突然ですが、みなさんは雨の日に外を歩いたらかばんの中の書類がびしょ濡れになっていたという経験はありませんか? はたまた、飲み物を片手に勉強していたら、参考書にこぼしてしまったなんてことはありませんか?
僕はよくやりました。 お風呂で読書やゲームをしていたので、気が緩んだ瞬間に手が滑っていくつもの愛玩品を水没させてきました。
本が濡れてしまったら、まず最初に何をすれば良いのでしょうか。 本を広げて天日干しにしたり、風通しの良いところに置いたり、寝かせて上から辞書などの重いもので圧迫したり……そんなところですかね。 また、何ページもくっついてうまく開かない時、完全に乾いてから開くとビリッと破れてしまうため、濡れているうちにそっと1枚ずつ剥がしたりもしますよね。
しかし、今挙げたこれらの方法は、実は誤りなのです。
そんなわけで、今回は濡れた本を元通りに戻す方法を紹介します。
濡れた本を救出するアイテムはこれだ!
水没した本を元通りにするのに必要な道具はたった2つ。 冷凍庫とフリーザーバッグです。 どちらも各家庭にあると思います。 フリーザーバッグは「ジップロック」が有名ですが、透明なビニールの袋で、チャックがついているものです。 用意は良いですか?とても簡単です。 それでは説明します。
1.水没した本をそのままフリーザーバッグに入れる
まず、濡れたまま何もせずにフリーザーバッグに入れてください。 開いて弄ったりせずに閉じたままです。
2.チャックを開けたまま、冷凍庫に立てて入れる
濡れた本をフリーザーバッグに入れたら、チャックも開けたままにします。 そして、冷凍庫に立てて入れます。
3.一晩放置する
チャックを開けたまま冷凍庫に入れたら一晩放置しましょう。 ふやけた状態から水分が抜け、元通りになっています。
なぜフリーザーバッグが教科書を救出できるのか
以上が水没した書類を元通りにする方法です。 非常に簡単ですね。 ちなみに、冷凍庫に入れることで書類が元通りになるメカニズムは、中学生の知識で説明することができます。
液体は、蒸発して気体になる一方で、その気体は凝縮して液体になります。
水を見ればわかりますね。温度によって液体になったり気体になったり固体になったりします。
冷凍庫内の温度は、水の融点(気体から液体になる温度)より圧倒的に低いため、冷凍庫内では水分は凝縮し、凝固します。 これが、冷凍庫によく見られる霜ですね。 これらの現象が、実は水没した本の中に起こっているのです。
冷凍庫は温度が低いため、水分が霜へと凝縮・凝固します。 そのため乾燥していますね。つまり、湿度が低いということ。 そのように湿度が低い時、蒸発量が増えます。 つまり、水分を多く含んだ本から水分が抜けていくのです。 冷凍庫内の湿度は常に低いため、ひたすら本の中の水分が蒸発していきます。 これが、本を元通りにするカラクリなんですね。
また、蒸発によって水分が抜けるだけでなく、毛細管現象も水分の放散を助けてくれます。 毛細管現象は霜柱が発生する原理と同じで、液体が管の中を上昇する現象です。 この毛細管現象により、水分が凝固する時に本の表面に滲み出します。
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いかがでしょうか。 これらの原理によって、冷凍庫内の本が乾燥していくのです。 理科の知識は実はこのような場面で使えるということがわかりましたね。 僕は以前テレビ番組で見て知っていましたが、発見した人はもっと評価されるべきだと思います。 本は水没させないのが一番ですが、どうしても濡れてしまったらこの方法を試してみてください。

