「自分なりに分かりやすく伝えているはずなのに、うまく相手に伝わらない……」という方はいませんか? 伝え方に一工夫加えるだけで、相手に言いたいことが驚くほど伝わるようになるかもしれません。

今回は、自分の言いたいことを相手に伝える技術を、「内容」「話し方」の2つの観点からご紹介します。

相手に伝わる話の「内容」とは

・相手が知らない内容を盛り込みすぎない

突然ですが、以下の4つのうち、あなたが聞きたい話はどれでしょうか。

a. 既に知っていて、興味がある話
b. まだ知らないが、興味がある話
c. 既に知っていて、興味がない話
d. まだ知らないし、興味もない話

おそらくほとんどの人が、b.の「まだ知らないが、興味がある話」を聞きたくなるはずです。つまり、あなたが誰かに何かを伝えたい時は、相手の興味がどこにあるのかということと、相手がその内容についてどの程度知っていそうかを見極めたうえで、話をすると良いのです。

しかしこれには注意が必要です。ベンチャー企業の支援・コンサルティングを手掛けるドリームインキュベータの取締役ファウンダー堀紘一氏は、「相手が知らない情報:相手が知っている情報 = 4:6」で話すことを推奨しています。私たちは、知らない情報を理解することには多大な集中力を必要とします。そのため、相手が知らない情報を多く盛り込みすぎると、結局相手の理解を十分に得られない恐れがあるのです。

何かを相手に伝える時は、その情報に関する相手の興味の程度と知識の有無を考え、本当に話すべき内容を取捨選択する必要があるでしょう。

・適切に数字を活用する

例えば、以下のようなデータがあったとします。

『ある商品の先週の売上個数は980個、 今週の売上個数は1,500個だった』

上司から「商品の今週の売上はどうだったのか」と聞かれた時、あなたならどう答えるでしょうか。

「先週よりかなり増えました」ではもちろん良くありません。「1,500個売れました」という回答でもやや不十分です。模範的な回答の例としては、「かなり好調で、今週の売上個数は先週と比べ約50%増の1,500個でした。情報発信をより盛んに行ったことが要因と考えられます」といったものなどが挙げられます。

BMコンサルティング代表取締役で、「ビジネス数学コンサルタント」の第一人者である深沢真太郎氏は、この模範解答例の構成のしかたを「情報で数値をサンドイッチする」と表現しています。今回の例では、質問を通じて相手が知りたい内容は、「今週の売上個数」「これまでとの比較」「その要因」などがあると考えられますね。それを踏まえながら、「売上が好調だという事実→実際の数値→その要因」という「情報→数値→情報」の流れで簡潔にまとめることで、より相手に分かりやすく伝えることができるというわけです。

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相手に伝わる「話し方」とは

・ゆっくりと、落ち着いて話す

高い声は明るさや若さ、エネルギーなどの印象を相手に与える一方で、低い声は「落ち着き、信頼、知的」などの印象を相手に与える効果があります。落ち着いた印象を与えられるよう、声の高さには気を配ったほうがよいでしょう。

また、話す速さに気をつけることも大切です。アナウンサーの話すスピードは1分間で約400文字とされています。これよりも速くなってしまうと、相手が聞きづらいと感じる速さになってしまうそうです。自分がどのくらいの速さで文章を読んでいるのか、一度録音して確かめてみてください。また、相手の知らない言葉を多く用いると、相手は話し手が実際よりも速く話しているかのように感じてしまうそうです。相手が知らないであろう情報は、少しスピードを落として話すといいですね。

・話す内容を先に示す

皆さんは誰かの話を聞くとき、結論の分からない話を聞き続けるよりも、話がどのような方向に進むかが分かっていた方が、安心して話を聞くことができるのではないでしょうか。このように相手に話の方向性を示すことは、相手に安心感を与えるのに効果的ですが、さらに相手の理解も促すことができるというメリットがあります

そのやり方としては、「結論から先に言う」「疑問形を挟む」といった方法があります。

結論から先に述べることを、ジャーナリストの池上彰氏は「話の地図を渡す」と表現しています。話のゴール地点をあらかじめ示すことで、聞き手は話の展開を理解しやすくなるのです。また、「疑問形を挟む」ことは、地図に例えるのなら「現在地点を示すこと」。「では、なぜ~~なのでしょうか」という問いかけを挟むと、今何に関する話が進んでいるのか相手は理解しやすくなるのです。

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どのような分野においても情報や自分の考えをわかりやすく相手に伝えるスキルは必須。今回紹介した方法をぜひ試してみて、分かりやすく伝えるテクニックを身につけましょう。

(参考)
東洋経済オンライン|また会いたくなる人は「4:6」で話している
東洋経済オンライン|入社1年目から差がつく「数字を使う伝え方」
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