「教科書の例文は不自然だ」とか「ネイティブはそんな言い方はしない」みたいなことを耳にしたことがありませんか?確かにそういう例文も見受けられるものです。でもこれには実はとてもシンプルな理由があるのです。

その理由とは、教科書の例文には「その章までに出てきていない文法事項を使用しない」という縛りがあるということ。そのため、英文としてはやや無理をしたものになってしまう傾向があるのです。

教科書を一通り学び、すべての文法事項を使えるようになったのなら、ちょっとこなれた文を作ることを意識してみませんか?

今回は、「教科書で英文法も一通りやったし、ある程度の模試もこなしてきた。英作文はもうだいたいできるはず。」という時期に私が陥りがちだったパターンをその対策とともにまとめてみました。

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badge_columns_1001711受動態

問題点1「主語が長くなりすぎて冗長である」
原因「受動態が好きすぎる」
改善案「能動態で書く」

英語の勉強をしていると、「次の文を受動態にしなさい」という問題をよく見ます。そのせいか、いい意味でも悪い意味でも皆さんは受動態で文を書くことに慣れているはずです。ですが、受動態は主語が冗長になりやすいのです。以下に例文を挙げます。

・主語が冗長な例
The following results of this experiment were obtained.
(この実験で以下のような結果が得られた。)

・改善例
We obtained the following results in this experiment.
This experiment yielded the followomg results.

逐語訳なら受動態という構造を崩さないのも技のうちですが、「あなたの考えを述べよ」などの自由英作文では能動態の方が読み手にとってわかりやすいです。主語が長い文よりも目的語や動詞で情報量を調節できる能動態がおすすめです。

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badge_columns_1001711語彙

問題点2「同じ単語を使いまわしすぎて語彙力アピールに乏しい」
主な原因「言い換え先を知らない/慣れてない」
改善案「類語辞典と仲良くする」

「言った」とあれば”say”、「考えた」とあれば”think”一辺倒だと、60語以上の比較的長めの自由英作文ではネタ切れを起こしてしまいます。例えば自分の意見を表明するときに、全部の段落の頭が “I think that…” で始まったりしていませんか?間違った単語を使って減点されるくらいなら同じ単語繰り返しもやむなしですが、think / suppose / imagin / guess / state や、mean / imply / indicate / show 程度の言い換えなら類語辞典をつかえば簡単です。それぞれ微妙にニュアンスの違う類語を使い分ければ読みやすさアップです。

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badge_columns_1001711冠詞

問題点3「”a, the”といった冠詞が不思議なことになっている」
主な原因「とにかく難しすぎる」
改善案「冠詞の役割を理解する/所有格でごまかす」

英語教育の世界では、「冠詞」は日本語を母語とする英語学習者が最後まで苦手とする事項だと言われています。そもそも日本語にはまったく存在しない概念ですから、無理もないのかもしれません。

私は英作文でこういった迷いが生じたときには”a, the”ではなく所有格を使います。文意がはっきりするし、誤用する心配はなくなるからです。ややずるいですが。

***

以上、英作文に慣れてきた人が陥りがちなパターンと改善案でした。昔 英語を教えてくれた先生曰く、大事なのは採点する人の気持ちを考えて読みやすく書くことだそうです。採点者でもあった先生は、よく「人間が採点していることを忘れるな」ともおっしゃっていました。おそらく、読みにくくよくわからない英文が少なくないのでしょう。
こなれた英文がさらっと書けると、ちょっとかっこいいですよね。

参考
マーク・ピーターセン『日本人の英語』1988


東京大学文科三類から地域文化研究学科アジア科へ進学。マレーシア農村研究で卒論を書いている。