みなさんには苦手なことがありますか? どうも数字が苦手とか、コミュニケーションが得意でないとか、英語はどうしてもできないとか、苦手意識を持ってしまっていることは誰にでもあるものですよね。
ですが、その苦手意識が単なる思い込みだとしたら?もしそうなら、そんな思い込みはすぐに捨ててしまいましょう。 今回は、人の行動、ひいては成功を左右する「思い込み」についてのお話です。
思い込みの怖さ
こちらのじゃんけんの例を見てください。 ペアになったふたりのうち、ひとりに「あと出しをする」「必ず負ける」という条件を出したうえで、一定の早いリズムで連続6回のじゃんけんをしてもらいます。 ルールに従えば、条件を出された人は6回とも負けることになります。しかし実際には、10組ほどで試しても、完璧に負けられる人はひとりいるかいないか。 その理由は、「じゃんけんは勝つゲームである」という学びや言葉や思い込みが、あらかじめ入っていたからです。 「あと出しで、負けてください」と実現可能な条件がそろっていても、それ以前に獲得していた「じゃんけんは勝つもの」という学びや言葉や思い込みが作用し、その人の行動と成果に影響が出たのです。早めの決まったリズムが、無意識の状態に近い反応を再現したわけです。 (引用元:「もう悩まない 働く女性の感情整理術」 島津良智著)
このように、『思い込み』は、あなたの行動を無意識下で左右してしまうほど、大きな力を持っています。
これを普段の生活に当てはめてみましょう。 例えば英語が苦手だとします。英語の問題を解くとき、心のどこかで「私は苦手だからこの英文の意味が理解できるはずがない」と、思い込んでいませんか。 その結果、ちょっと考えれば理解できたはずの文構造が、理解できなかったなんてことが考えられます。
また、その思い込みのせいで、町で外国の人に英語で話しかけられても聞こえなかったふりをしてしまったり、英語のポスターをみかけても気にも留めずに、せっかくの大好きなアーティストの公演情報をのがしてしまったり……。そんな事例はいくらでも考えられます。 あなたの可能性を広げるためにも、是非よくない『思い込み』はなくしてしまいましょう。
どうやって『思い込み』をなくすか
では、どのように思い込みをなくせばいいのでしょうか。 それは、「なりたい自分を思い描く」ことによって実現できます。
人間は1日に6万回の意志決定を行うと言われています。 しかしこのうち、98%はなんと無意識下で行われているそうです。脳がそれまでの経験、知識で「思い込んでいること」に従って自動的に判断をしているということですね。 このように、人が「思い込み」の力から逃れることはできないのです。
それではもうどうしようもないのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。 人が「思い込み」から逃れられないのなら、逆に「思い込み」を利用してあげれば良いのです。
たとえば、あなたが英語を苦手としているなら、無理矢理「私は英語が得意で、大好きだ」と思い込んでみましょう。 口に出しても良いし、部屋に「私は英語が得意だ」と貼り紙をしても構いません。 とにかく、無意識に「英語が得意だ」ということを刷り込み、「思い込み」を強制的に作ります。
そこまでいけばもう簡単。脳は勝手に「英語が得意な人」の意志決定を行います。 英文を見ても、どうにか読めないか工夫してみる。町で外国人に話しかけられても、なんとか聞き取って話をしてみる。 そんな風にひとつずつ、英語が得意な自分に変化していくのです。
*** いかがでしょうか?今、あなたが思い込んでいることをもう一度思い返してみて下さい。 きっと変わりたい、変えられるところがあるはずです。 ぜひぜひ、思い込みの力を逆に利用して、ステップアップしてくださいね!
(参考) 「もう悩まない 働く女性の感情整理術」 島津良智著 静山社(2015年)

