「単語や構文はちゃんと覚えたはずなのに、長文はなぜか読めない……」
こういう人は、少なくないのではないでしょうか。
長めの文章を読むということは、単語や文法の知識は必須。 基礎となる部分がぐらついていたら、いつまで経っても読めるようになりません。
今回は、長文をもっと読めるようにするには、どんなことをすればいいのか、についてお話しします。
基礎を固めるための「全訳照らし合わせ法」
長文が読めない人は、「基礎はできてるんだけど……」と思っていることが多いですが、実はまだ基礎がぐらついているということはよくあります。
単語帳に触れていても、それを文章の中で、即座に判別できるようにならなければいけません。 そのために私がやっていたのは、あえて辞書や単語を使わず、「全訳で意味を調べる」ということ。 長文を読もうという段階になったら、辞書や単語帳で意味を調べる頻度は減らしていきます。
では、そのポイントを2つ説明します。
1.単語の意味が分からなくても、どんどん読み進めていく
長文を読んでいて、分からない単語があったら、マーカーで印をつけて、どんどん読み進めます。 そして、問題を解き終わったら、本文を全訳と照らし合わせて、分からなかった単語の意味を同定していきます。
これを3~5回繰り返すと、分からなかった単語の意味は自然と頭に入っていきます。
この方法のオススメしたい点は、2つ。
★辞書を引く手間が省ける 辞書を引く手間すらも、もったいないと思う方もいるでしょう。いろんな本を参照するのは面倒でもあります。
★文脈に即した意味を知ることができる 辞書を引いて、意味がいくつもあったら、
「本文中の意味は、この中のどれなんだろう……?」
と悩んでしまうことって、けっこうありますよね。
適切な意味を吟味することも確かに大切ですが、時間がもったいない、ということもあるでしょう。 それよりも、全訳でササッと意味を確認して、「その場面での意味」を知ったほうが、効率的です。
2.一語一語訳さない
さて、こうしてしっかりと単語を覚えても、それを駆使して丁寧に訳すのは、非効率です。
まずは無理やりにでも、「分からなくても先を読み進める」ということを徹底してください。 そのためにも、上でお話しした「マーカーで印だけつけておいて、読み進める」方法は有効です。
大丈夫、分からない文章があっても、読み進めるうちに全体像は見えてきます。
そもそも、「長文を読む」ということと「すべて翻訳する」ということは少し違う作業です。まずは「長文を読む」ということに集中しましょう。
もちろん、一語一語翻訳することが重要になることもあります。でもそれはそれ。別の機会で訓練するとして、今回は「長文を読む。できるだけ素早く。」ということに集中しましょう。
+α:パラグラフを意識する
「読み進めるうちに全体像が見えてくる」 と言いましたが、各パラグラフの流れが分かると、もっと全体像は見えやすくなります。
これがいわゆる「パラグラフリーディング」。
「この段落は筆者の主張が書いてあるな」 「ということは、次以降のパラグラフでは、主張の具体例が出てきたりするだろうな」
ということを意識して、“in fact”や“though”といった「ディスコースマーカー」に印をつけて読んでいくとよいです。
パラグラフリーディングに関する参考書は、本屋に行けばたくさんあります。 面倒なら、ネットで「パラグラフリーディング 方法」とググれば、情報はいくらでも出てきます。
*** いかがでしょうか? 今回ご紹介したのは、長文読解の苦手意識を減らすための、いわば「入口」です。
今回ご紹介した方法を少しでも活用して、英語への苦手意識を減らしていただければ、幸いです。

