「熱中できる趣味がない」
このように話す私の友人がいます。他の人がハマっている趣味を試してみても、熱中できず飽きてしまう。でも、何か熱中できるものがある人が羨ましいのだとか。
確かに、勉強に仕事に忙しい毎日を過ごしていると、休みの日にはそれらのことを忘れて一心に打ち込める趣味が欲しくなりますよね。また、大学生の夏休みのように自由な時間を無限にとれる纏まった休みは、人生において貴重な機会。何か一つでも打ち込める趣味があると、より充実した休み期間を過ごすことができるでしょう。
では、没頭できる趣味がない人は、どうやったら趣味を見つけられるのでしょうか? 今回はこの問題について考えてみたいと思います。
新しい趣味探すのはNG
よく、新しい趣味を次々に試す人がいます。釣りやランニングなど、やったことがないものを片っ端から試してみるのがこのタイプ。自分に合う趣味が見つかるまで、試してはやめ、試してはやめ……を繰り返す、というやり方ですね。
ハッキリいいましょう。この方法では、趣味を見つけることはできません。なぜなら、動機や目的のある趣味は継続しないからです。
そもそも趣味とは、その行為自体に価値がなくても無条件で熱中できるものを指す言葉。
しかし、趣味を探している人というのは、「熱中できる趣味を持っている自分」になりたくて趣味を探しているのが大半です。「趣味のある自分になりたい」という目的は、趣味に向かう一時的なモチベーションにはなっても、最終的にはその趣味を「目的達成のための手段」に変えてしまうのです。
手段になってしまった趣味には、もう熱中できません。はじめのうちはその趣味の本質を好んでいたのかもしれませんが、実は「趣味のある自分」という姿を好んでいただけなのですから。
ゆえに、趣味を探すという行為は、趣味の本質とは正反対の方法であると言えるのです。
自分の1日を分析すると趣味が見つかる
では、趣味がない人はどうしたら趣味を得ることができるのでしょうか?
趣味を新たに探すのはNGと言いましたが、趣味のヒント自体は日々の生活の中にたくさん転がっています。
まずは、普段自分がどのような生活をしているのか思い返してみましょう。休みの日や、家に帰ってからの時間。何をしている時間が多いですか? ゴロゴロ漫画を読んでいる、スマホでTwitterを見ている、友達と酒を飲んでいるなど、何かしらの行動はしているはずです。
それこそが、趣味のヒント。意識せずとも継続していた行動こそ、あなたが無条件に熱中できる趣味への入り口なのです。
そのような行為が見つかったら、次はそれを一工夫してみましょう。例えば、漫画を読んでいるなら、新しい漫画を読んでみる。飲みに行くのが好きなら、新しい飲み屋を開拓する。このように、普段の行動に一つスパイスを加えてあげることで、それはやがて趣味に変わっていきます。
しかもそれは、あなたがもともと無意識のうちに繰り返していた行動。飽きることのない継続的な趣味は、このようにして作ることができるのです。
それでも趣味が見つからない人へ
上記の方法を試したけど、趣味と言えるものが見つからなかった人。
「やっぱり自分は熱中できることのない冷めた人間なんだ」と落ち込まないでください。あなたに趣味が見つからなかったのは、人よりも大人だからです。
人間は大人になるにつれて、現実的なものにより大きな価値を見出すようになります。社会に出てお金を稼ぎ、生活を成り立たせていく必要がありますから、当然ですね。そうなると、趣味をやっていても、「これをやって何になるんだろう?」と考えてしまいます。逆に、現実的で生産性のある行為が目につくのです。
しかし、これは悪いことではありません。実生活が頭の中を占める割合が多い分、現実での成果は当然大きくなりますから。
『人間の価値判断は無条件に、幸福の願望に導かれている』
(引用元:名言から学ぶ幸せのヒント|『人間の価値判断は無条件に、幸福の願望に導かれている』)
というのは、かの有名な精神学者フロイトの名言。あなたにとっての幸福が、人よりも実生活寄りだったということです。
ですから、趣味がないことを悩みすぎないでくださいね。本当に大切なのは、自分にとっての幸福がどこにあるか、です。悩んだ時こそ、一度自分の価値観を見つめなおしてみてください。
(参考) ふりっくすなう!|熱中できるものがないとお悩み中のあなたへ。青春したいですか? 名言から学ぶ幸せのヒント|『人間の価値判断は無条件に、幸福の願望に導かれている』 アソビを哲学する|「趣味が欲しいけどできない」という人は趣味を探す事をやめればいい