飲み会の場で自分に話が振られたけど面白い話ができなかった。職場の休憩室などであまり話したことのない人から話しかけられたけど、話が広がらなかった。

日常生活の中でこのような気まずい瞬間を経験したことはありませんか。そういったとき、「なにかおもしろいことを話さないと」と思ってしまうかもしれません。

でもちょっと考えてみましょう。「自分」がおもしろいと思う話をすることが重要でしょうか。大切なのは「相手」におもしろいと感じてもらうことのはず。

今回は、去年、「あまちゃん」の監督を務めた吉田照幸氏の著書「気のきいた一言がパッと出てくる!『おもしろい人』の会話の公式」を紹介しながらおもしろいコミュニケーションのコツに関して考えていきたいと思います。


『「おもしろい人」の会話の公式 気のきいた一言がパッと出てくる! 』

吉田 照幸著
SBクリエイティブ 2015年

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吉田氏によると、おもしろい人は概して以下の4つの力に優れているといいます。

①聞く力
②質問する力
③相手を理解する力
④黙る力

では、これらは具体的にどういう力なのでしょうか。 順に見ていきましょう。

聞く力

人は自分の話を聞いてくれる人に心を開きます。つまり、話を聞く力があると人に興味をもってもらえるということです。そこで、人の話を聞く際に気をつけておきたいことをひとつ紹介します。まずは以下の例をご覧ください。
「この前、すごく雰囲気のいいカフェにいってさぁ」
「へー、そうなんだー。私もこないだずっと行きたかったカフェに行ったんだー」
吉田氏曰く、これは「話泥棒」でこれをやった瞬間「アウト」とのことです。吉田氏によると

ここでの正解は「聞くこと」です。 <中略> その人が特別だと思って話しているエピソードに対して、「オレもさ」「私もね」って言ってしまうのは、相手の特別感を消している行為です。

相手がなにかを話そうとしているときはとにかく聞き役に徹します。自分の話をするのは相手に好感をもってもらってからが好ましいということですね。

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質問する力

相手と話を続けたいと思うとただ聞くだけではなく質問する力も身につけなければなりません。相手の記憶から内容を引っ張り出す質問を行うことで話が広がっていきます。吉田氏曰く、

大事なことは「いつ」「どこで」「誰が」「何を」という情報よりも、「なぜ」「どうやって」のほうに注意して質問することです。「なぜ」「どうやって」には相手の人となりが出ます。

「なぜ」「どうやって」という質問で、相手の性格に関する具体的な情報を引き出して、その後の会話を弾みやすくさせるという工夫です。では質問の内容はどうやって考えればいいでしょうか。ポイントは相手の話の内容を想像して、「映像化」することにあるんだとか。

話を聞くときのコツは「映像化させながら聞く」ということです。<中略>もし、映像が浮かばなかったら、それは自分がよくわかっていないということだから「実際にどんなことをするの?」と聞けばいいですよね。<中略>ここで大事なのは、なにか特殊な話が出てくるまで、焦らず聞くこと。「それ、珍しいですね」というポイントや、自分の知識と共通する話が出てくるまで質問をしながら、鉱脈を探していきます。

この方法は自分のよく知らない分野の内容が出てきたときに有効です。
(例)「僕、最近競歩始めたんですよー」
「そうなんですか。あの歩き方にはなにか意味があるんですか?」
上記の例では「競歩」というノーマークの単語が出てきた瞬間に競歩している様子を映像化して「なぜ」あの歩き方なのか質問することで話の内容を広げています。

相手を理解する力

おもしろい人というのはただ相手を笑わせられる人だけを指すのではありません。人は自分を受け入れてくれる人に対してもおもしろいと感じることがあります。例えば、

プレゼンも含めて会議は、みんなが何を面白いと思っているのかを見つける作業でもあります。自分が提案する立場であると、人に何を言われるかと戦々恐々としているかもしれませんが、逆に出てきた意見や反論を抽出して新たなアイデアとして見せてあげると「おもしろい」と言われます。

吉田氏はこれを「自分の話を聞いてくれた人はおもしろい人理論」と呼んでいます。これは自分が上司だった場合、強力な効果を発揮します。部下の意見を認めてあげた上で、それをまとめ、より優れた意見に変える。このことによって度量の大きい上司だと認知され、部下が変に気を使うことなく、意見のボトムアップを能率的に行うことができるようになるでしょう。相手を理解し、受け入れるだけでおもしろい人だと思ってもらえるということなんですね。

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黙る力

おもしろい人とは場を読むのが上手な人でもあります。空気を読む能力が高いため、その場に適した言葉で場を湧かせることができるのです。しかし、おもしろい人はずっと喋り続けているわけではありません。黙っておくべき時をわきまえていいます。

本当に「おもしろい人」は、みんなが盛り上がっているときは、一歩引いてます。<中略>「話を発展させたり、回したりするためには、どうしたらいいか」と先回りして考えています。

場が盛り上がっている隙に、一緒になって盛り上がるのではなく、次の盛り上がりに向けた一手を黙って考えるのがおもしろい人になるためのコツだということですね。

✴︎✴︎✴︎
いかがでしたか?吉田氏によると、「自分がおもしろくなくても、おもしろい話はいくらでもできる」とのことです。今回、紹介したのはこの本で紹介されているテクニックのほんの一部です。もっと詳しく知りたいという方はぜひ一度ご一読ください

参考文献
吉田照幸「気のきいた一言がパッと出てくる!『おもしろい人』の会話の公式」


京都大学農学部応用生命科学科所属。香川県立高松高校卒業。iGEM Kyoto 所属、デザイン担当。ボストンで開かれた合成生物学の世界大会iGEMの2014年度大会に出場し、金賞を受賞した。サイクリングが趣味。