Girl studying hard at the University canteen

覚えなくてはならないことってたくさんありますよね。新人社会人も、配置換えになったばかりの中堅ビジネスマンも、転職したてのビジネスパーソンも。それにもちろん受験生も。

膨大な暗記量をさばくのは大変ですし、少しでも効率的にできたらなあと思ったことがある人がほとんどだと思います。今回は、暗記の効率を上げる方法をお送りしていきます。

badge_columns_1001711暗記は空腹時にすべし!

まず、暗記のタイミングです。これは、空腹時がよいと言われています。私たちヒトも含めて、動物は危機的な状況にあるときに、注意力や記憶力が促進されます。これは脳に備わった普遍的な性質です。イェール大学のホーバス博士の研究によると、胃が空っぽのときに放出されるグレリンというホルモンは、学習や記憶に必須の「海馬」に強く作用することがわかりました。グレリンが海馬に届くと、シナプスの数が30%も増え、活動の変化率も増大するのです。

小腹がすいた、そんなときは何かをつまむ前に暗記をしてみましょう!

空腹時には海馬の動きが良くなる、という以外にも、記憶力がアップする理由があります。人間の記憶には一瞬だけ記憶する「短期記憶」と、しっかりと記憶される「長期記憶」があります。一夜漬けで覚えたものが数日経つとほとんど忘れてしまうのは、長期記憶に移行していないためです。今覚えた記憶を受験時までキープするには長期記憶に移行させる必要があります。

長期記憶にするためには、CRTCというタンパク質が必要であることが分かっています。CRTCは活性化すると細胞核に移行するのですが、公益財団法人 東京都医学総合研究所によるハエを使った実験の結果、空腹により細胞核への移行が確認できたのです。記憶に働きかけるCRTCも海馬も空腹時に活性化するので、空腹は記憶するのにベストな状況であることが分かりますね。

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badge_columns_1001711暗記に最適な環境は?

集中して暗記をするには、環境も大切です。「頭寒足熱」という言葉が示す通り、頭部の温度を低く、足元の温度を温かくした時に作業効率が上昇することは古くから知られています。そのため、夏はエアコンが効いていても腰から下にはブランケットをかけたり、冬であっても部屋全体を暖めるのではなく、足元にヒーターを置いたりしてのぼせるのを防ぎ、頭寒足熱の状態にして暗記しましょう。これは、暗記するときだけでなく勉強や仕事のときにも積極的に取り入れたいですね。

Surprised young girl

badge_columns_1001711復習のタイミング

一気にいろいろ覚えたい!と思ってしまいがちですが、人間の脳はそう簡単には記憶して、それを引き出すということをしてくれません。「エビングハウスの忘却曲線」をうまく利用しましょう。エビングハウスの忘却曲線は、あることを記憶して、時間経過によるその忘却率をグラフにしたものです。これによると、記憶してから1日の間に急激な忘却が起こり、1時間後にはもう56%も忘れてしまいます。
人間の記憶は、寝ている間の「レム睡眠」時に定着することも分かっています。レム睡眠とノンレム睡眠は1時間半の間に繰り返され、6時間睡眠なら4回、7時間半睡眠なら5回繰り返されます。「1時間後には半分以上忘れてしまった」知識をレム睡眠で定着させるためには、眠る前にもう一度復習をすると定着をはかれることが分かります。

以上をまとめると、「空腹時」「頭寒足熱」「寝る前に再度復習」の三点がポイントです。ぜひこの仕組みを取り入れて、効率的に記憶の勉強を進めてください。

参考

wikipedia 忘却曲線
大阪ガス 頭寒足熱で頭すっきり
池谷裕二『脳はなにかと言い訳する
空腹状態になると記憶力があがる仕組みを発見
睡眠と記憶について/基本的な睡眠とは


京都大学理学部所属。三重県立伊勢高等学校卒業。現在大学では、化学、地学など幅広い理系分野を学んでいる。小学生への学習指導も行っている。