みなさんは、自分の伝えたいことを十分に伝えることができますか?
たとえ一生懸命に話していたとしても、「もしかして伝わっていないのかな……」と自身でフラストレーションを抱えたり、「結局は何が言いたいの?」と相手に思われてしまったりするのは、とても悲しいことですよね。
しかし、これはただ上手な伝え方を知らなかったからだけなのかもしれません。そこで今回は、伝えたいことをきちんと伝えられるようになるためのテクニックをお伝えします。
どうして話がうまく伝わらないのか
「相手に話がうまく伝わらない」と感じることがあるのはなぜでしょうか? おそらく、次のような理由が考えられるでしょう。
1. そもそも相手に興味を持っていない アメリカのブロードキャスターであるラリー・キング氏は、会話において最も大切な基本は「相手に興味を持つこと」だと言います。これは聞き手に求められることだと思われがちですが、話し手の場合にも当てはまるのです。聞いている相手の反応も見ずにペラペラと話し続けているようでは、話が伝わっているかどうか分かりません。
2. すべてを伝えようとしている 要約して話すと言葉足らずになってしまうのではないかという心配から、話を正確に伝えようとして1から10まで全部話している方はいませんか? あまりに話が長くなると、聞き手は疲れてしまいます。自分が話し手である場合、聞き手の立場を忘れてしまっているのはよくあることです。
論理的な話し方や考え方をすることが大切
話を相手にうまく伝えるためには、整理された論理的な伝え方であることが重要です。では、論理的な伝え方とそうでない伝え方は、いったいどのように違うのでしょうか?
まずは、論理的でない伝え方から見ていきましょう。例えば、上司から出張報告を求められたとします。「天候に不安があったためA社との商談前日に新幹線で現地入りしました。それから……」と時系列順に話すのはあまりオススメできません。上司にとっては、必要でない情報が入り、知りたい情報はいつ提示されるのかが掴みにくいなどという問題があります。
しかし、「出張先でのA社訪問の件について報告をいたします。結論から言うと、A社との商談はまとまりました。A社の部長からは数日中に〇〇に関して書類を送ってほしいと依頼を受けています。それから……」というように、相手に必要な情報のみを先に伝えることで話が整理され、論理的な伝え方をすることができるでしょう。
話をうまく伝えるコツ
どうすれば自分の伝えたいことをうまく相手へ伝えることができるのでしょうか? 伝え方が論理的になる具体的な方法をご紹介します。
1. 「3」の法則 「話しベタでも100%伝わる『3』の法則」の著者であり、経営戦略コンサルタントの八幡紕芦史氏によれば、話をする時に「3」を意識するとうまく話せるようになるのだそう。
例えば、下記のように話したとしましょう。 「企画途中のイベントですが、スケジュールに空きのある方に連絡を取るべきです。というのも現在講演予定の〇〇さん、どうも急な予定が入ってしまったそうなんです。ですから、講演者候補の中から別の方に連絡を取るべきだと思います」
この中には、「結論=です」→「理由=というのは……」→「結論=ですから……」の「3」フレーズの流れが用いられています。きっと話を伝えるのに便利なはずです。
他にも、自社の商品について説明をする時、「この商品の優れている点は、『3』つです」と先に数を述べてしまいましょう。また、「第一に〇〇という点です。次に△△という点もあります。そして最後に××という点です」といったように詳細を伝えれば、相手は話全体を見通すことができるため余裕を持って聞くことが可能になります。
2. 1分プレゼン 「1分プレゼン」とは、「コクヨ式1分間で伝わる話し方」の著者である下地寛也氏が提唱している、分かりやすい伝え方についてのトレーニング方法。そのステップは以下の通りです。
(1)話の要点を付箋10枚に箇条書きします。 (2)話す順番や構成を考え、1分でまとまるように文章化します。 (3)1分を計りながら話す練習を繰り返します。
いかに余分なことを言わずに自分の伝えたいメッセージを伝えるかということが、論理的な説明をする、そして聞き手の負担を減らすための重要なポイントとなります。限られた短い時間となれば、「えっと……」といった口癖や「一応……」のような曖昧な表現を減らさざるを得ず、練習するにつれて簡潔な話し方を習得することができるでしょう。
*** 伝え方ひとつ意識するだけで、「あいつは仕事のできるビジネスパーソンだ」と周囲からの評価もきっと変わるはず。最初から完璧に話そうとしなくても構いません。毎日少しずつ、論理的な伝え方を心がけてみてください。
(参考) 東洋経済ONLINE|話し方でバレる「永遠に二流の人」の4大欠点 DIAMOND online|結論→ 理由→ 結論の3ステップを踏めば話が伝わる DIAMOND online|「話し方」で仕事が変わる!経営幹部を納得させるプロ話術 日経ウーマンオンライン|その順番では何が言いたいのか伝わらない! NIKKEI STYLE|「1分プレゼン」極めよう 伝わる話力の磨き方