メールやLINEなどできちんと情報を伝えたはずなのに、相手には意図が全く伝わっていない。こんな経験ありませんか? 相手の顔が見えないうえ、すぐに反応が確認できない文章でのコミュニケーションにおいて、伝えたいことをすべてきちんと伝えるのは難しいですよね。

今回紹介させていただく本の著者である山口拓朗氏は、18年間で2,200件以上の取材・インタビューを行い、伝える力【話す・書く】研究所を主宰しています。

そんな文章のプロが、本書で紹介していることは大きく分けて2つ。文章を書くときの基本的なテクニックと、メールやSNSでの実用的な文章の書き方です。

それでは本書の簡単な紹介をしたいと思います。

yomiteni-tsutawaranai02『だから、読み手に伝わらない! (もう失敗しない文章コミュニケーションの技術)』
山口拓朗著
実務教育出版 2015年
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(以下引用は本書より)

大前提は「相手の立場に立つこと」

この本の中で一貫して述べられているのが、「相手の立場に立って書く」ということ。本書で紹介されているテクニックは、この前提の下で最大の効果を発揮すると山口氏はいいます。

文章コミュニケーションの本丸は、「読み手の立場に立って書く」ことです。本書でお伝えしてきた考え方やテクニックは、その大黒柱に支えられています。(中略)
相手の立場に立ったうえで、本書のテクニックを活用すれば、あなたの書く文章は間違いなく読み手に届くはずです。それも、あなたが最も望む形で。

この本には、伝わる文章の作り方として85の項目が設けられているのですが、その一つとして、「文章がきれいだから」や、「合理的だから」などという理由づけはされていません。すべてに貫かれているのが、「相手の立場に立って書く」という意識。その理由は、文章コミュニケーションでは相手が目の前にいないからなのです。

文章コミュニケーションで失敗が起きやすい最大の原因は、「相手の不在」です。(中略)
目の前に相手がいないため、つい自分にとって都合のいい伝え方をしたり、受け取り方をしたりしてしまうのです。勘違いやミスに気がつきにくく、また、その場で言い直すことも、言葉を撤回することもできません。

相手の顔が見えている会話や声が聞こえる電話でのコミュニケーションの場合、私たちは相手の感情や理解度を表情や声音からある程度推測することができます。そのため、相手が理解できていなさそうだったとき、もう一度説明をしなおすことができますよね。

しかしながら、メールなどの場合、無機質な文面とにらめっこしても、相手の状況をとらえることができません。だからこそ、相手の立場に立って、わかりやすい文章を心がけることが重要なのですね。

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NG文例とOK文例などの豊富な例

本書の特徴は、とにかく例が豊富に掲載されていることです。

ほとんど全ての項目に、ダメな文章の例とよい文章の例がかかれています。なぜダメなのか、なぜよいのかを丁寧に説明してくれるので、よく頭に入ってきますよ。ダメな文章の例と、自分がいつも書いている文章が似通っていると、「次からはよい例のような文章を書けばいいのだな」と、伝わる文章をその場で覚えることもできます。本書に紹介されているNG文例とOK文例をすべて読んでみるだけでも、伝わる文章が書ける人に近づくかもしれませんね。

また、メール文章の項目では、様々なケースごとによいメールの例が書かれていますし、メールで使われるフレーズの正しい使い方や、正しい言い回しもまとめられています。メールを書く際に、該当のページを開いて参考にするという使い方もできます。平易な文章で書かれているので、「メールを書く前にちょっと確認」というときでも気軽に読めると思います。

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本書には、本当に様々なちょっとしたテクニックが載っています。筆者にとって特に有益だったのは、読点を打つべきところがまとめられていたこと。読点を打つべきところはよく迷っていたので非常に参考になりました。文章をわかりやすくするコツがたくさん載っているので、「文章を書くのが苦手だな」という人はぜひ参考にしてみてくださいね。