STUDY HACKERを読んでくださるような人は、各々がめいめいの勉強法なるものを持っていると思います。自分が一番適していると思うものを取り入れれば良いですが、たまには変わった方法でやってみたいと感じることもあるでしょう。 その一つとして、今回は論理的に理解し、なおかつ記憶に残りやすい勉強法を紹介します。
理解したことを別の人に「教える」
今日紹介するのは、他人に教えることで自分の理解を深めるという方法です。特別必要なものはなく、ただ他人に理論立てて説明するだけの手軽さから、いろんな人がもしかしたら既に実行しているかもしれません。 他人と言っても実際に誰か他の人が必要なわけではなく、隣に友人がいると仮定して演技をするだけで同様の効果が得られます。とにかく、自分が理解した項目を自分が教える側に立って説明してみましょう。
インプットだけでは理解したと言えない
なぜこの「教える」方法が良いのかと言うと、実際に新しい事柄を覚えるときに必要なのはアウトプットという作業だからです。何かを理解するということは、単に自分の中に入れ込む=インプットの状態にあたります。インプットされた知識をそのまま放置していてはいざアウトプットするというときに円滑にはいきません。 挙句、忘れてしまう可能性もあります。
そのため、実際に先にアウトプットすることで、以後のアウトプットを迅速かつ的確に行えるような状態を作ることが必要なのです。
教えることで理論立てる作業が入り、理解が深まる
漠然と理解した項目を教える際、自分の中で論理的に整理ができていない限り、上手に教えることはできません。初めて学んだことの理解というのは大抵漠然としたものであり、様々な要素が頭の中にバラバラに入っていることが多いでしょう。 そこで実際に教えてみることで、漠然と理解していたものが論理的に整理され、言わば整然とした理解に変化するのです。
声に出すことでより記憶に定着しやすくなる
科学的にも実証されていることですが、声に出したものは記憶に定着しやすいのです。教えることで理解を深めるだけでなく、より強く海馬にインプットするこで忘却の防止に繋がります。 さすがに静まり返った空間ではなかなかできないと思いますが、カフェ程度であれば隣人に聞こえないくらいの声量でぶつぶつ声に出してみましょう。
こちらの記事「言葉にできないもやもやを解決! 頭を整理する「言語化」の技術」でもご紹介しているように、私たちは一度インプットした漠然とした情報をアウトプットする際、つまり言語化する時に初めて、本格的に知識を組み立て構築し始めます。
学んだことを真に理解をするためには、この言語化が欠かせない作業なのです。
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隣に5分前の自分がいると思って、その自分にわかりやすく説明しようとすることで、理解が深まります。この過程では必ず、理解したことの要点を抑えて理論立てて説明するという行為があると思いますが、この作業こそがより深い理解には不可欠なのです。
<参考> Psycology Today|Say it loud: I’m creating a distinctive memory. FACULTY FOCUS|Do Your Students Understand the Material, or Just Memorize and Forget?