最近、友人と会っていますか?——忙しい人こそ、友人との交流が重要なワケ

海辺で楽しく笑う友人同士

「最近、友人と会っていますか?」

忙しい毎日を送る人ほど、この質問には答えにくいはず。日々の仕事に追われ、プライベートな時間は後回しになっているのではないでしょうか。

「そう言えば最近、職場や家族以外の人間と話していないなぁ」

じつは、そうした状況には大きな問題があります。思考が硬直し、ストレスが増え、意欲も落ち、革新的な発想が生まれにくくなる恐れがあるからです。

ビジネスパーソンなら誰だって、そんな状況は避けたいもの。

そこで本記事では、友人との交流を遠ざけるリスクを掘り下げ、忙しくても実践できる「ナガラ・スキマ交流」を提案します。

友人との関係を後回しにするリスク

忙しさを理由に「友人関係を後回し」にする――これには想像以上のリスクがともないます。そのリスクは次のとおりです。

  • 考え方が凝り固まる
  • ストレスが溜まる
  • 意欲が低下する
  • 創造性を失う

以下に詳しく説明します。

職場や家族といった “身内” だけと接していると、似た経験や価値観が繰り返されやすく、視野はどうしても限定的になりがちです。

一方で、学生時代の友人や趣味仲間など、異なる背景をもつ人と交流すると、自分にはない視点や経験が入ってきます。

社会学者マーク・グラノヴェッター氏の「弱い紐帯の強み」理論でも示されているように、多様な友人とのつながりは新しい発想や柔軟な思考の源泉になるのです。*1

 
「弱い紐帯の強み(The Strength of Weak Ties)」とは、「緊密で親密な社会的なつながりを持つ人より、弱い社会的なつながりを持つ人の方が、自分にとって新規性のある情報をもたらしてくれる可能性が高い」とする考え方のこと。*1

また、心理学者のエドワード・デシ氏とリチャード・ライアン氏が提唱した「自己決定理論(Self-Determination Theory)」によれば、人が持続的に高いモチベーションを発揮するためには、3つの基本的欲求――(a)自律性、(b)有能感、(c)関係性――が満たされることが不可欠です。*2

これらのひとつでも満たされないと人はストレスを抱えやすくなり、粘り強く目標を追う意欲や創造性も失われていきます。逆に3つが揃ったとき、人は最高のパフォーマンスと幸福感を達成できるとされています *2。

このなかの「関係性」とは、他者とのつながりを実感すること。つまり友人との交流も大きな役割を担っているのです。

忙しさを言い訳に、大切なつながりを見過ごしてしまってはいないでしょうか。いま一度、立ち止まって見直すことをおすすめします。

楽しそうな友人同士

友人は生産性を高める「投資」である

前章で紹介したような理論を並べても、

「忙しいんだから仕方がない」

とお考えの方もいるでしょう。それは恐らく「友人と会う時間=浪費」という発想だからではないでしょうか。

でもじつは、むしろ「友人と会う時間=投資」なのです。特に、異業種の友人・知人は、あなたに新しい発想や、問題解決のカギを与えてくれるはず。

元プルデンシャル生命保険エグゼクティブ・ライフプランナーで、ビジネスパーソン向けに講演も行なう川田修氏は、次のように述べています。*3

異業種の人は当たり前だと思っていることが、私たちの当たり前と真逆だったりすることもあるんです。

異業種の友人・知人との交流は、日常業務では得られない多様な視点や発想をもたらし、複雑な課題に直面した際の柔軟な対応力を育みます。

前章の内容もふまえて考えると、友人との交流は単なる娯楽ではなく、知識やエネルギーを増やす投資と言えるはずです。

カフェで楽しく語り合う友人同士

忙しくてもOK「ナガラ・スキマ交流」

ただ、日々忙しいビジネスパーソンに時間がないのは事実。いろんな友人との交流に、じっくり時間をかけることは現実的ではないでしょう。

しかしながら、このハードルは小さな接点を積み重ねるという工夫で乗り越えることができます。そこで「ナガラ・スキマ交流」という発想が生まれます。

1.「ながら交流」で体と心を動かす[20〜30分]

朝の短い散歩やジムに友人を誘ってみましょう。運動中の会話は自然とリラックスした雰囲気を生み、普段の仕事では出てこない発想が飛び出しやすくなります。ジムで30分一緒にトレーニングしながら「最近どう?」と聞くだけで、思わぬヒントが得られることも。

2. 移動時間を「雑談タイム」に変える[5〜10分]

移動中や昼休みに、友人と音声通話やチャットで「そっちの業界はどう?」などと近況を交換。相手の業界では当たり前のことが、自分にとっては新鮮に映る場合があります。この「ズレ」こそが、新しい視点を生む源です。

3. 短いメッセージで関係を「保温」する[1〜3分]

「ありがとう」「あれ、どうなった?」「元気?」といった短いメッセージを定期的に送り、小さなやり取りをしましょう。必ずしも長時間の交流である必要はありません。短くても継続的な接点で十分なのです。これは通勤中の数分で送れる手軽さが魅力です。

4.「共読・共視聴」で知的な刺激を共有する[10〜15分]

同じ本や記事、動画をシェアして感想を語り合うのも効果的な方法です。異なるバックグラウンドをもつ友人の解釈を聞くことで、自分では気づかなかった視点が得られます。昼休みの10分、チャットで感想を交換するだけでもOKです。

5. 出張や外出に「ついで再会」を仕込む[15〜30分]

出張先や外出予定に合わせて、近くに住む友人と短時間でも顔を合わせるといいでしょう。駅前のカフェで15分話すだけでも、直接会うことで得られる情報や刺激はオンラインの何倍もの価値があります。「○分だけ」と時間を決めておけば、お互いに気軽に会えるはずです。

重要なのは、定期的に顔を合わせたり言葉を交わしたりすること。忙しい日々のなかでこそ、友人とのつながりは自分を支える大きな力となるに違いありません。

***
大げさな予定を立てる必要はないのです。ほんの短い会話や小さなやり取りを定期的に行なうだけ。その小さなやり取りが、あなたのこれからの仕事と人生をより豊かにしてくれるでしょう。

友人との時間は、忙しさのなかでこそ輝くものかもしれません。

【ライタープロフィール】
こばやしまほ

大学では法学部で憲法・法政策論を専攻。2級FP技能検定に合格するなど、資格勉強の経験も豊富。損害保険会社での勤務を通じ、正確かつ迅速な対応を数多く求められた経験から、思考法やタイムマネジメントなどの効率的な仕事術に大変関心が高く、日々情報収集に努めている。

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