girl student, the teacher writes on blackboard chalk formula

「世界算数」という大会をご存知だろうか。

なんだそれ、数学オリンピックの小学生版か?
と思ったそこのあなた。甘い。

子どもから大人まで参加できる、思考力と論理力を試す大会。
そこまで知名度が高いわけではないものの、非常にハイレベルなものだ。

まず、高度な数学的知識を必要としないことが特徴だ。
開催は算数オリンピックを主宰する組織が行っているため、問題がいわゆる「算数」の範囲から出題される。

整数論や「集合」の概念、高度な幾何学や代数学の知識を必要とする数学オリンピックとはそこが違う。

例えば、こんな問題。

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(画像出典:世界算数|https://www.global-math.com/ )

どうだろうか、かなり頭を捻らないと解答できないはず。この他にも例題がHP上で公開されているので、ぜひチャレンジしてみてほしい。

さて、今回ご紹介したいのは、そんな「世界算数」のページ上で紹介されている「5つの思考回路」というもの。解法を導くために必要な考え方や思考回路自体だ。数学的知識がいらない、世界算数ならではといえるだろう。実はこれらの思考法、算数だけじゃなく、仕事や日常生活にも活かせるものばかり。

今日は算数のプロに学ぶ、頭の使い方講座だ。
(以下引用すべて世界算数より)

badge_columns_10017111 ステップ回路「これだからこうなる」

確かな理由から着実に答えを導き出す堅実な思考回路。「なんとなく」といった感覚は使わず、不確かな道は進まない。

私たちは、想像以上に「勘」や「当てずっぽう」で動いている。論理的に進めたつもりのプロジェクトでも、失敗の原因は企画段階での詰めが甘いことだったりする。

着実に論を進めているつもりでも、人間である以上思い込みの力が働いてしまうのだ。算数の問題では、そうした甘さが失敗にすぐ現れる。着実で論理的な「ステップ思考」を身につけて、まさかのミスを減らしていきたいものだ。

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badge_columns_10017112 リバース回路「こうなるためには…」

与えられた、もしくは想定した結果になるように考えていく芋づる式思考回路。結果ありきで考えることで進むべき道が明らかになる。

がむしゃらに仕事を進めていても、うまくいくことは少ない。それは今取っているアクションが、どういう結果を生み出すのか考えていないから。まず結果をイメージし、その結果を生み出すアクションがどんなものなのか考えよう。

望ましい結果を最短で生み出すアクションをとり続ければ、自然と最短でゴールに辿りつけるようになるのだ。算数の問題で逆算する思考が鍛えられる。

badge_columns_10017113 クリエイト回路「これをこうすると…」

形や見方を変えて自らヒントを生み出す発想転換型の思考回路。確かな理由を探る前に、「きっとヒントが隠されている!」といった感覚的な気づきも時に必要となる。

よく数学の問題を解く時に、「こんなアイデア思いつかない」という人がいるが、それは的を射ていない。アイデアが思いつかないのではなく、その解法を発見した視点から問題を見ることができなかっただけ。これは仕事でも同じ。

アイデアが出てこない。どの職場でも共通する悩みだろう。アイデアを生みたい時、必要なのはセンスでも、研ぎ澄まされた感覚でもない。それは、視点の多様さ。いろいろな角度からものごとを見つめ、自分の手でヒントを作り出す必要があるのだ。

woman can't solve math problem

badge_columns_10017114 ノック回路「この場合は…あの場合は…」

考えられる可能性を当てはめて、それが正しいかどうかを確認して進めていく思考回路。「とりあえずこの方法で…」と進みはじめるのではなく、ひとつひとつ検証しながら進めていく。

自分で思いついたアイデアや方法を、すぐに試したがる人は多い。しかし、実際にそのアイデアがうまくいくことは非常に少ない。自分で考えた以上、愛着が湧くのはわかるのだが、それはただの見切り発車にすぎない。

一体、どの手札を切ればうまくいくのか。まず考えられる可能性と手段を十分にピックアップしてから、進めていく必要がある。

badge_columns_10017115 スキャン回路「つまりこれは…」

情報をしっかり整理して必要な情報と不要な情報を見つける思考回路。飾り物にだまされず、問題の本質をしっかり見抜く。

情報が溢れる現代社会。どれが信用できてどれが信用できないかを見極める能力は、ビジネスにおいて必須といえるだろう。算数の問題では、限られた数の条件と情報から正しいものを選べばよいが、現実世界では情報量は無限に等しい。

まずは算数のように、限られた範囲から探す訓練をしてみるのが効果的だろう。

***

いかがだろうか。

この記事のタイトルと「世界算数」という大会名を知らずに、この5つの思考法を見たら、あなたはどう思うだろうか。

数学や算数のことだなんて夢にも思わないはずだ。そう、算数を通して身につけることのできる能力は、あまりに私たちの生活と密接に関わっているのだ。

自分は文系だから…
算数なんて大昔のこと…

そう言わずに、ぜひチャレンジしてみてほしい。ちなみに、HP上で随時会員を募集している。自分を変えてみたい方はぜひ。

参考
世界算数


東京大学理科二類所属。県立浦和高等学校および駿台予備校出身。小さいころから自然や生き物に関心を持ち、高校時代に読んだ福岡伸一の「生物と無生物のあいだ」に刺激をうけ、分子生物学を志す。テニス歴6年。AKB48の大ファン。