あなたは最近、文字を書いていますか?近年はパソコンやスマートフォンなどのデバイスの発達により、文字を書く機会が少なくなっています。いざペンを手に取り書こうとすると、漢字を思い出せなくなったり、自分の恐ろしく汚い字に驚いたり……などという経験がある人もいるのではないでしょうか。ですが、そんな今の時代だからこそ、文字を書くことの重要性が見直されています。今回は、文字を書くことと脳の働きについてお送りしていきます。
脳の動きを活発にしよう
まず、脳の活性化には体を動かすことが大切なのはよく知られています。特に、指先を動かすことは繊細な動きが必要なので、脳の働きも活発になります。字を書くことについて、脳機能の中で関わっていない場所がないほど=つまり、脳の広範囲が活動するのです。「字を書く」というそれだけの行為で、ニューロンの連結が促され、脳機能がよくなることにつながります。 「指先を動かすことが脳の動きを活性化する」ということで、老人ホームでのレクリエーションや認知症の治療などで、工作やて遊びなど、指先を動かす様々なプランが取り入れられていることは有名です。
「書く」ことにより目標達成率もアップ
また、カリフォルニア・ドミニカン大学の心理学教授、Gail Matthews氏によって、「書くこと」と「目標達成を共有することの効果は科学的に証明されています。目標を紙に書き、それを人に伝え、説明することを続けた人は、目標を達成する可能性がそうでない人に比べ33%も高かったといいます。よく「目標を紙に書きなさい」などといいますがこれについて科学的な根拠が示されたことになります。
書くことは、脳幹の網様態賦活系にある多くの細胞を刺激します。この網様態賦活系は、脳が処理するもののなかで、その瞬間に積極的に注意を向けているものをより重要視するフィルターとして働きます。書くことは、様々な方面から脳を刺激するのです。
キーボードではなぜダメ?
同じ指先を動かす作業でも、なぜキーボード(タイピング)ではだめなのでしょうか。それはタイピングは単純作業なので、脳への刺激が少ないためです。ブラインドタッチの指の動きは小脳で代替されてしまい、指先を動かす脳の部位の隣にあるブローカー野への血流の影響が減ってしまいます。そのため、書くということに比べてどうしても脳機能という点では劣ってしまいます。
*** いかがでしたか。一番おすすめしたいのが、「日記をつける」ことです。手書きで日記を書くことで、脳機能も向上し、その中で自分の目標や進捗などを書いていけば目標達成へも近づき一石二鳥。たまにはアプリの記録だけではなく、手書きで日記を書いてみませんか?
参考: ZEBRA 書字で脳を活性化 みんなの介護 高齢者のためのレクリエーション