つです。

この本で紹介されているこうした小さな習慣。その一つ一つを実践していくことで、小さな悩み、怒り、悲しみを気にしない脳を手に入れることができるでしょう。

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いかがでしょうか。
人間の感情は、すべて脳が生み出すもの。ですから、悩みのような目に見えない感情的なことも、脳科学で解き明かすことができるのです。科学的なメソッドで、「パッと意識を切り替えられる」ようになりたいものですね。


東京大学理科二類所属。県立浦和高等学校および駿台予備校出身。小さいころから自然や生き物に関心を持ち、高校時代に読んだ福岡伸一の「生物と無生物のあいだ」に刺激をうけ、分子生物学を志す。テニス歴6年。AKB48の大ファン。