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IQテストやSPI(非言語領域)などで頻出する展開の問題。サイコロなどの立方体が題材となるほか、二次元の題材として折り紙が扱われることがあります。いくつかに折ってハサミを入れ、開いたらどうなるでしょう? といった具合です。
こういった問題は、勉強をしなくても一目でわかる人には「なんでこんなのが分からないの?」というものなのですが、そうでない大半の人にはとても難しく、何をどう勉強したら良いのか、というところから頭を悩ませる分野です。
実は、二次元を三次元に組み立てる折り紙は、これらの問題を解くために必要な空間知覚スキルの向上へ、大いに貢献してくれるのです。

折り紙のはじまり

日本に「紙」という文化が伝えられたのは7世紀ごろであると言われています。それを日本的にアレンジしたものが「和紙」。はじめの頃は、ちょうど日本でも文字が生まれた時期でもあるため、メモ帳やノートの類が用途とされていました。その後神様にお供え物をする際に物を包むという使い方も生まれ、その後はどんどん用途が広がり、以下のような流れで折り紙の起源が紹介されています。

室町時代(14,15世紀)に入ると小笠原家や伊勢家によって様々な礼法が整えられ、紙包みの礼法(儀礼折)もそのころ考えられたものです。今も使われている熨斗包みや雌蝶・雄蝶などの折り方はその名残です。やがて礼法や決まりから離れて、折り方そのものを楽しむようになったのが「折り紙」です。

出典:東京おりがみミュージアム おりがみの歴史

手先が器用だと言われる日本人ならではのエピソードですね。このような歴史があることを知ると、たった一枚の紙から様々な折り方、世界観を紡ぎ出す折り紙って、とても素敵な文化だと思えてきますね。

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折り紙が脳に与える効果

「空間知覚」とは、「空間認知」「空間識」とを合わせた空間認識スキルのひとつを指します。あるものがどのような位置にあり、その実態がどのような状態に置かれているかということを理解する能力です。
折り紙で何かを表現するには、完成予想図を頭に置いて作業を進める必要があります。鶴であれば、折っている途中でくちばしの幅が予想できます。羽の広さもわかります。折りながら常に完成予想図と比較を続けることは、空間知覚の再現(認識したものを形にすること)と呼べます。

さらには指先を使うため、注意力を司る部位や運動を司る部位が活性化します。また、繰り返し行うことで記憶に密接な関係のある前頭葉や海馬に刺激を与え、より再現の精密さが増していきます。自分の手で何かを作るということは、高度な作業であるのです。
そして、効果をより大きく引き出すためのポイントとしては、いったん目を閉じて完成した鶴の姿を頭に思い描くこと。これをやるだけでぐんと上手になるというから、不思議ですね。

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日本の文化はたびたび世界のあちこちで取り上げられますが、折り紙もその一つです。ブームも手伝って今は、何百何千もの「origami」が存在しています。そう、海外では「origami」で通じてしまうのです。和紙から着物柄から作る動物に合わせた動物柄まで、柄も千差万別。世界で愛されている折り紙で、あなたも童心に帰って、脳を鍛えてみませんか?

参考:
東京おりがみミュージアム
学研教育総合研究所|ブレインイメージング研究と脳の活性化
空間知覚|脳科学辞典


横浜国立大学卒業。ライティングオフィス『シーラカンストークス』所属。過去に大学職員、プロ家庭教師の顔を持つ一児の母でもある。趣味は整理収納。