2014年の元旦に読売新聞に、こんな広告が掲載された。
ルフィ、ナルト、両さん……。週刊少年ジャンプでおなじみのヒーロー、主人公たちが口々に自分の夢を叫ぶ漫画のコマがあしらわれ、その上に大きく「夢は、口に出すと強い」の文字が。
確かに、漫画の主人公たちは頻繁に自分の決意を声にする。叫ぶ。宿敵や仲間に誓う。
一方、私たちはどうだろう。 「夢はありますか?」そう聞かれて、目を輝かせ自分の目標を語り始める人は、そうはいないはず。現実の世界では、夢は何となく、クサくて恥ずかしいものとして捉えられがちなのかもしれない。
今回は「夢を言葉にする」ことにフォーカス。ちょっと無粋かもしれないが、様々な角度から検証してみたい。
自分の夢は自分でもぎ取る。「引き寄せの法則」とは。
「引き寄せの法則」をご存知だろうか。(参考:合格する人はやっている。潜在意識を刺激して合格を勝ち取る方法。)
海外の書籍から流行し、日本でも話題になった「引き寄せの法則」。これは、自分の目標を強く願うことによって潜在意識がそれを叶えてくれる、というものだ。
「思考は現実化する。」
アメリカの著名な自己啓発作家であるナポレオン・ヒル氏の有名な著作の題名だが、この言葉は「引き寄せの法則」の本質を端的に表しているといえるだろう。
夢を口に出す、ということは強く意識しているということ。ヴィジョンを持て、とよく聞くが、自分が今なりたいこと、したいことを強くイメージすることは、自己実現において非常に重要なのだ。
声に出すと、脳も筋もフル回転する
音読が学習に効果的である、と聞いたことがある人は多いだろう。これは、「声に出す」という行為が脳の広範囲に渡る部分を刺激するからだ。(参考:任天堂「脳を鍛える、とは?」)
言いたいことを考え、声に出す。それを自分の耳で聞く。脳の機能をフル活用する行為なのだ。
スポーツに目を向けてみよう。テニスのストロークショットの瞬間、卓球でポイントが決定した瞬間。ハンマー投げ選手が投擲した瞬間。みな、何かしら声を出している。これはスポーツオノマトペと呼ばれ、武庫川女子大の村川氏らの研究によれば、声を出した時には、出していない時に比べ最大で14.6%パフォーマンスが向上したとのこと。
「口に出す」パワー、恐るべし。
***
自分の可能性を信じ、夢を口に出す。 そう簡単にできることではないだろう。それでも、トライしてみよう。漫画の主人公のように、かっこよく、堂々とでなくてもいい。親友にだけこっそりと、ひとり風呂でぼそっと、でも構わない。
口に出すことで、きっと何かが変わるはずだ。
ジャンプの主人公たちは絶対に叶えたい目標を、堂々と口にし続けてきた。 それは、誓うことで、志をともにする仲間と一緒に困難を乗り越えられると、彼らが信じてきたから。 さぁ、一年のはじめに、夢を語ろう。 どんなに小さくたっていい。 ためらわずハッキリと口に出す。 きっとそれが、君の願いを前へ進める力になる。 (読売新聞より抜粋)
参考 村川増代, & 野老稔. (2008). 投擲時における発声の効果. 読売新聞2014年1月1日 任天堂「脳を鍛える、とは?」

