前回「映画で学ぶ英会話」にて映画を用いた英語の習得方法をご紹介させていただきました。

方法としての「音読」「オーバーラッピング」「シャドーイング」それぞれの効果とやり方はわかったけれども、なんの映画から始めようかしら。映画観たいんだけど、何から観ていいのかわからなくて……。そんなあなたに真っ先にご紹介したいのは、ロンドンを舞台にしたこちらの作品です。

『ノッティングヒルの恋人』

ダメ男役を演じさせたら右に出るものはいない、との呼び声高いイギリスの名優ヒュー・グラント。映画『プリティ・ウーマン』で太陽のような笑顔と共に世界中の映画ファンから高い人気を得たジュリア・ロバーツ。
そんな2人が織り成す珠玉のロマンティック・コメディ『ノッティングヒルの恋人(原題:Notting Hill)』をお届けします。
ヒュー・グラントが演じるのはロンドンの小さな町“ノッティングヒル”で旅行書専門店を営む、うだつの上がらない中年男性ウィリアム。
そんなウィリアムの元をジュリア・ロバーツ演じる、押しも押されもせぬ世界的大人気女優アナが訪れることからこの物語は始まります。

その後カフェへ出かけたウィリアムは街角でアナとぶつかり、手にしていたオレンジジュースを彼女にかけてしまいます。当然腹を立てるアナですが、不器用ながらも誠実なウィリアムの態度に惹かれていき、別れ際に情熱的なキスを交わします。

一度は激しく恋に落ちる2人ですが、様々なハプニングに見舞われ、気弱なウィリアムはアナとの関係を諦めてしまいます。そんな折に撮影でイギリスに来ていたアナはウィリアムの元を訪れ、もう一度やり直さないかと提案します。しかし富と名誉にあふれたアナの存在は自分には大きすぎる、とウィリアムはその告白を断ってしまいます。

そんなウィリアムに対して返したアナの言葉がこちら。

The fame thing isn’t really real, you know.
Don’t forget.
I’m also just a girl
standing in front of a boy,
asking him to love her.

そう言い残してアナはウィリアムの元を去って行きます。
さて、この後2人の関係はどうなってしまうのでしょうか?
続きは是非、作品をごらんくださいね。

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『ノッティングヒルの恋人』紹介動画

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【分詞】 文法check

ここでのポイントは【分詞】
高校生の頃の記憶を引っ張り出してみてください。
A girl に続くstanding は現在分詞の形容詞的用法と呼ばれるものです。つまりa girlを修飾する働きをしています。「私も一人の女の子なのよ」の後ろに、standingの意味を添えています。また、asking以下も前に出てきたstandingと並んでa girlに意味を付け足しているのです。

Chunk Reading

英語を読むときも聞くときも、英語を前から前から取っていく癖をつけましょう。一度読んで(聞いて)後ろから訳してしまったら、とてもじゃないけどネイティブのスピードには付いていけません。意味や文章のかたまり(=chunk)を意識してください。

The fame thing isn’t really real, you know.
Don’t forget.
I’m also just a girl
standing in front of a boy,
asking him to love her.

名声は実際には存在しません
忘れないでください(以下のことを)
私もただの女です(どんな女の子?)
男性の前に立っている
そして彼に彼女を愛することを求めている
<訳>
名声って実体のないものなの
忘れないで
私も一人の女よ
好きな人の前に立ちー
愛して欲しいと願っているわ

音声変化check

日本人が英語の音を聞き取れないという大半の理由は、文字から想定される音と実際に発話される音にギャップがあるためです。
例えば、大人気ディズニー映画『アナと雪の女王』のテーマソング。観ていない方でも、あの有名なサビは歌えるのではないでしょうか? “Let it go.” はその文字だけ見れば「レットイットゴー」と読めますが、実際には「レリゴー」と歌われていますよね。ここで何が起こっているのでしょうか? 母音に挟まれた[t]や[d]の音は日本語のら行に近い音になります。(音声学的には“弾き音化”)

そのような音声変化はネイティブの気まぐれで起こっているわけではなく、一定のルールに基づいて起こっています。ルールを学び、正しく発音できる音を増やしていけば、聞き取れる音も増えていきます。一石二鳥ですね。

ここでジュリア・ロバーツのセリフを聞きながらスクリプトを見てみましょう。

The fame thing isn’t really real, you know.
Don’t forget.
I’m also just a girl
standing in front of a boy,
asking him to love her.

さて、文字を読んであなたが想定した音と、ジュリア・ロバーツが発した音は同じでしたか? 実はこの短い文章の中で、こんな音声変化が起こっていたのです。

The fame thing isn’t really real, you know.
Don’t forget –
I’m also just a girl
standing in front of a boy,
asking him to love her.

赤:脱落
緑:連結
青:発音注意

【脱落】あるべき音が発音されないこと
・isn’t really… 単語の最後の[t]に子音が続くと[t]が脱落する
・front of…nの後の[t]が脱落している

【連結】音が繋がって発音されること
※単語の最後の子音と、次の単語の最初の母音がつなげて発音される
・I’m also「アイモーソ」
・just a「ジャスタ」
・front of 「フロノブ」※[t]が脱落するためnとoがつながり、このように発音される
・of a「オヴァ」

【発音tips】
really:reは「リ」ではなく「ウィ」を意識 →「ウィーリー」
standing:発音記号は[æ] となり、文字からもわかるように「ア」と「エ」の中間の音になる →「s tæ ンディン」

ここまで音声変化を確認できたら、もう一度アナのセリフを聞いてみましょう。

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Listening Hacker

Tips

ここでのポイントは、映画の女優になりきること。
発音やイントネーションはもちろん、話すスピードや間の取り方、はたまた表情や仕草なんかも意識しながら練習するのがオススメです。
上級者のみなさんは、アメリカ英語とイギリス英語の違いにも注目してみてください。

わがままで自由奔放なアナと、そんな彼女に振り回されてばかりのヘタレ男ウィリアムの掛け合いがとびきりキュート。ウィリアム演じるヒュー・グラントが今なお世界中の女性の心を掴んで離さないというのも頷けます。

物語の見所はそんな2人のラブストーリーだけではありません。
決して”勝ち組”とは言えない、ウィリアムの友人たちが巻き起こす独特のユーモア、思わず共感してしまう不運な状況、そして心が震えるような名台詞たち。
この映画を彩るひとつひとつの欠片に、あなたもきっと夢中になるはず。

ノッティングヒルの街角で恋をしてみませんか?

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英語の「プロトレーナー」に学ぶ、『英語で学ぶ英会話』。担当トレーナーの松本夏織さんは、ENGLISH COMPANY有楽町スタジオでトレーニングも担当しています。
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