直感を侮るな! 熟考よりたいせつな「自分の心に従う」ということ

「選択しなければいけない場面でなにかと迷ってしまう」「思い切った決断ができずにいつも無難な方向へ進んでしまう」などと悩んではいませんか?

人生は選択、決断の連続だと言われます。今日は何を食べようかといった小さなものから就職や転職など人生を左右する大きなものまで、毎日を生きていく上で選択や決断をすることは必須。そんな選択や決断の時に大きな効果を発揮するのが「直感」です。今回は直感の重要性と鍛え方についてご紹介します。

「直感」の大切さ

時には「直感」を信じることも大切だ、というのはよく言われることです。ただ、直感を使うことでどのくらいのメリットがあるのだろうか、と疑問に感じる人もいますよね。マイクロエコノミストである崔真淑氏は、直感を使うことの効果について、以下のように述べています。

コロンビア大学アイエンガ―博士等による2006年に発表された「Doing better but feeling worse: Looking for the ‘best’ job undermines satisfaction」という論文にヒントが隠されています。 新卒者を対象に、就職活動で客観的に正しいと思われる分析方法をとって就職した層と、そうではなく直感的に大雑把な方法で就職をした層とで、満足度の比較を比較しています。 さて、就職して6か月後の調査では、前者(客観的に正しいと思われる分析で就職した層)が、平均的に給料が高いという結果が出ていました。しかし、満足度は低かったのです(!)。

(引用元:WOMAN Online|直感で判断すると「○○しない」から物事がうまくいく

このように、様々な要素を分析して客観的に判断し決断をした場合と、直感によって決断をした場合とを比べると、直感で選んだ場合のほうが満足度が高いという結果が出ているのです。確かに、客観的に分析して決断した場合のほうが給料という客観的指標では上になるかもしれません。しかし自分の満足度が低いのなら、その選択は最適とは言えないでしょう。

また、Apple社創設者であるスティーブ・ジョブズ氏も名門スタンフォード大学の卒業式でのスピーチで直感の大切さを語っています。

あなた方の時間は限られています。だから、本意でない人生を生きて時間を無駄にしないでください。ドグマにとらわれてはいけない。それは他人の考えに従って生きることと同じです。他人の考えに溺れるあまり、あなた方の内なる声がかき消されないように。そして何より大事なのは、自分の心と直感に従う勇気を持つことです。あなた方の心や直感は、自分が本当は何をしたいのかもう知っているはず。ほかのことは二の次で構わないのです。

(引用元:日本経済新聞|「ハングリーであれ。愚か者であれ。」ジョブズ氏スピーチ全訳

他人の考えや一般的な価値観に従うよりも自分の直感を信じたほうが、自分が本当にやりたいことをできて、自分を満足させられるのです。

直感はどのように形成されるのか

何かの選択や決断をする時、理詰めで時間をかけて考えるよりも直感を信じたほうが満足度が高くなりやすい、ということが分かりました。しかし、そもそも直感とはどのようなもので、どのようにして形成されるのでしょうか。

「直感」と聞くと、自分の考え方や論理的思考とは関係なく天から降りてくるものであるかのような印象を受ける方は多いと思います。しかし実はそうではなく、直感が働く背後にもきちんとした理由があるのだそうです。

直観的な基礎による見解を持つ人間は、その見解に至った理由を即座に完全には説明できないかもしれない。しかしながら、人間は時間をかければ、その直観が有効である理由をより組織化して説明するべく論理の繋がりを構築することで、直観を合理的に説明できることもある。 付け加えるならば直観を前提として具体的な問題を正しく説明したり解決に導くためには多くの経験と知識、理解が必要でもある。

(引用元:wikipedia|直感

直感はそれまでに培われた経験、知識、物事に対する深い理解などの要素によって育まれるものであるということが分かりますね。経験や知識を積み重ねていくことによって、自分にとって最適な答えを導くための論理的思考にかかる時間がどんどん短くなっていきます。そしてほとんど時間をかけずに最適な答えに辿りつけるようになった段階が、私たちの言う「直感」なのです。

よって、直感は突然天から降ってくる自分とは関係のないものなどではなく、自分の経験、知識の積み重ねによって鍛えられるものだと言えます。

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直感力を鍛えるためには

上で述べたように、直感は経験や知識、物事への理解によって形成されるものです。つまり直感力を鍛えるには、それらを蓄積していくことが不可欠。そこで、経験や知識などを蓄積する方法を3つ紹介します。

1. 思考の流れをメモに残す 直感の精度を上げるためには、何かを選択、決断する時にどういう思考でそれを選択、決断したのか、そしてその結果どうなったのかをメモしておくことが有効です。一回一回メモすることで最適な選択を導くための自分の思考が体系化され、流れがスムーズになっていきます。思考にかかる時間が徐々に短くなっていくことで直感が形成され、経験を積むごとに精度を上げることができるのです。

2. 新しいことに挑戦する また、メモを残すことと並行してあえて新しいことに挑戦して引き出しを多くするよう心がけることが大切です。直感力は過去の経験から蓄積されるものなので、自分にとって新しいこと、やったことのないものを探し、積極的にチャレンジしていくことが糧になります。直感力を高めるためだと思えば、失敗を恐れず新しいことにチャレンジできるようになるのではないでしょうか。

3. 何も考えない時間を設ける 1日のうちにぼーっと何も情報を入れず、何も考えない時間を設けることも有効です。頭の中の情報が多すぎると、いざという時に膨大な量の情報の中から必要な情報をピックアップせねばならず、時間がかかってしまいます。これは直感力を発揮する上で妨げになってしまいます。そこで、何もせずただぼーっとする時間をつくることによって情報を整理し、大切な情報を引き出しやすることができるのです。

*** 直感を信じることは危うくリスクを伴うことのように思えるかもしれませんが、経験を蓄積し精度を上げていくことで絶大な力を発揮するようになります。ぜひ意識的に直感を鍛え、直感を信じるようにしてみてください。

(参考) Taking a STAND|直感を信じて行動するとうまくいく!直感の見分け方と磨き方 WOMAN Online|直感で判断すると「○○しない」から物事がうまくいく 日本経済新聞|「ハングリーであれ。愚か者であれ。」ジョブズ氏スピーチ全訳 wikipedia|直感

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