【法人さまご導入例】英語の効率的な学び方と続け方をマスターして英語力アップ! TOEIC®800点の壁も超えた。
2015年のオープン以来、さまざまなビジネスパーソンの英語力をアップさせてきた『StudyHacker ENGLISH COMPANY』。英語教授法や言語学を専門的に学んできた英語のパーソナルトレーナーが、言語習得の科学「第二言語習得研究」の知見に基づく科学的トレーニングを提供しています。
今回は、ENGLISH COMPANYの法人向け英語研修を導入された日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社さま(以下、日本TCS)より、TCS Japan Academy学長を務める橋本直武さん、同じくTCS Japan Academyの大渕みほ子さん、トレーニングを受講したK.Hさんと担当の清水トレーナーにお話を伺いました。
高い水準の英語力やテクノロジーの知見を持つ人材を最短で育てたい
——それでは、まず橋本学長にお話を伺います。御社について、そして御社の取り組みである「TCS Japan Academy」について教えてください。
橋本学長:弊社はITとデジタル技術を活用し、ビジネス、テクノロジー、およびエンジニアリング分野のサービスとソリューションで、お客さまのビジネス変革を支援しています。インドを代表する複合企業体ののタタ・グループの一員であるタタコンサルタンシーサービシズ(TCS)と三菱商事の合弁会社です。日本ではまだまだ知名度は低いものの、世界的にはトップクラスの会社で、世界では約51万人の社員がいます。日本企業に対し、長年にわたり蓄積してきた、TCSのグローバルにおけるさまざまな業界の知見やベストプラクティスと日本企業の商慣習や強みへの理解を、ハイブリッドに提供しています。
そして「TCS Japan Academy」は、社員の強い学習意欲に応えられる密度の濃い教育を提供していく目的で2020年6月に設立しました。英語力やテクノロジーに関する知見を最短で高い水準に到達させるための支援を行なうことが趣旨です。
——英語研修を導入しようと思われたのはなぜでしょうか?
橋本学長:英語力がうまく伸びていかないところをなんとかしようという思いがあったからです。インドのTCSと三菱商事の合弁会社になったのが2014年ですが、漠然と「英語が必要だから頑張って英語力を伸ばそう」と考えていただけだったこともあり、社員の英語力を高めるのにかなり苦労していたんですね。
そこで最初に行なったのは、日本TCSにとって「英語ができる人」とはそもそもどんな人なのかという定義づけです。世界に51万人いるIT人材がもつ最先端の知見を日本企業にどれだけ活用いただけるかというのが、われわれのビジネスモデル。その際に、英語力は絶対に必要です。
われわれが至った結論は、「英語を使って、ITの最先端の知見をもつ世界の人員51万人とコラボレーションして日本のお客様に提供できる人」こそが「英語ができる人」である、というものでした。
具体的には、「英語でひとりで会議をリードできる」と定義しました。TOEICで言うと900点以上の基礎力を持ち、かつ会議をリードできる程度の実戦経験があること。この定義をクリアする人材育成のため、「英語の会議になんとか参加だけできる」レベルの人員を「英語でひとりで会議をリードできる」人員に引き上げるための研修を実施することにしました。
——英語研修を導入するにあたって、社内で選考も行なったそうですね。
橋本学長:はい。「英語の会議になんとか参加だけできる」レベルの人員を「英語でひとりで会議をリードできる」人員に引き上げるためには、ざっくり1,000時間の学習時間が必要だと私たちは見立てました。毎日3時間学習して、丸一年かかる計算です。これはなかなかの労力なので、強い意欲がある方でないと完走できません。そこで、3か月の学習期間とその後の自習期間のあいだ、できれば毎日3時間学習する意欲があることを選考基準としました。また、「英語の会議になんとか参加だけできる」レベルとして、TOEIC600~800点を自力で達成していることも足切り基準として設定しました。人選を絞るのに10日間の事前学習期間を設けて、毎日本当に3時間自習できるかどうかを判断して、努力しているとみなされた社員を選出しています。
——非常に高い基準ですね。数あるスクールのなかでENGLISH COMPANYを選ばれたのはなぜですか?
橋本学長:講師のバックグラウンドを見て、相当レベルが高いと感じたからです。専門性が高く、コーチングやトレーニングの質も高そうという印象でした。われわれが目指す英語力をもつ人材に最短で育成できると感じ、お願いすることにしました。
仕事での挫折経験を通じて英語力の向上が必須だと感じた
——ここからは、研修生として選ばれたK.Hさんと担当の清水トレーナーにお話を伺います。まず、K.Hさんはどのようなお仕事をなさっていますか?
K.Hさん:システム開発のプロジェクトマネージャーとして勤務しています。TCSの本社がインドにあるため、案件を進めるにあたって、グローバル側がもっているナレッジを使って案件を進めるのが主な業務です。
最近よくあるのが、要件収集の場面ですね。打ち合わせのベースになるのは日本語なのですが、お客様との打ち合わせの内容をメンバーに伝えるときに、主に英語を使っています。
——英語に関して何か困ったことはありましたか?
K.Hさん:インド側のメンバーを中心に開発が進められていた案件で、サブシステムのSME(内容領域専門家)として、3か月間インドに滞在していました。当時、私は全然英語が話せず、現地にいる通訳と同行することが多かったのですが、常に同伴しているわけではなく、オフィス内での日常会話や質問対応で、自分で英語を使わなければならない場面がありました。
苦労したのは、白熱している議論のなかで、圧倒的な言語力の差で伝えたいことが伝えられなかったことですね。自分のつたない英語で頑張って伝えようとしても、「あなたの英語ではわからない」と明確に言われて、悔しい思いもしました。
相手を説得するスキルが求められるこの環境でやっていくには、英語力の向上は避けて通れないと強く思いましたね。
——それからENGLISH COMPANYの90日間のトレーニングを経て、TOEIC®模試のスコアを640点から790点へスコアアップ達成。卒業後もトレーニングで培ったメソッドをもとに英語学習を継続し、TOEIC®公式テストで810点を取得されましたね。
K.Hさん:嬉しかったですね。3か月トレーニングしてきて、最後のTOEIC模試で700点を超えたときは、清水さんと一緒に喜びを分かち合いました。そのあと清水さんのメソッドをもとに学習を継続して、先日受けた公式テストで800点も超えました! 教えていただいたやり方で継続して本当によかったと思います。
的確に課題を発見し「正しい学習方法」を習慣化
——清水トレーナーにお話を伺います。K.Hさんは、受講当初どのような課題を抱えていらっしゃいましたか?
清水トレーナー:1点目は、音そのものの聞き取りの能力である「音声知覚」です。細かい音の聞き取りに苦労されていたようで、聞き取れたいくつかの単語から内容を推測されている状態でした。もともとTOEIC公式問題集では100点中77点を取られていたので、細かい音までしっかり聞き分けられるようになれば、推測に頼らない正確な理解が可能になると感じました。
2点目は語彙文法とリーディングスピードです。TOEIC公式問題集のリーディングセクションが時間内で100点中37点、特にPart5の文法問題が30点中15点でした。基本的な語彙文法を習得しつつ、リーディングを遅くしている原因を取り除いていけば、こちらも大きな伸びしろが期待できそうでした。
——それぞれの課題について、どのようにアプローチしましたか?
清水トレーナー:最初の1か月で、ディクテーションとオーバーラッピングを集中的に行ない、細かい音の知覚力を鍛えました。ディクテーションとは、英語の音源を聞いて、それを文字に起こすトレーニング。「聞けていないところ」=「書けないところ」になるので、音声知覚の弱点を明確につかむことができます。
聞けていない音についての正しい知識を得たあとは、オーバーラッピングという音源と重ねて音読をするトレーニングを行ないました。これによって、学んで得た知識を、実際に発音でき、聞き取れるスキルに変えていきます。
並行して、シャドーイングは比較的易しい教材から始め、長くてスピードの速い教材でもネイティブスピードでスラスラと音まねができるように訓練を行ないました。リスニングの点数は安定的に高得点をキープできるようになり、一度は100点中90点近いスコアも出すことができましたね。
K.Hさん:一番好きなトレーニングはシャドーイングですね。初めてだったのですが、シャドーイングのトレーニングが個人的にはすごく楽しませてもらいました。
受講前のインドでの悔しさが根強く残っていたのもあって、シャドーイングで音声をまねて声に出していく練習をすると、自然と英語が話せている気がするという感覚を味わえるのが楽しくて、シャドーイングのトレーニングは全然苦ではありませんでした。
チャンクリーディングで読むスピードが格段に向上
清水トレーナー:課題のうち特に苦戦されていたのは、リーディングスピードでした。TOEIC模試の長文問題にたどり着く前にかなりの時間を使っていました。
さらに分析を進めてみると、一度学習をしたスクリプトであればしっかりとイメージを持って音読ができていたのですが、初見の文章だと比較的簡単な文章でも内容が理解できていないことがわかりました。これは英語学習者にはよくあることで、英語を日本語に訳読しながら読んでいたためです。英語と日本語は語順が大きく異なるので、訳しながら読むと文を行ったり来たりすることになり、時間がかかってしまうのです。これを「返り読み」といいます。
この点を解決するためには、英語を英語の語順のまま頭から読むことが必要です。そこでまずは「チャンク」と呼ばれる「意味のかたまり」を構造からもう一度理解し直していただきました。そのあと、ご自身でチャンクごとにスラッシュを引いてもらったり、文型を確認したり、チャンクとチャンクのつながりを説明してもらったりしました。
その結果、比較的易しいスクリプトであれば、返り読みをせずチャンクリーディング(意味のかたまりであるチャンクごとに英文を理解していく読み方)ができるようになってきたので、同じくらい易しいスクリプトを大量に読んでもらうことでチャンクリーディングに慣れてもらい、慣れてきたら少しずつレベルを上げていきました。そうすることで、文構造が比較的複雑な文章でもその語順で理解をすることができるようになり、リーディングスピードが格段に向上しました。
——K.Hさん、取り組んでみていかがでしたか?
K.Hさん:大変でした(苦笑)。特にチャンクリーディングやサイトトランスレーション(チャンクごとの意味を瞬時に述べていくトレーニング)は初体験で、チャンクごとに読む経験も感覚もありませんでしたので、音声を聞いてどんな内容か説明するときに、たいして言葉が出てこなかった記憶があります。
リーディングスピードはずっと悩みの種でしたが、順を追ってトレーニングしたおかげで、トレーニング終盤になってきて、英文を頭から読む感覚が当初よりもつかめてきたように感じます。前から情報がつけ足されていく感覚が、文章によって明確にイメージできる部分が増えてきたため、読めているという実感が徐々に湧いてきましたね。
具体的なスモールゴールを設定
——K.Hさんにお尋ねします。日々の業務でお忙しいなか、どのように1日の学習時間を確保しましたか?
K.Hさん:学習時間を分散させました。会社から言われていたのが1日3時間という学習時間なのですが、まるまる時間をとるのは厳しいと思ったためです。
朝に1時間学習に充てられるようにして、あとはスキマ時間を活用しましたね。昼休みに15分だけやるとか、業務の気分転換に単語帳を見るとか。夜には約2時間、英語学習のための時間をしっかりとるようにしました。学習時間を分散させて、朝、昼、夜でトータル3時間になるようにやっていたのが一番ですね。
また、スマートフォンひとつでトレーニングができる「ENGLISH COMPANY MOBILE」も活用していました。「分散させてちょっとだけやる」ことをしたおかげで、学習時間を確保しやすかったのではないかと思います。
——非常に多忙ななかで英語学習を継続されたんですね。清水トレーナーはK.H.さんの学習習慣を維持するために、どのようにサポートしましたか?
清水トレーナー:学習時間だけを目標にするのではなく、学習時間あたりの質を高めることを重視していました。
トレーニングの中盤から後半にかけては、特に集中して解決すべき点をリーディングスピードと定めました。そのうえで、1~2週間ごとにスモールゴールを細かく具体的に設定し、そのゴールを達成いただけるようにサポートを行ないました。
たとえば、具体的なスモールゴールとして提示したのは「約2週間で文章中の文型(SVOなど)を自分で見つけられること」です。チャンクごとに文章を読むためには、文構造を瞬時に見抜ける必要があります。そのために、1週間半後にはSVOなどをスラスラ見つけられること、と私からゴールを提案をして、それを達成するために必要な学習をしっかりと行なっていただきました。
フィードバックで重視したのは「質」です。学習の質が高くないと効果が薄くなってしまうので、一度設定したゴールのハードルを下げることはしませんでした。
英語学習の成果を得て仕事のチャンスも広がった
——ENGLISH COMPANYを受講して、どのような変化がありましたか?
K.Hさん:もともとこのプログラムを受けようと思ったときに、英語をもっと使う案件を受けたいと考えていました。トレーニングの結果、希望した案件を受けられるようになったという点では大きな変化だったと思います。
また、英語の勉強の仕方を的確に伝えていただけたというのも大きなメリットです。英語をどのように勉強すればいいのか丁寧に教えていただきました。おかげさまで卒業後も学習を継続していたので、やり方を学べるというのはすごくよかった点です。
——橋本学長と大渕さんにお尋ねします。今回の結果と英語研修によって、御社やK.Hさんにどのようなビジネス上の変化がありましたか?
橋本学長:過去もさまざまな英語研修を実施してきましたが、これほどわかりやすく期待以上の成果が出たことは初めてだったということで、経営の視点からも評価されています。毎日3時間勉強するという異例の研修だったこともあり、やはり投入した努力に比例して成果も出ていますね。英語で堂々と会議ができるようになったといった変化を現場から聞くようになってきました。
勉強すると成果も出て、成果が出ると仕事のチャンスも広がるという学ぶことへのモチベーションを社内で醸成する役割を大きく担っていると思います。
大渕さん:K.Hさんが先ほど述べたとおり、ENGLISH COMPANY MOBILEで時事英語のシャドーイングをするのが毎日の習慣になったようです。嫌で英語を学ばされているのではなく、自分から楽しく学習しているのが印象的でした。
業務に関しては、K.Hさんは、グローバルスタッフとともにプロジェクトリーダーとして活躍しています。日頃から会議を英語でリードする役目を果たしているので、われわれが思い描いていた理想をK.Hさんが体現してくれましたね。
——ENGLISH COMPANYでの英語研修の感想と、研修成果を今後どう活かすかを教えてください。
橋本学長:英語力向上にはどうしても長時間の学習が必要であるため、レッスン中だけでなくレッスン外での自習をどれだけできるかが重要となります。自習部分に関しても学習計画、進捗フォローのサポートがあるENGLISH COMPANYは本当にありがたいです。こうした対応を社内のリソースでカバーするのは大変ですので。会社にとって必要なグローバル人材を育てるのに、ENGLISH COMPANYは非常に心強いパートナーだと思います。
われわれは中期経営計画で、より規模を拡大し、日本のお客様にさらに貢献していくという目標を掲げています。実現にあたり、英語ができる人を増やしてグローバルのリソースをもっと活用していくことは大きな鍵です。
——最後にこれから御社で働きたいという方々に対して、日本TCS、およびTCS Japan Academyの魅力やメリットをPRしていただけますか?
橋本学長:弊社はまさにグローバルな働き方ができる会社だと思っています。51万人のグローバル人材とコミュニケーションしてサービスを提供していくことが仕事ですので、毎日の会議も多くが英語でなされます。私自身弊社に入ってから英語力が非常に伸びました。
そして今回設立した「TCS Japan Academy」では、意欲がある人にはスキルを伸ばすための機会を豊富に提供していきます。グローバルで仕事ができるレベルの英語力と高いレベルのITに関する知見をもつ人材に短期間でなりたいなら、弊社は非常によい環境です。
これまでの研修生は、「英語でひとりで会議をリードできる」というわれわれが求める人材になってきました。今後もそういった人材を育てたいと思います。
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グローバル企業である日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社の研修としてENGLISH COMPANYが導入され、グローバル人材の育成はますます加速しています。
そして、科学的なアプローチとトレーニングで英語学習を継続してきたK.Hさん。限られた学習期間のなかで、700点、800点の壁を次々と乗り越えられたのは、トレーナーの細かな課題分析と正しい学習方法による日々のトレーニングがもたらした必然の結果と言えるでしょう。