皆さん、雑談は好きですか? 仕事のスピードや正確さはもちろん大切ですが、人とのコミュニケーションはもっと大切かもしれません。そんなコミュニケーションの中核を担うのが雑談です。
株式会社Gunosyが20歳から49歳のビジネスパーソンに「自分に雑談力はあるか」と尋ねたところ、58.6%もの人が「ないと思う」と回答しました。また、株式会社日立ソリューションズが行ったアンケートでも20代のビジネスパーソンのうち、69.5%もの人が雑談に自信がないということが分かりました。社会人でも特に新入社員などの若い層は雑談に自信を持っていないということです。
今回は、そんな雑談が飛躍的にうまくなる方法をご紹介します。
雑談の始め方
雑談をするときに大切なのが、始め方です。人の第一印象というものは出会って1分くらいで決まってしまうからです。雑談のつかみで心がけたいことを4つほどご紹介します。
1. きちんと挨拶をする 当たり前のようですが一番大切なことです。開口一番に「よろしくお願いします!」などとさわやかに挨拶ができると、相手との間に良い空気を作ってくれます。プライベートな場面でも「こんにちは!」「よろしく!」と気持ちの良い挨拶をしましょう。
2. 高めの声で話す 高い声には、話す人のキャラクターを社交的に感じさせる効果があります。具体的には、ドレミファソラシドのファかソあたりの高さが目安です。地声が低めの人は、テンポよく話すことを意識すれば少し高めに話せるでしょう。
3. 自己開示をする 人と話す際に自分の話ばかりするのもダメですが、自分のことをまったく話さないのもよくありません。相手の信頼を得るためには、自己開示をして相手との距離を縮めるのがよいでしょう。このとき、「自慢話はしない」というのが基本ルールです。
4. 会話のゴールを意識する たとえば、「相手のプライベートを知りたい」「相手の仕事について聞きたい」などといった目的を持つと、話がスムーズに流れます。意図をもって質問をするように意識しましょう。もし相手のことが事前に分かっているならば、下調べをしておくと聞きたいことがたくさん見つかりますよ。
聴き上手になろう
傾聴力という言葉が話題にもなったように、「人の話をきちんと聞くこと」はとても大切です。雑談にもそれは当てはまり、相手が聴き上手であると、話す方は気持ちよく話をすることができるのです。ここでは良い聴き手になるために気をつけたいことを紹介します。
1. あいづちの「さしすせそ」 これは「さすがですね・知らなかったです・素敵ですね・センスが良いですね・それはすごいですね」をまとめたものです。大切なのは「あなたの話には価値があります」というリアクションを取ること。もちろん「聞いているふり」はNGです。しっかりと相手の話に耳を傾けましょう。相手の顔を見ながら聞くことも忘れずに。
2. 相手の「こだわり」を聞く また、相手の話を引き出したいときには「何か特別なことをされているんですか?」というフレーズが使えます。ほとんどの人にはこだわりや気づいてほしいことがあります。それを引き出すことができれば、一流の雑談と言えるでしょう。もし相手の言うことが分からない場合は、素直に質問をすることです。「勉強不足で恐縮ですが、今おっしゃった○○はどういうものでしょうか。××のようなものなのでしょうか」などと返すと話を聞こうとしている能動的な姿勢が伝わります。
今日から始めてみよう 雑談トレーニング
雑談において大切なことはなんとなく分かったけど、実践の場を探すことができないという方のために、日常生活の中で雑談を取り入れるトレーニング法をご紹介します。
まずは、エレベーターで「何階ですか?」と聞くことから始めてみましょう。ドアの入り口に立って、何階ですかと尋ねる。これなら明日からでもできそうですよね。注意点として、緊張すると声が低くなりがちなので、「声は高く、テンポ良く」を意識するようにしましょう。
次は、お会計の時に店員さんと一言話してみましょう。「ありがとうございます」や「ごちそうさまでした」よりももう少し踏み込んでみて下さい。「接客が気持ちよくて、ファンになってしまいました」「毎日でも食べに来たいくらいです」などと言ってみるとちょっとした雑談が生まれると思います。
自信がついてきた人は、知り合いの少ない飲み会やパーティーに参加してみましょう。雑談は、様々なタイプの人と様々な場で会い、経験値を積むことで進化していきます。異業種交流会などに参加することで雑談力がアップするかもしれませんよ。
(参考) 安田正(2015),『超一流の雑談力』,文響社. NIKKEI STYLE|口べたでもOK 「雑談力」高める3つのステップ HITACHI|人間関係を円滑に 雑談力をつける 日経ウーマンオンライン|「雑談力に自信が無い」、新入社員の7割