授業ノート、どのようにとっていますか?あとで記憶の手がかりとなるように先生の言ったことを雑談も含め書き込む人、カラフルにペンを使いながら書く人。色々な人がいるかと思います。今回は、コーネルメソッドノートを利用した、理解が深まるノート術をご紹介します。
コーネルメソッドノートとは【コーネルメソッドノート】
40年程前にアメリカの名門コーネル大学によって開発されたこのシステムは「the best note-taking system」と呼ばれ、現在アメリカにおいて、有名大学及び、研究機関でもっとも多く導入されています。
(引用元:学研ステイフル|コーネルメソッドシリーズ)
[caption id="attachment_13871" align="alignnone" width="318"] 画像引用:学研ステイフル[/caption]
コーネルメソッドノートの特徴は、ノートが3つの部分に分割されている点です。 本来の使い方はこちら。 右上の広いゾーン→ノートエリア。普段通りノートをとるゾーン。 左上の細いゾーン→キーワードエリア。授業後、会議後すぐに疑問点やキーワードを抜き出す部分。 下の段→サマリーエリア。復習の時にその日の重要点を書き出す部分。
この使い方、復習の時までも考慮した合理的なやり方ではあります。でも、私のようにズボラな人は、復習するまで完成しないこのノート、面倒くさくなって投げ出してしまいそう……。
そこでおすすめしたいのが、コーネルメソッドをアレンジしたもの。美崎栄一郎さんのノート術をベースにした使い方です。
コーネルメソッドノートのおすすめの使い方
美崎栄一郎さんがその著書『「結果を出す人」はノートに何を書いているのか』で紹介している使い方は、3つの部分とも授業中に使ってしまうやり方です。実際は会議中のメモの取り方について書かれていますが、今回は授業にあてはめて書いてみます。
広いゾーンに普通にノートをとるのは同じですが、左の細い部分には、授業中からわからないところを書き出してしまいます。その時、書き出していると間に合わない時には、ノート部分のわからない箇所に線を引いてそこから細い部分に矢印を引っ張っておくだけでもかまいません。とにかく、わからなかったり、重要だと思ったりしたら、左の細いスペースになんらかの印を残しておきます。
こうすることで、見返す時に何が疑問だったのかが瞬時にわかるようになります。さらに、本来のように授業後に書くのではないので、忘れてしまうことがありません。復習の際に疑問点を調べたら、そのひっぱった矢印の下に書き込みましょう。こうした余白を残しておいてくれるのもこのノートのメリットです。
下の部分にはそのページの要点を書きます。ポイントは次のページに行く前に書いてしまうこと。ここも、ノート部分の要点から矢印をのばすだけでもかまいません。さっき左側にメモした重要事項とかぶっていても大丈夫。重要なことは書く回数が多いほど記憶されやすくなりむしろ効果的です。
東大現役合格した受験生の方法は
このやり方のもっとも大きなメリットは、インプットとアウトプットを同時にできるということです。授業の内容を聞きながら(インプット)、重要な点はどこかを自分で考え、サマリー部分に要約して書き出す(アウトプット)ことで、授業への集中が高まり、自分で考える作業が含まれて理解も深まります。
東大に現役合格した友達は、このメリットを活かしたノートの取り方をしていました。彼女がやっていたのは、授業で言われたことをそのまま書くのではなく、言われた内容をすべて自分の言葉で要約し直してから書く、という方法です。このやり方は、インプットとアウトプットが同時の最たるやり方と言ってもいいでしょう。ただし、授業をよほど理解していない限り、要約を間違ってしまう可能性もあるので、注意が必要です。
その点、今回紹介したノート術なら、授業内容もそのままメモしたうえで、要約もできるといういいとこどりのやり方ができるんです。さらに、復習がしやすくなるのも大きな特徴です。まずは左の細い部分の疑問点から解決していけばいいので、復習の効率化につながります。
コーネルメソッドノートを買わなくても、まずは自分で線を引いてみてもいいかもしれません。私も、英語のノートなどは細い部分太い部分の2か所に分け、細い部分に調べた単語を書き出したりしていました。授業ノートの取り方が確立していなくて、復習がなかなかできない、という人は、ぜひこのやり方を実践してみませんか。授業に限らず、会議の議事録や、レシピブックなどにも応用可能です。
なお、「勉強ノート術7選! 東大生・京大生おすすめ」では、ほかのノート術も紹介しています。ぜひご参照ください。
(参考) 学研ステイフル|コーネルメソッドシリーズ 美崎栄一郎 (2010),『「結果を出す人」は、ノートに何を書いているのか』, Nanaブックス.