脳に最適な旅行をプランしよう
みなさんは旅行は好きですか? 国内でも海外でも、旅行はわくわくして楽しいですよね。 春休みにどこかへ出かけようと、今から計画を立てている人も多いのではないでしょうか。 旅行は楽しいだけでなく、脳にとっても良いことがたくさんあります。 今回のコラムでは、脳にとって最適な旅行をプランするための方法を紹介します。
個人旅行 VS. 団体旅行
旅行、特に海外旅行に行く場合、個人旅行かパックの団体旅行かを決めなければなりません。 どちらを選べば脳に刺激的な旅行になるでしょうか。 実はどちらを選んでも、脳に刺激的な旅行にすることが可能です。 どちらにも脳科学的なメリットとデメリットがあるからです。 それをふまえた上で、自分に合ったプランを練っていきましょう。
個人旅行のメリットとデメリット
まずは個人旅行。 個人旅行のメリットは、自分で旅をアレンジすることができる点にあります。 自分で調べ、自分で考え、自分で決め、自分の力で行動していくため、脳をフル活用します。 全てを旅行会社がやってくれ、手荷物だけ持って出かければ良いパックの団体旅行に比べ、準備段階から脳を刺激させることができます。
一方、個人旅行は、自分の好みや価値観に従った行動になってしまうというデメリットもあります。 自分で自分の好きなようにアレンジしていくため、自分の目的から外れる場所には行かないでしょうし、自分から積極的に話しかけていかない限り、異なる価値観の人と長い時間一緒に行動することもないでしょう。
団体旅行のメリットとデメリット
パックの団体旅行のメリットは、行動を共にする人がいるという点にあります。 行動を共にしていると、他の人のクセや習慣、考え方が見えてきます。 お土産を買うときは、人によって目のつけどころが違うはずです。 また、同じ風景を見ても、人によって感じ方は異なるでしょう。 様々な価値観や美意識に出会うのは、脳にとって非常に刺激的な経験になります。
一方、団体旅行には、準備段階で脳を使う機会が少ないというデメリットがあります。 書類を書いてお金を振り込めば、あとは荷物を準備して出かけるだけ。 とてもラクで、忙しい人にとってはメリットでもありますが、脳への刺激は少なくなってしまいます。
自分に合う旅行はどっち?
以上、個人旅行と団体旅行の脳科学的なメリットとデメリットを説明しました。 これをふまえた上で、どちらを選べばより刺激的な旅になるかを考えましょう。 時間に余裕のある学生だったら、個人旅行で準備段階から脳をフル回転させ、現地でも様々な人に積極的に話しかけていくことで、刺激的な旅行を楽しむことができそうですね。 仕事があって時間の融通がきかない人は、自分の仕事のスケジュールに合わせて旅行の日程やコースを選び、荷物だけ準備すれば出かけられるパックの団体旅行が合っているのかもしれません。 団体旅行で、普段の生活では絶対に出会うことのない、様々な価値観の人と出会い、脳を刺激することができます。
デジカメは旅の必需品!
さて、個人旅行か団体旅行かを決め、出発日の前日になりました。 これから荷物の準備をします。 ここで忘れてはならないのが「デジカメ」です。 楽しい旅行の思い出を、心の中だけでなく、写真として見える形で残しておきたい―――このような目的でデジカメを持っていく人が多いかと思います。 でも、実はデジカメを持っていくと、脳にとっても良いことがあるのです。 理由は次の2点。
1:周囲に関心を持つようになる 面白い光景や珍しいものがあれば写真を撮ろうとするため、普段よりも身のまわりに注意を向けるようになります。 そうすることで脳に刺激が与えられ、脳機能が活性化します。
2:あとで写真を見て振り返ることができる あとで写真を見ると、写真にうつっていないものや、そのときの自分の気持ちや感覚まで思い出すことができます。 これは記憶力のトレーニングになります。
写真を撮ることによって生まれるこれらのメリット自体は、デジカメではなく、フィルムカメラでも同じです。 ただ、デジカメの方がより身近で使い勝手の良いツールとして活用することができるでしょう。
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いかがでしょうか。 ぜひ、自分に合ったプランを選び、デジカメを持って旅を楽しんでください!
【参考資料】 池谷裕二監修、夏谷隆治著、2013年『脳の力の伸ばし方がよくわかる 記憶力を磨く方法』大和書房 (団体旅行のメリット、デジカメが脳に良いこと、の参考にしました)

