独学を始めても、結果的に挫折してしまう……独学に挑戦したいけれど、なかなか時間が取れない……。
資格取得などのために独学を始めようとしたものの、仕事が忙しかったり、誘惑に負けてしまったりと、気がついたら挫折してしまう方はいませんか?
そのような方は、独学をするうえで大切なポイントを誤解してしまっているのかもしれません。今回は、よくある間違いや誤解を明らかにし、効果的な独学方法をご紹介します。
【ライタープロフィール】
藤原瑶
大学では経営学を専攻。思考法に興味があり、ロジカルシンキング・クリティカルシンキングを勉強中。仕事力向上のためビジネス書を読む習慣をもち、書籍で学んだことをタスク・スケジュール管理などに活かしている。
独学が続かない人の間違い1:たくさん本を買う
独学を始める際、多くの人が最初に本を購入することから始めるのではないでしょうか。「よし、独学するぞ!」と意気込んで大量の本を買ったものの、結局読み切れずに本棚に積み上げてしまう——これは筆者自身も経験したことがあります。
しかし、この行動では本来の目的である知識の習得には至らず、購入した本も無駄になってしまいます。効果的な独学のためには、自分のレベルと学習ペースに合わせた、真に必要な本を厳選することが重要です。
では、本はどのように厳選すればよいのでしょうか。大原学園元講師の石川和男氏によると、「立ち読みに時間をかけ、一番自分に合う参考書を買うのがベスト」とのこと。(カギカッコ内引用元:リクナビNEXTジャーナル|資格を取るための「参考書・問題集」の選び方・使い方とは?――「資格の大原」元講師が教える“合格勉強法”※太字は編集部が施した)
オンラインストアのクチコミなどを参考にして本を購入する方もいると思いますが、実際に書店へ行き、内容を見てみることが重要なのですね。勉強前であることを逆手にとり、知識のない頭にでもすんなり入ってくる本だと、勉強が進みやすいでしょう。
独学が続かない人の間違い2:インプット中心になっている
購入した本を読み通せたとしても、それだけで学習が完了したと思い込むのは大きな落とし穴。本を読んで内容を理解したつもりでも、実際に問題に取り組んでみると、思いのほか知識が定着していないことに気づくことがよくあります。
東京大学教授の池谷裕二氏は「記憶力は出力しないと鍛えられない」と言います。(カギカッコ内引用元:Wedge ONLINE|記憶力を鍛えるのは入力じゃなくて出力です)
つまり、本を読んでインプットするだけでは、知識は鍛えられないのです。しっかりと記憶させるためにはアウトプットも大切にしましょう。
それでは、どれくらいインプット/アウトプットをするのが適切なのでしょうか。脳科学にも詳しい精神科医の樺沢紫苑氏は、「『インプットが3に対してアウトプットが7』。これが記憶をもっとも効率化する比率」だと述べています。(カギカッコ内引用元:STUDY HACKER|記憶効率を上げる黄金比は「3:7」だ。勉強に脳科学を取り入れるべし。※太字は編集部が施した)
本を読むなどのインプットより、書く・問題を解く・人に説明するなどのアウトプットを多く行なったほうが知識として定着するのは意外だったかもしれませんね。実際に自分の言葉で書き出したり、人に説明したりすると、案外覚えられていない、理解できていないという気づきがあることがわかりますよ。
学生時代の勉強においても、教科書や参考書でインプットした後は必ず問題集でのアウトプットがありましたよね。インプット3割:アウトプット7割と、多めにアウトプットすることを意識すると効率的に勉強が進みます。
とはいえ、日々忙しく過ごしている方は、3割のインプットに対して7割のアウトプットの時間を追加で確保することが難しいと思うかもしれません。アウトプットの量を増やすことのハードルが高いと感じる方は、「勉強時間の使い方、その内訳を変えてみましょう」(カギカッコ内引用元:同上)。
つまり、インプットとして読む本やテキストの量を減らすことで、トータルの勉強時間を変えずに余った時間をアウトプットに回すことができるということですね。いままで1時間インプットに使っていたのなら、20分ほどインプットをし、残りはアウトプットをする、というふうに変えるのです。
この方法であれば忙しい方でも実践できるのではないでしょうか。ぜひお試しください。
独学が続かない人の間違い3:長時間一気に勉強する
仕事がある日はどうしても勉強に時間が割けず、そのぶん休日にまとめて勉強するという方は多いかもしれません。しかし、時間の使い方を工夫すれば、平日でも効率的に勉強できるのです。
みなさんは、「ポモドーロ・テクニック」をご存じでしょうか。イタリア人の起業家・作家のフランチェスコ・シリロにより考案された時間管理術で、「『25分間作業、のち5分間休憩』のルーティンが最も生産性を上げる」というものです。(カギカッコ内引用元:東洋経済オンライン|勉強がデキる人は知っている「25分の法則」)
勉強の内容を細分化し、25分ごとに内容を変えることでメリハリがつきます。やみくもに勉強するよりも、無理なく長時間仕事や勉強に集中できるリズムをつくることができるのです。
筆者も、仕事や勉強に集中できないときはタスクや勉強内容を細分化し、ポモドーロ・テクニックを使っています。「ひとまず25分だけやればいい」と思えるので、ほかのタスクへの意識が消えて自然と集中できますよ。
25分間があっという間に感じることに加え、一定時間集中できたという達成感も得られます。そのあとも25分間の集中を続けられるという効果を感じています。
***
今回は、独学を挫折してしまう人が陥りがちな間違いと、効果的な勉強法を3点ご紹介しました。ひとりでの勉強は、ともすれば偏った思考に陥りがちなもの。
行き詰まったときには自分のなかの当たり前を見直して、時には思い切って勉強法を変えてみることが効果的かもしれません。
リクナビNEXTジャーナル|資格を取るための「参考書・問題集」の選び方・使い方とは?――「資格の大原」元講師が教える“合格勉強法”
Wedge ONLINE|記憶力を鍛えるのは入力じゃなくて出力です
STUDY HACKER|記憶効率を上げる黄金比は「3:7」だ。勉強に脳科学を取り入れるべし。
東洋経済オンライン|勉強がデキる人は知っている「25分の法則」