「いま何をしようとしていたっけ…」は脳疲労が原因。“3つの習慣” で脳に休息とリフレッシュを。

若い人に多い物忘れを解消する3つの方法01

複数のタスクを抱え、せわしなくオフィスを駆け回っていると、ふとした瞬間に「いま、何をしようとしていたんだっけ……?」と、記憶が一時的にすっぽ抜けてしまうことはありませんか?

たまにだったら、“うっかり” として笑って済ませられるかもしれません。しかし、何度も繰り返していると信頼関係に関わり、未来に悪影響を与えることも……

脳が発する「SOSサイン」を見逃してはなりません。一時的な物忘れの根本原因と、その対処法をお教えします

仕事で忙しい人は要注意!? 物忘れは10~30代の若者にも現れる

医療ジャーナリストの吉澤恵理氏によれば、「相手の名前を忘れる」「やろうと思っていたことを忘れる」といった物忘れは、10~30代の若者にも起こるのだそう。そして、その原因は「脳疲労」にあるのだとか。

脳神経外科医の奥村歩氏は、脳への情報のインプットと、行動によるアウトプットのバランスがとれていれば、脳に疲労がたまることはないと述べます。しかし現代では、仕事で膨大な情報を処理しなければならないほか、プライベートではSNSをチェックし、暇さえあればスマートフォンでゲームやネットサーフィンをするなど、インプットの比重がどうしても増えがち。脳が消化不良を起こしたような状態になりやすいのです。

奥村氏いわく、脳に疲労をため込みやすい人は以下とのこと。

  • 仕事が忙しい人
  • 人間関係に疲れている人
  • スマートフォンやパソコンをよく使う人

当てはまる人も多いのでは? 脳疲労による物忘れは、誰にとっても身近な問題なのです。

若い人に多い物忘れを解消する3つの方法02

脳疲労で物忘れが起こるのは、ワーキングメモリの機能低下が原因

脳疲労で物忘れが起こるのは、脳内のワーキングメモリーの働きが鈍っているのが原因」だと、早稲田大学研究戦略センター教授の枝川義邦氏はいいます。

ついさっき聞いた人の名前や今日やるべきことなど、一時的に使われる情報は、短期記憶をつかさどるワーキングメモリに保存されます。しかし、ワーキングメモリの容量は、脳疲労で減ってしまうのです。結果、短期記憶の保存が難しくなり、物忘れが起こりやすくなってしまいます。

物忘れに悩む人は、ワーキングメモリをなるべく使わないように、ノートや手帳といった記録ツールを駆使するのがよいと枝川氏はすすめます。無理に記憶に頼らず、どこかに記録してしまうことで、脳にかかる負荷を減らすことができるのです。

たとえば、取引先へ電話しなければいけない際、「何度もやりとしている相手だし、話すことはだいたい頭の中でまとまっている」と思いがち。しかし、「資料を送付したことは伝えたけど、来週サンプルを持って訪問したい旨を伝え忘れた」といった伝え漏れの経験をしたことはないでしょうか。

物忘れはいつやってくるかわかりません。どんな要件を伝えるかを箇条書きでメモ書きしておけば、伝え忘れる確率も大きく減らせるでしょう。ワーキングメモリの無駄遣いがなくなり、仕事もスムーズに進むので、一石二鳥ですね!

若い人に多い物忘れを解消する3つの方法03

一時的な物忘れが未来に悪影響を及ぼすことも……

“塵も積もれば――” というように、ひとつひとつは小さな物忘れでも、それが積み重なると未来に悪影響を及ぼすこともありえます。

たとえば、先ほどの電話の例で「来週サンプルを持って訪問したい」と伝え忘れた場合。もう一度連絡をするぶん、自分にも相手にも無駄な手間と時間を課すことになりますよね。

一度くらいであれば、「忙しいと、そんなこともありますよね」とフォローしてもらえるかもしれませんが……。同じようなことが何度も起これば、相手からの信頼を損なうのはいうまでもないでしょう。

このことから、大阪大学名誉教授の苧阪満里子氏は、ワーキングメモリについて「現在進行形の目標を達成するために、そして未来の行動を正しく方向づけるために必要なもの」と述べています。正常に機能しないと、未来の行動が目標どおりに進まなくなるのです。

また、物忘れを繰り返すと、自己嫌悪に陥ったり悲観的になったりしますよね。心理技術アドバイザーの梯谷幸司氏は、物忘れによるこうしたストレスにも警鐘を鳴らしています。

梯谷氏によれば、苦痛系ホルモンのコルチゾールがストレスにより分泌されると、脳内の海馬がダメージを受けるのだそう。海馬は、必要・不要な情報を分別し、必要な情報を短期記憶や長期記憶に分類する部位です。その選別が苦手になってしまうのですから、長期間忘れたくない記憶に対しても、悪い影響を及ぼす可能性があります。

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脳疲労を和らげ、物忘れを改善する3つの対処法

脳疲労を和らげ、物忘れを改善する身近な対処法として、前出の奥村歩氏は「1日5分ぼーっとする時間をつくる」ことを挙げています。

実は、脳は、ぼんやりしているときでも、次の仕事や作業に取り掛かる体勢を整えようとしています。
この切り替えシステムは、ぼんやりしているときにこそ働く… と言われています。
このシステムが十分に機能しないと、集中しっぱなしの状態になったりして、脳が疲弊してしまうのです。

(引用元:ニッポン放送|30代から要注意!脳の老化の原因となる“脳過労”とは!?

同様に、何も考えないことで脳を休める方法として、前出の吉澤氏は「瞑想」もすすめています。瞑想といっても難しいことはなく、リラックスできる姿勢で目を閉じて深呼吸するだけでよいとのこと。これなら手軽に始められそうですね。

また、枝川氏は「睡眠と運動習慣の見直し」も有効だと述べます。記憶を維持するうえで最適とされる “6時間半~7時間半の睡眠時間” を確保するよう心がけましょう。さらに、仕事量が多い人や午後になると集中力が途切れがちな人は、昼食後に10分程度の昼寝をするとよいそうですよ。また、運動はウォーキング程度の軽めのものでかまいません。加齢による物忘れの防止にもつながります。

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仕事に追われてバタバタしているときに起こる物忘れは、脳疲労をとることで解消できる可能性があります。スマートフォンを触る時間を減らし、ぼーっとする時間をつくることで、脳を休ませてあげましょう。自己嫌悪によるストレスでさらなる悪循環を引き起こす前に、ぜひ対処したいものですね。

文 / かのえかな

(参考)
クラシエ|物忘れ改善マガジン Vol.3|物忘れを改善する医薬品アレデル
ニッポン放送|30代から要注意!脳の老化の原因となる“脳過労”とは!?
NIKKEI STYLE|物忘れを防ぎ、記憶力を高める10の習慣
現代ビジネス|もの忘れの原因は「記憶力」ではなく「こころの黒板」だった!
Precious.jp|うっかり原因が判明!物忘れが増えたとき「脳から無意識に出ているメッセージ」6選
ダイヤモンド・オンライン|脳の仕組みを知れば「記憶力」は高められる

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