ものすごく忙しい成功者の意外な習慣。彼らが長時間ひとりきりの “あれ” を欠かさない理由

夕日を背景にひとり読書をする女性

世界の名だたる実業家たちは、分刻みのスケジュールに追われる毎日を過ごしています。それでも「いつもの仕事から離れ、ひとりで過ごす十分な時間」は必ず確保するのだとか。そこには、成功に近づくヒントが隠されているかもしれません。さっそく探ってみましょう。

イーロン・マスク氏が欠かさないこと

Business Insiderシニア記者のオンヤ・ケイン氏によると、週に85~100時間は働くという、テスラやSpaceXの創業者イーロン・マスク氏は、目覚めたときから5分刻みの超多忙なスケジュールをこなしているそうです。

しかし、どんなに忙しくても「シャワーを長時間かけて浴びること」は決して欠かさないのだそう。マスク氏はこの習慣を最も大切にしているそうです。

シャワーヘッドの画像

ビル・ゲイツ氏が欠かさないこと

また、イギリスのテレビプロデューサーであるレミー・ブルーメンフェルド氏によれば、マイクロソフトの共同創業者であるビル・ゲイツ氏には、キャビンで最長1カ月、たったひとりで過ごす習慣があるそうです。

じつはこれ、ゲイツ氏の “Think Week” と呼ばれる有名な習慣で、外の世界をほぼ遮断した状態をつくり、本を読んだり、従業員の書いた論文を読んだり、考えたいことを自由に考えたりするのだとか。

CNBCのシニアライター、キャサリン・クリフォード氏によれば、この “Think Week” は Internet Explorer の誕生にもつながったそうです。

日没時に風光明媚な湖を見下ろすキャビンの画像

非・集中が創造性を高める

前出のブルーメンフェルド氏は、何かに集中していないときこそ新たなアイデアが現れると言います。

同氏が、心理学者のロージー・ウォルフォード氏が始めた「The Big Stretch」という研修会に参加したところ、朝の時点では大半の参加者がいいアイデアを出せなかったにもかかわらず、のんびりと自然のなかで過ごしたあとは、豊かで深いアイデアを思いつくことができたそうです。

つまり、何かを意識的に考えなければいけない状況から、自分を解放することは、創造性においてとても重要なのです。

脳の情報処理ネットワークの働き

そもそも何かに注意を向け続けるには多大なエネルギーが必要です。だから脳はエネルギーを節約するため、無意識下でも私たちを動かしてくれる仕組みをつくりました。

神経科学者で DAncing Einstein 代表の青砥瑞人氏によると、人間の脳には以下3つの情報処理ネットワークがあるそうです。

  • セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク何かに意識を向けると活発に働く。これにより記憶や経験が蓄積されるが、大きな負荷がかかるので持続性は低い。
  • デフォルトモード・ネットワーク:上記でつくられた記憶や経験に準じ、ほぼ無意識下で情報処理や意思決定を行う。
  • サリエンス・ネットワーク:上記ふたつのネットワークの切り替え役を担う

たとえば初めての道を安全に歩いていけるのは、セントラル・エグゼクティブ・ネットワークが働くから。いつもの慣れた道でぼんやりしていても目的地にたどり着けるのは、デフォルトモード・ネットワークが働くからです。

そして慣れた道でも、注意が必要な工事現場横を通るときなどにはサリエンス・ネットワークが働いて、無意識から意識した状態に切り替わります。

青砥氏によれば「疲れていて注意力が散漫になっても、記憶ドリブンが私たちを自動的に動かしてくれる」のだとか。記憶ドリブンとは、何かに意識を向けて集中・行動してできた経験や記憶が蓄積したものです。

この記憶ドリブンを優れたものにしていくことがデフォルトモード・ネットワークに好影響を与え、脳のパフォーマンスを高めていくのだそうです。

脳の情報処理のネットワークを表したイラスト

孤独とデフォルトモード・ネットワークの関係

また、2020年12月15日にジャーナル「Nature Communications」で公開された、マギル大学などの研究では、デフォルトモード・ネットワークが孤独と関連していることがわかったそうです。孤独な人のほうが、いくつかのデフォルトモード・ネットワーク領域の皮質体積が大きく、接続性も増加していたとのこと。

この研究対象は年齢を重ねた人々であり、別の若者を対象とした研究では違う結果が出ていることから、研究者らは孤独な経験が増えるほどデフォルトモード・ネットワークが活発になると仮定しています。

もちろん孤独は度がすぎると悪影響を及ぼしますが、ほどよい孤独の刺激ならば、無意識下の情報処理ネットワーク活動を高める可能性があるわけです。

キャビンでひとり本を読みふけるビジネスパーソン

成功者の習慣がもたらすもの

これまでの内容をまとめると、マスク氏やゲイツ氏の行動は以下のようにとらえることができます。

マスク氏の5分刻みのスケジュールは、セントラル・エグゼクティブ・ネットワークを細かく分散させて、集中力を維持している。長いシャワータイムはデフォルトモード・ネットワークを活性化し、5分刻みのスケジュールで構築された記憶ドリブンを武器に創造性を高めている。
ゲイツ氏の長期キャビン引きこもりは、仕事からの解放で創造性を高めている。また、本や論文や自由な思考で記憶ドリブンを非常に優れたものにして脳パフォーマンスを高め、ひとりの孤独な時間でデフォルトモード・ネットワークを活性化し、構築された記憶ドリブンを武器にまた創造性を高めている。

つまり成功者は「脳の情報処理ネットワーク」のバランスをうまくとり、それらがしっかりと働く環境を整えているわけです。メリハリのあるスケジュールも、長いひとり時間も、豊かな創造性には不可欠なのですね。

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マスク氏やゲイツ氏にならい、自分にとっての充実したひとり時間を模索してはいかが?

(参考)
Nature Communications|The default network of the human brain is associated with perceived social isolation
Forbes JAPAN|イーロン・マスクらが実践 「何もしないこと」で生まれる独創力
New Atlas|"Lonely brain" imaging study reveals unexpected neural patterns
日経クロステック(xTECH)|JINSが仕掛ける「集中できる空間」を見てきた
Make It(CNBC)|Bill Gates took solo 'think weeks' in a cabin in the woods
Business Insider Japan|週100時間働くイーロン・マスクの超人的な1日
東洋経済オンライン|脳の仕組みを知れば一変!集中力を鍛えるコツ

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