新年や新年度を迎えるタイミング、あるいは新しい環境に身を置くことになったときなど、手帳を新調する人は多いことでしょう。そのとき頭を悩ませるのが、仕事用とプライベート用の手帳を使い分けるべきかどうかということ。1冊の手帳で仕事とプライベートのスケジュールを管理することも、2冊の手帳を用意して使い分けることも、どちらにもメリットがあります。大事なのは、ビジネススタイル等に応じて自分に合ったほうを選択することです。
今回は、仕事もプライベートも捗る手帳の選び方と使い方をご紹介しましょう。
仕事とプライベートの手帳を分ける・分けない? 自分に合うのはどちらか
あなたは今まで、1冊の手帳に仕事とプライベートの予定を書き込んでいましたか? それとも、2冊の手帳を用意して仕事用・プライベート用に使い分けていましたか? どちらの手帳の使い方にもメリット・デメリットがあります。
1冊派のメリットは、持ち運びが楽なこと、そして仕事とプライベートの予定を漏らさず把握しやすいことです。しかし、ビジネスシーンで手帳を開いたときにプライベートの予定も見えてしまうというデメリットがあります。
一方で2冊派は、プライベートの書き込みを見られる心配がないのが最大のメリットです。そのため、予定以外に日記なども手帳に書き込むことができます。一方のデメリットは、荷物としてかさばること。どちらかの手帳を家に忘れてきてしまうといった心配もあります。
『超カンタン!時間管理術』など複数の本を手掛ける水口和彦氏は、手帳を1冊にするか2冊使い分けるかは、次の基準で決めると良いとしています。
「2冊に分ける」ための前提として、仕事の時間がある程度規則的になっている必要があります。フリーランスのような仕事で、仕事とプライベートの時間の区切りがあまりはっきりしていない場合や、会社勤めでも残業時間が極端に長かったり短かったりバラバラな場合は「2冊に分ける」のはおすすめできません。
(引用元:時間管理研究所|仕事用とプライベート用、手帳を2冊に分けるための「前提条件」 ※太字は編集部が施した)
時間が不規則な仕事に就いている場合、プライベートに使える時間も不規則です。だからこそ、仕事とプライベートの予定を一括で管理しておかないと、空いている時間をうまく把握できず、ダブルブッキングなどのトラブルを起こす可能性があります。
フリーランスに限らず、不規則に長時間の残業がある、出張や長距離移動が多い、日勤・夜勤を繰り返すシフト制、フレックス制の職場で働いている場合は、手帳を1冊にまとめると良いでしょう。ただし、勤務時間が一定している場合でも、書き込む予定が多い場合や、職場でプライベートの予定を書き込んだ手帳を見られたくない場合は、2冊に分けたほうが良いとのこと。見にくい手帳や職場で開きにくい手帳では、十分に機能しないためです。
「職場で手帳を開きにくい」→「手帳を開かなくなる」→「アポイントメントやタスクの管理がうまくいかなくなる」となってしまっては良くありません。こういうケースでは特に「2冊に分けるメリット」は大きいです。
(引用元:同上)
あなたはどちらのタイプでしたか? 手帳の1冊派・2冊派は好みで使い分けてもかまいませんが、こうしたビジネススタイルに応じた選び方もおすすめです。
仕事とプライベートを1冊の手帳で管理する、3つのコツ
仕事とプライベートを1冊の手帳で管理する場合、手帳の選び方や書き込み方に工夫をする必要があります。使い方のコツを3つ説明しましょう。
1. ダブルスケジュールorガントチャート式の手帳を使う
ダブルスケジュールとは、1冊の中に仕事用とプライベート用それぞれのカレンダーがある手帳のことです。たとえば1ページ目の月間スケジュールは仕事用で、次のページをめくるとプライベート用の月間スケジュールが用意されています。これで仕事とプライベートの予定を完全に分けて管理することができます。
ガントチャート式とは、タスク別にスケジュールを管理できる手帳です。縦軸がタスクを書く欄、横軸が週間バーチカルとなっています。タスク欄に仕事やプライベート予定、資格勉強の進捗など好きなように項目を設定できるので、仕事とプライベートの管理を同時にできるのです。家族ごとのスケジュール管理や体調管理にも活用できます。
スケジュールを書き込むだけでなく、毎日ルーティン化したいことを、できた日だけ○をつけたり、体重の折れ線グラフを書いたりする使い方も。
(引用元:NIKKEI STYLE|確実に自分時間をつくる 2019年手帳使いこなしテク)
2. 色分けでスケジュールの内容を分類する
すでに購入している手帳を活用したい、愛用しているブランドがあるので変えたくないという場合は、今の手帳を見やすくするためにスケジュールの内容ごとに色分けしましょう。『結果を出して定時で帰る時間術』の著者・小室淑恵氏は、書き込みは通常のペンで行ない、手帳を見直しながら色分けするそうです。
スケジュールを見やすくするために後から色分けはしています。普通のペンで書いた後に『フリクションライト』という蛍光ペンで色分けしています。グリーンは出張、イエローは執筆、重要なことやヘビーな予定はピンクを使っています。ここで大切なことは、毎日見返すこと。見返しながら考える。考えを整理しやすくするために色分けをしているのです。
(引用元:@Living|新年度からしっかりマスターしておこう! デキるビジネスパーソンの 「仕事がうまくいく」手帳活用術 ※太字は編集部が施した)
3色ペンを使うといった方法でも色分けできますが、その場合も「手帳を後から見直す」という重要な過程を忘れないようにしましょう。
3. 記号・略字を活用する
記号・略字を活用すると、すっきりして見やすくなる、情報漏えいを防げるといったメリットがあります。前出の小室淑恵氏によると、記号などは自分のルールで自由に決めてよいそうです。
短時間で書き込め、スケジュールがすっきりと見やすくなる略字や記号。「分かりやすいこと」「書きやすいこと」を守って工夫しているうちに、自分なりのものができ上がってくるでしょう。
(引用元:アデコの派遣|【手帳に書くことがない人必見】ハッピーになるための手帳術)
職場でプライベートの予定を見られないための予防策になりそうですね。
仕事とプライベートで2冊の手帳を使い分ける、3つのコツ
これまで1冊の手帳で仕事もプライベートも管理してきた人にとって、2冊の手帳を使い分けるのは未知の世界かもしれません。そこで、2冊の手帳を使い分けるコツを3つ説明します。
1. プライベートの書き込みが多い人はレイアウトを統一
サイバーエージェントの広報担当者・上村嗣美氏は、仕事用は実用性を重視し、プライベート用は好きなブランドの手帳を用意しているのだそう。ただひとつのこだわりは、どちらの手帳も同じレイアウトのものを使用していること。仕事もプライベートも予定の書き込みが多い場合は、2つの手帳を並べて見やすいほうが、スケジュール管理もはかどるのだそうです。
レイアウトも仕事用と同じく、左側が週間予定表・右側がメモ欄になっているタイプを使っています。
(引用元:All About|「2冊の手帳」を持つ美人広報)
レイアウトだけ気をつければ、プライベート用の手帳はお気に入りのマスキングテープや付箋で華やかにアレンジできるので、手帳を開くのがますます楽しくなりそうです。
2. プライベートの書き込みが少ない人はシンプルな手帳を
プライベートの書き込みは必要最低限で良いという人は、プライベート用の手帳はサイズが小型で機能がシンプルな手帳を選びましょう。手帳ブランドでおなじみ高橋書店の広報・藤原布沙絵氏は、仕事用はバーチカル式で時間軸に沿ったスケジュール管理をしていますが、プライベートは月間カレンダー式で管理しているそうです。
8年前までは、プライベート用もバーティカル式を愛用していたのですが、書くことがなくて…プライベートは「カレンダー式」のNo.274に落ち着きました。基本的にプライベートの予定しか書かないので、予定をシンプルに管理しています。
(引用元:Oggi.jp|目標は「赤マル」で管理! 公私別に2冊もち!【結果を出す人がやっている手帳の使い方】)
3. プライベート用の手帳はデザイン重視で気分を上げる
2冊の手帳を使い分ける上村氏と藤原氏に共通しているのが、プライベート用の手帳はデザインを重視してお気に入りの表紙のものを選んでいることです。上村は先述の通り愛用ブランドのものを選び、藤原氏は好きなピンク色の手帳を選んでいます。
服ではかわいらしすぎてあまり着ないのですが、カバンの中には暗い色が多いので、ピンクだとすぐに見つかるし、実はピンクが好きなので小物類はピンクが多いかもしれません。
(引用元:同上)
プライベート用の手帳で個性を出すことで、オンオフの切り替えにもつながります。
*** 手帳を活用できるようになると、空き時間を効率的に使えるようになります。今まで手帳をうまく使えなかったというビジネスパーソンの方は、ビジネススタイルに応じて手帳の使い方を見直してみましょう。
文 / かのえかな
(参考) 和気文具ウェブマガジン|仕事とプライベート手帳はどうしてる? 時間管理研究所|仕事用とプライベート用、手帳を2冊に分けるための「前提条件」 NIKKEI STYLE|確実に自分時間をつくる 2019年手帳使いこなしテク @Living|新年度からしっかりマスターしておこう! デキるビジネスパーソンの 「仕事がうまくいく」手帳活用術 アデコの派遣|【手帳に書くことがない人必見】ハッピーになるための手帳術 All About|「2冊の手帳」を持つ美人広報 Oggi.jp|目標は「赤マル」で管理! 公私別に2冊もち!【結果を出す人がやっている手帳の使い方】