あなたはどうして外国語を勉強しているのでしょうか? 学校で半ば義務的に?仕事で必要だから?それとも趣味で?
様々な理由があるとは思いますが、日本語から飛び出して、外国の人が話す言葉に触れているのはみな同じ。
単位のためでも、昇進のためでも、暇つぶしのためでも。もし外国語を勉強しているのなら、ぜひ読んでみてください。
外国語=文化である
アメリカ人のTim Donner氏は、わずか17歳という若さで20もの外国語を操ることで一躍有名になりました。彼は小さい頃、人のなまりやアクセントをモノマネするのが得意だったと言います。それがきっかけとなり、いろいろな国の言葉を勉強し始めたんだとか。
彼はTEDxTeenで披露したスピーチの中で、ネルソン・マンデラの言葉を引用しました。
「相手の理解できる言葉で話せば相手は頭で言葉をわかってくれるだろうが、相手自身の言葉をもって話せば、相手は心で言葉を理解することができるだろう」
(logmi「17歳で20カ国語を操る天才少年が語った、“コトバの本質”が奥深い」 )
相手の使う外国語を理解し話せたとしても、相手の心に届くとは限らない。相手の国の文化ではどんな時にその言葉を使うのか、どんな含みがあるのか、そこまで理解しなければ意味がない。そうマンデラは語っています。
Timはこのマンデラの言葉を説明するのに、英語を例にあげています。英語では、誰かがくしゃみをした時に、”Bless You.”と声をかけます。日本語にしてみれば「神のご加護を。」という意味ですが、アメリカの人は特に宗教的な意味を感じていないんだとか。
文化が違えば意味も違う。そのわかりやすい例ですね。
現在世界で紛争に巻き込まれている地域は40を超えると言われています。その原因は複雑ですが、その多くが民族・文化間の摩擦によるものなんだとか。
外国語を学ぶ我々は、そんな世界の現状にも目を向けなければいけないのかも。単なる言葉としてだけでなく、その国の文化や考え方、宗教感を一緒に学ぶことも重要でしょう。
外国語とは自分を写す鏡である
外国語は自分を写す鏡である……。 フェリス女学院文学部教授の大畑教授は、外国語についてこう語っています。外国語を学び、様々な文化の背景を見ていくことで、自分が暮らす国・文化をより深く理解することができるというのです。
先ほどのくしゃみの例をとってみても、じゃあ日本ではくしゃみにどんな対応をするのだろう、昔はどうだったのだろう…といろいろな想像が膨らみます。外国語学習が日本について考える機会になるなんて、驚きですね。
また語学学習をサポートするアルクのサイトでも、
英語を初めとする外国語の学習は、自国語の学習効果を高めるために使えるということです。(中略)外国語を習得しようとする過程のどこかで、言葉を(中略)客観的に捉えるようになるものですから、(中略)その経験を母国語の学習に反映させられるはずです。
(アルク:早期外国語学習のメリットは何か より引用)
と、外国語学習のもつ効果について紹介しています。「故きを温ねて新しきを知る」ではありませんが、語学という大きなひとつのくくりで見れば、日本語も外国語も同じ。外国語をマスターできれば、自分の日本語力も鍛えられるはずです。
参考 logmi「17歳で20カ国語を操る天才少年が語った、“コトバの本質”が奥深い」 BEAGLE the movie【世界】2013年の世界の紛争をまとめてみる。【平和祈願】 フェリス女学院文学部教授 大畑甲太 アルク「早期外国語学習のメリットは何か」

