
「He is play baseball.(彼は野球をします)。これで完璧だろ、ゲロゲロ!」
意気揚々と英文を作ったカエルのグリンパ君ですが、実はこれ、日本人の英語初心者が最も陥りやすい「あるある間違い」なのです。
前回、be動詞の正体が「存在(〜という状態でいる)」だと学んだグリンパ君。しかし、今度は「動作」を表す一般動詞の壁にぶつかります。
なぜ "is" と "play" を一緒に使ってはいけないのか? そして、なぜ "He play" ではなく "He plays" と "s" がつくのか?
今回もイングリッシュカンパニーのシニアリサーチャー・時吉秀弥氏と共に、丸暗記不要の「英語のロジック」を紐解いていきましょう。
「is」はただの「〜です」ではない
まず、グリンパ君の作った "He is play baseball." がなぜ不自然なのか。
時吉氏は「日本語と英語の構造の違い」から解説します。
日本語は「てにをは(助詞)」があるため、「私は彼を好き」「彼を私は好き」と語順を変えても通じます。
しかし英語は「配置(語順)」そのものが意味を持つ言語です。
- He is an engineer.
(He = engineer という状態で存在する) - He plays baseball.
(彼は野球をする)
"He plays..." と言った時点で、「彼」が「野球をする」という意味は完結しています。
ここに「状態(存在)」を表す "is" を入れてしまうと、「彼は野球をする、という状態で存在している」という二重構造になり、文法的に破綻してしまうのです。
英語の動詞は大きく分けて2つ。
- Be動詞: 状態や存在を表す(is, am, are)
- 一般動詞: 具体的な動作を表す(play, walk, sleepなど)
この2つの世界を混ぜないことが、脱・初心者の第一歩です。

謎のルール「3単現のS」を "舞台" でイメージせよ
次にグリンパ君を悩ませたのが、学校で習う呪文のようなルール「3人称単数現在のS」です。
「なんで "play" に "s" がついて "plays" になるの? 意味わかんない!」とパニックになるグリンパ君に、時吉氏は「舞台」を使ったイメージを伝授します。
1人称・2人称・3人称とは?
- 1人称(私): 舞台に最初に登場して話している人
- 2人称(あなた): 舞台に2番目に登場して、話を聞いている相手
- 3人称(彼・彼女・それ): 舞台(会話の場)にはいない、第三者のこと
ここからが認知文法の真骨頂です。
「私」や「あなた」は目の前にいるので、指差す必要はありません。
しかし、その場にいない「あいつ(彼)」や「あの人(彼女)」の話をする時、私たちは心理的に「ほら、あの人のことだよ」と指を差して特定するような感覚になります。
時吉氏はこれを「心に刺さる感じ」と表現します。
たくさんの人がいる中で、特定の誰か(単数)に意識を向ける(刺す)。この「意識の矢印」のマークこそが、動詞のお尻にくっつく "s" の正体なのです。
「指差し」で理解する3単現のS
- I eat lunch.
(私は自分だから、刺さない → sなし) - He eats lunch.
(彼は他人で特定するから、刺さる → sあり)
「なるほど! 誰か特定の人を噂する時の『あの人だよ!』っていう指差しマークだと思えばいいんだね!」とグリンパ君も納得です。
疑問文の "Do" は「動詞の代表選手」
最後に、疑問文の作り方です。
なぜ一般動詞の疑問文には "Do" や "Does" が登場するのでしょうか?
「Walk(歩く)も Sleep(眠る)も、要するに『何かをする(Do)』ことだよね。だから、疑問文や否定文を作る時は、動詞をいちいち変えるのが面倒だから、代表選手(親玉)である Do に出てもらうんだよ」と時吉氏は語ります。
- He plays baseball.(肯定文)
- Does he play baseball?(疑問文)
ここで注目すべきは、"Does" が前に出ている点です。
英語の鉄則は「大事なことから先に言う」。
「野球をするの? しないの?」という「する・しない」の判断(結論)を最初に聞きたいから、代表選手の "Do/Does" を文頭にボーンと置くのです。
また、"Does" の中にはすでに「3単現のs(es)」が含まれています。
「代表選手のDoがsを引き受けてくれたから、後ろのplayはsが取れて身軽になるんだよ」という解説に、グリンパ君も「おまけコーナーで賢くなった!」と大喜び。
今回の学びのポイント
- Be動詞(状態)と一般動詞(動作)は混ぜて使わない
- 3単現のSは、会話の場にいない第三者を「指差して特定する(刺す)」マーカー
- 疑問文のDo/Doesは、「する・しない」という結論を先に伝えるための代表選手
「暗記じゃなくて『なぜ』が分かれば、英語はもっと面白くなる」と時吉氏。
次回は、多くの人が誤解している「現在形と現在進行形の違い」について解説してくれるそうです。
実は「現在形は現在を表さない」らしいのですが……一体どういうことでしょうか? 次回の講義もお楽しみに。
STUDY HACKER 編集部
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