「こんなバカでも東大に!」のようなサクセスストーリーは、をテーマにした本は数多くあります。

ですが、この本が他の多くのストーリーと違うのは、決して受験だけに限らない「壁に立ち向かっていく方法」「努力する人をサポートする方法」を非常に細かく、そして読みやすく紹介しているということ。

今回は、『偏差値35の「野球バカ」でも 東大なら受かる勉強法』をご紹介します。


『偏差値35の「野球バカ」でも東大なら受かる勉強法』

時田 啓光 著
ワニブックス 20015年

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著者が「底抜けに明るいバカ」と語る主人公の太陽くんは、著者である先生のサポートをうけて、ゆっくりと、しかし着実に成長していきます。

今日はそんな驚きのメソッドのうち、いくつかをご紹介しましょう。
誰かの上に立たなければいけないあなたに。きっと役に立つ方法があるはずです。

badge_columns_1001711あえて自由を与えて「やる気」を引き出す

著者は、やる気のない子どもにやる気を出させるために必要なのは、天井を外すことだと語ります。

いくら指導者や保護者が熱意を傾けても、最後の最後で頼りになるのは自分だけ。そのために必要なのが自律を引き出すことなんだとか。

周囲の大人が天井を課すと、甘えと反発心を生んでしまい、「もう少しやりたい」という欲求が勝ってしまいます。自由にさせておいて、本人が「勉強しなきゃ」と思ったときに、大人が全力でサポートすればいいのです。

人は「ヤバい!」と感じたときに集中力を発揮するそう。自ら危機的な状況を作り出させ、放り出すことで、自主的に努力する姿勢は生まれるんだとか。

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badge_columns_1001711分解し、想定して、説明する

地元の高校で底辺の成績を取っていた太陽くん。彼が東大合格を果たすまでには、先生の非常にユニークな指導がありました。

まずは「分解力」を鍛える指導。
先生は太陽くんをコンビニに連れていき、店内の商品の並べ方や、どうお客さんが動くのか、ということを一歩踏み込んで説明したのです。

興味をもったことをとことん調べる姿勢を身につけてほしかったんだとか。

普通の人は興味を持っても、ただ眺めるだけで終わります。そこを一歩踏み込むだけで次につながる感覚を知ってもらうことが私の真の狙いでした。

商品の配置に興味を持った太陽くんは、店長にガツガツ質問し、なんと店舗の裏側まで見せてもらったんだとか。

さらに「想定力」を鍛える指導。
ここでは、先生はYouTubeの動画で英語を勉強させていました。題材はなんと、スヌーピー。英文や単語にフォーカスするのではなく、物語全体の流れを想像し、捉えてもらおうとしたんだとか。

街中でいきなり外国の方に英語で道を聞かれて、たとえあなたが英語がまったくわからなかったとしても、なんとか意思を伝えることで、立派にコミュニケーションは成り立ちます。そこで必要なことは、「語学力」ではありません。相手が「なにを思っているのか?」という「想像力(=想定力)」です。

英語も日本語もコミュニケーションのツールであることには変わりない。そんなことを伝えようとしたんだとか。

badge_columns_1001711成功イメージを持たせる

太陽くんが東大受験を意識し始めたころから、先生は太陽くんを東大のキャンパスへ連れて行くようになったそうです。

特に、食堂につれて行っては周りの東大生を観察したとのこと。

「どうよ、太陽。東大生、何食べてる?」
「ラーメン食ってます」
「しかもすごい勢いだな」
「あ、あの人はスティックパンかじってる。お金ないのかな」
「ないんだろうね(笑)。以外とみんな普通でしょ」
「すげー普通です」

東大生の日常を観察させ、より具体的なイメージを抱かせようとしたんだとか。
さらに先生の知り合いの東大生にも何度か会わせ、モチベーションを刺激。
それだけでは終わりません。「一流の人に会わせる」という考えの下、六本木で行われていた映画の試写会へ赴き、ハリウッドのセレブを見に行ったこともあるんだそう。

自分が将来どんな人間になりたいのか。どんな生活を送りたいのか。具体的なイメージを持たせることは、受験だけに留まらず、様々な場面で有効になるでしょう。

***

著者である時田啓光氏は、本の冒頭で、目標とするゴールは「受験を通して社会で『正しく賢く生きる術』を学んでもらうこと」だと語ります。

目先の目標にとらわれず、長いスパンで考え、そして強制するのではなく自律させる。

誰かの上に立つ人に、ぜひ知ってほしい言葉ですね。


東京大学理科二類所属。県立浦和高等学校および駿台予備校出身。小さいころから自然や生き物に関心を持ち、高校時代に読んだ福岡伸一の「生物と無生物のあいだ」に刺激をうけ、分子生物学を志す。テニス歴6年。AKB48の大ファン。