ベストセラー『ISSUE DRIVEN』から学ぶ、参考書の賢い選び方

買ったものの、数ページ勉強しただけで放置されている参考書、覚えは有りませんか? 評判が良かったから買ったけど、あんまり自分には合わなかったなあ……なんてこともよくあることです。

参考書選びは重要であると同時にとても難しいものです。 選び方を間違えば、時間とお金を浪費することとなります。 今回はベストセラー『イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」ビジネスにおける問題解決のプロセス』をヒントに、参考書選びのポイントについて考えてみることにしましょう。

安宅和人著 イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」 (英治出版、2010年)

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badge_columns_1001711目的から逆算する

意識すべきはその参考書を選ぶ目的です。 「どれくらいの期間で何を身につけたい、どのレベルに達したい」という具体的な目標に沿って判断しましょう。 目的から逆算することで形式、対応レベル、問題数などが絞られてくるはずです。 例えば「1か月で英文法の基礎をマスターしたい」と考えた時に、分厚く専門的な参考書を買うような無謀な選択はしないはずです。

 

本棚の隅で忘れ去られてしまった参考書が出てきてしまうのは、目的が曖昧なまま購入されてしまったことが原因ではないでしょうか。最低でも、「期間とレベル」をはっきりとさせた目標を立てましょう。

最後に、本屋で手に取った時の感覚から、持ち歩きのしやすさ、読み易さ、著者の口調など個人の好みを考慮して決めていきます。

badge_columns_1001711基本情報をスキャンする

ビジネスにおいては業界での競争関係や代替品、法規制の有無など、基本情報を客観的に押さえておくことも重要です。

参考書選びにおいては出版年数、形式、対応レベル、問題数・ページ数などをチェックしましょう。「定評のある本を買ってきたけれど、旧課程版だった……。」というのは、ありがちな失敗です。

この段階では、自分の好みなどは度外視して、客観的にデータを集めることが大切です。 自分の目標に合った条件のものはリストなどにしておくと後から見やすいですね。

 

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badge_columns_1001711一次情報に触れる

ビジネスにおいても、実際に何が起きているのか自分の目で情報を確かめることには大きな価値があります。

それと同じく、参考書選びにおいても本屋で手に取って見てみることは不可欠なポイント。 インターネットで検索をすれば参考書の格付けなどを行っているサイトがたくさん出てきますが、それはあくまでもそのサイトを作った人のフィルターを通してみた結果です。

最終的には自分の手元において使う参考書ですから、手に取った自分の感覚を無視してはいけません。 必ず実際に手に取って、自分が使っている場面を想像してみましょう。

badge_columns_1001711集めすぎ・知りすぎに注意

安宅氏によれば、情報を集めることに執着しすぎると、「情報を集めるための手間や労力」と「得られる情報量」が見合わなくなってしまうということです。効果が逓減してくるということですね。

さらに情報を知りすぎると、知識にがんじがらめとなり「自分で考えて決定することができなくなる」とも言っています。

確かに、たまに見かける参考書オタクのような人たちが効率的に参考書を選び、学習しているかと言われれば疑問が残るところです。

安宅氏はこのような状態を「知り過ぎたバカ」だと表現しています。 情報収集はほどほどにして自分にある程度合った参考書をさっさと選び、その分を勉強時間に当てるべきだという当たり前のことを忘れないように。

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いかがでしょう、言われてみれば当たり前ということが多かったでしょうか? 今回の内容は既に持っている参考書についても同じことが言えます。 優れた参考書も、特徴をきちんと把握して、上手く生かしていかなければ役には立ちません。 今回の内容を頭に入れて上手に参考書を活用していきましょう!

参考文献 安宅和人(2010),『イシューからはじめよ ―知的生産の「シンプルな本質」』,英治出版


京都大学法学部所属。私立神戸女学院高等部卒業。合氣道同好会と美術部に所属。京都大学のiCeMsやカラスマ大学の活動にも参加。オンライン塾講師も経験。

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