HSPという言葉はすっかり広まり、「HSPあるある」がテーマの本をよく見るようになりましたね。あなたにも、以下のような心当たりはありませんか?
- 刺激に敏感すぎる気がする
- 他人の感情に影響されることが多い
- ちょっとしたことで傷ついたり落ち込んだりする
「当てはまるかも……」と思ったら、HSPかもしれません。HSPならではの「あるある」と対処法をご紹介するので、仕事や日常で困ったとき、ぜひお役立てください。
HSPについては「もしかして自分かも? 5人に1人のHSP気質とは」で包括的に説明しているので、あわせてご覧くださいね。
HSPって何?
「HSPあるある」を見ていく前に、まずはHSPの概要を確認しましょう。
感受性が強い
HSPは「Highly Sensitive Person(とても繊細な人)」の略です。生まれつき感受性が強いため、小さな刺激で心が傷つきやすいとされています。
光の刺激に敏感な人は、オフィスの照明がまぶしすぎてつらいかもしれません。音の刺激に敏感だと、繁華街のように騒がしい場所では「早く帰りたい!」と感じるでしょう。刺激に敏感な人は、苦痛やストレスを感じやすいのです。
他人の感情や言葉に対しても、HSPは敏感な傾向があります。不機嫌な人や悲しんでいる人を見るだけで負の感情をキャッチし、ブルーになることも。HSPと非HSPでは、同じことを経験しても、苦痛の感じ方が大きく異なるのです。
HSPは個性
心理療法士のイルセ・サン氏によると、HSP気質は遺伝的なのだそう。瞳の色や声のように、生まれつきの個性なのです。
HSP気質は、病気や障がいではありません。「せっかち」「おしゃべり」「楽観的」などのように、個性の一種だと考えられています。
実際、HSPは5人に1人もの割合で存在するというのが定説です。その根拠は、生後すぐの乳児に対するテスト。飲み物の糖度を変えるなどして刺激を与えたところ、反応の激しさに個体差が見られたとのこと。「激しい反応」を示した赤ん坊は5人に1人程度だったそうです。
ですから「HSPだなんて、自分はダメだ……」と落ち込む必要はありません。たとえば「せっかち」という気質は、「気が短くイライラしやすい」という短所にも「行動が早い」という長所にもなりますよね。HSP気質も同じで、解釈次第では立派な長所になりうるのです。
4つの特徴「DOES」
HSPを提唱したアメリカの心理学者、エレイン・N・アーロン博士は、HSPの特徴として「DOES(ダズ)」を挙げています。
- Depth of processing(思考が深い)
【例】ランチに何を食べようか深く考え込む - easily Overstimulated(刺激過多になりやすい)
【例】オフィスで働いていると、雑音で気が滅入る - Emotionally reactive(感情が敏感に反応しやすい)
【例】ちょっとしたひとことで深く傷つく - Sensitive to subtle stimuli(些細な刺激を察知する)
【例】気温や風の変化を察知し、雨が降りそうだと気づく
HSPの概要を説明しました。「自分かもしれない……」と思う点はありましたか? これらの基本情報をふまえつつ、「HSPあるある」を具体的に見ていきましょう。
HSPの「あるある」
HSPの「あるある」を、例とともにご紹介します。あなたは、このようなことで困っていませんか?
物理的刺激に敏感
HSPは、刺激に対しとても敏感です。まぶしい光や大きな音、強いにおいが苦手なのはもちろん、キーボードを打つ音や、洋服のタグがチクチクする感触もストレスになりえます。
HSP専門キャリアコンサルタントのみさきじゅり氏や、精神科医の長沼睦雄氏によれば、地震が来る数秒前に目覚めたり、食品添加物や電磁波に反応したりするほど敏感な人もいるそうです。
- まぶしい場所が苦手
- 騒がしい場所が苦手
- 小さな物音がひどく気になる
- くさいものに敏感
- 嫌いな味は耐えがたいほど不快に感じる
- 肌触りの悪い服や、タグのチクチク感が苦手
- 添加物入りの食品で気持ち悪くなる
人間関係で傷つきやすい
HSPは他人の感情を敏感にキャッチするため、コミュニケーションで傷つきやすい傾向も。ちょっとした言葉や振る舞いで心が揺れ動きがちです。
- 些細なひとことに深く傷つく
- 欠点を指摘されると深く落ち込む
- 相手の顔がくもると「嫌われたかも?」と気になる
細かいところまで考える
それほど重大でないことについて深く考えることも、よくあります。重要な決断をする前に考えるのは当然ですが、日常的な小さいことについて長く考え、時間がかかることも。
- ランチのお店を決めるのに時間がかかる
- 将来についてあれこれ想像し、不安になる
- 仕事上の細かい部分について考え込み、作業が遅くなる
ペースを乱されるのが苦手
HSPは、ペースを乱されることが特に苦手です。大量の仕事を一気に頼まれたり急かされたりして、キャパシティを超える情報処理を迫られると混乱することがあります。
- 一度にたくさんのことを頼まれるとパニックになる
- 急かされたり見られたりすると集中できなくなる
- 環境が変化すると慣れるまで時間がかかる
- 新しいチャレンジや、リスクをともなう行動を避ける
完璧主義で責任感が強い
心療内科・精神科の「ひだまりこころクリニック」によると、HSPには常に完璧であろうとする傾向があるそう。理想が高く、まじめで責任感が強いとのことです。
- なんでも綿密に計画を立て、完璧にこなそうとする
- 少しでもミスがあるとへこむ
- 忘れ物がないか不安で、何度もチェックする
自己肯定感が低い
完璧主義の裏返しとして、HSPは自己肯定感が低くなりがちです。高い理想を掲げ、それが叶わないと落ち込むため、「自分はダメな人間だ」という自己否定の感情にとらわれる傾向があります。
- 自分を否定・卑下することが多い
- 他人と対立したときは「自分が悪い」と感じる
気が弱く振り回されやすい
HSPは、批判されたり嫌われたりすることを極度に恐れています。そのため、何か言われても反論できず、相手の言いなりになってしまう傾向も。
- 頼み事を断れない
- 相手の言い分に反対でも反論できない
- 批判をすべて真に受け、自分を責める
他人の感情に影響されやすい
共感力が高く、他者の感情を自分のもののように感じるのもHSPの特徴です。怒りや悲しみといったネガティブ感情に強く影響され、心が乱れることもあります。
- 人が怒られているのを見ると、自分のことのようにつらくなる
- 機嫌が悪そうな人を見ると落ち込む
- 悲しいニュースを聞くと深く落ち込む
怖いエンタメが苦手
HSPは共感しやすいため、つらい・痛い・怖いといった負の感情が刺激される本やテレビ番組を苦手とする傾向があります。
- ドラマや映画の暴力シーンが苦手
- 悲しいストーリーが苦手
- ホラー映画やお化け屋敷が苦手
空気を読む
HSPは、他者の顔色を敏感に察知して気を使う傾向があります。立派な長所なのですが、そのせいで疲れ果てたり人付き合いに苦痛を感じたりすることも。
- 相手が不快な思いをしていないか、いつも気になる
- 相手の感情を察し、フォローしてあげる
- 人に会うと、気を使いすぎてクタクタになる
人がいると緊張する
HSPは他者によく気を使うため、近くに人がいると緊張し、苦痛を感じがちです。親しい友だちや家族でさえ、心が休まらないことも。
- 飲食店や電車にいると落ち着かない
- 人混みが苦手
- 他人が家にいると落ち着かない
- ひとりの時間がないと耐えられない
疲れやすい
HSPの「あるある」を多く挙げてきました。このようなことを経験するため、疲れやストレスをため込みやすいのもHSPの特徴です。「社会に出てから疲れやすくなったなぁ」「人よりバテやすい気が……」と感じるなら、HSPかもしれません。
- 忙しい日が続くと、部屋にこもりたくなる
- 仕事終わりや休日は、疲れ果てて何もする気が起きない
HSPの傾向がある方は、このような「あるある」に共感できるのではないでしょうか?
「HSPあるある」への対処法
あなたは「HSPあるある」をどれくらい経験していますか? 仕事や生活に悪影響が出ていないでしょうか。
困り事を解消するため、専門家の見解をふまえつつ、12の対処法をご紹介します。
HSPを理解する
まずは、HSP気質を深く理解しましょう。
「自分にはどんな特徴があるんだろう?」
「どんなときに生きづらさを感じやすいんだろう?」
このような疑問を解決することで、ストレスを軽くする方法が見えてきます。
精神科医の西多昌規氏によれば、自分の「生きづらさ」に名前がつくだけで不安が軽くなることもあるそう。
「なんとなく生きづらい気がしていたのは、HSPだからだったんだ」
「私と同じことで悩んでいる人が、ほかにもたくさんいたんだなぁ」
このように思えるだけでも、心の負担が減るでしょう。HSPによる体験談やエッセイを読むのもおすすめです。
不快な刺激を避ける
ストレスを避けるため、不快な光・音・においなどの刺激はできるだけ回避しましょう。「嫌だな……」と感じる刺激を少しでも減らすことが大切です。
◆刺激を回避する方法
- サングラスやカラーレンズの眼鏡をかける
- 眼鏡の度を下げる
- アイマスクをつける
- イヤホンや耳栓を使う
- 締めつけを感じにくく、肌触りのいい服を着る
- 好みのアロマを持ち歩いたり、マスクにつけたりする
- 人混みを避ける
- 電車を避け、自動車や自転車で移動する
- 職場のリモートワーク制度を利用する
- 静かな場所に逃げ込む
心をリセットする方法をもつ
気分が乱れたときのため、自分なりに心をリセットする方法を用意しておきましょう。マイナスな思考や感情をリセットでき、「さっきのことは気にしないようにしよう」と思えるなら、なんでもOKです。
たとえば、精神科医で僧侶の川野泰周氏が紹介する「呼吸瞑想」。「口の前に手を出し、息を大きく吸って口をすぼめ、長く、均等に息が当たるように吹き続ける」だけです。呼吸に集中することで、心の乱れが鎮まっていきます。
◆心をリセットする方法
- 顔を洗う
- ストレッチや伸びをする
- 歯を磨く
- 外の景色を眺める
- ひとりになれる場所に行く
- 観葉植物やペットに触れる
- 瞑想する
何もしない時間をもつ
前出のサン氏によると、たまには「何もしない時間」をもつことも大切だそう。
静かな部屋でゆったり座り、何も考えず、ただボーッと過ごす……こうすると頭のなかで渦巻いていた情報が整理され、癒やしを感じます。
眠ったりウトウトしたりせず、あくまで目を覚ましたままボーッとするのがポイントだそう。家事や運動など簡単なルーティンワークならしてもOKですが、なるべく意識を使わず「ボーッと」作業してください。
室内外の刺激が気になってボーッとできないなら、アイマスクやイヤホンを使うのも手です。イヤホンを使う場合、以下に挙げたようなアンビエント音楽や、波の音などの自然音を流しましょう。
◆「何もしない時間」のポイント
- 何もせず椅子に座る
- 眠らず、目覚めたままボーッと過ごす
- ちょっとしたルーティンワークならOK
- アイマスクやイヤホンを使う
自分にいたわりの言葉をかける
サン氏は「自分にいたわりの言葉をかける」という方法を推奨しています。HSPは、日常生活で心が傷つきやすいもの。傷ついたときは自分をなぐさめ、励ましてあげましょう。
家族や親友など、大切な人をなぐさめるように言葉を選ぶのがコツです。悪口を言われて傷ついた場合は、「親友のAちゃんが悪口で傷ついていたら、どんな言葉をかけるだろう?」と想像してみましょう。
さらにサン氏は、自分をいたわる言葉を手紙にしたため、常に持ち歩くことを推奨しています。ストレスを感じたときに読み返せば、心の平穏を取り戻せますよ。
人と距離を置く
HSPは他人の感情に影響されやすいため、誰かが近くにいると、イライラなど負の感情をキャッチしてストレスを感じるかもしれません。そこで精神科医の井上智介氏がすすめるのは、「パーソナルスペース」を広くとることです。
人間は身体の前方に「縄張り」のようなものをもっており、このスペースが侵されると不快感を覚えます。このパーソナルスペースに踏み込まれないようにしてください。「距離が近いような……」「威圧感を感じる……」と思ったら、さりげなく身を引き、心地よく感じる距離まで下がりましょう。
相手に真正面から向き合うのではなく、横・斜めから接することでも、パーソナルスペースの侵害を回避できます。誰かと食事に行くなら、カウンター席を選んだり、テーブル席で斜めに座ったりしましょう。
◆パーソナルスペースを守る方法
- さりげなく後ろに下がり、相手と距離をとる
- 相手には横か斜めから接する
人とのあいだに “境界” をつくる
物理的に距離をとるのが難しければ、相手とのあいだに物を置きましょう。自分のスペースと相手のスペースとを区切ることで、心理的な距離が生まれます。
たとえば職場だと、デスクの配置が固定されていることが多く、隣の人との距離を変えるのは難しいですよね。そんなときは隣とのあいだに、置き物やペン立て、ファイルラックなどを置いてみましょう。“境界” が生まれ、安心できますよ。
◆境界をつくる方法
- デスクの端にラックを置く(職場)
- 相手とのあいだにグラスやメニューを立てる(飲食店)
- 相手とのあいだに荷物を置く(ソファー)
「わかってほしい」を手放す
HSPの割合は、5人に1人程度。自分の感覚を周囲に理解してもらえず、歯がゆいことも多いはずです。
「自分を理解してほしい!」という思いが強いほど、「なんで理解してくれないの?」という失望や怒りが大きくなってしまいます。そのため、HSP専門カウンセラーの武田友紀氏によれば、「わかってもらいたい」という気持ちを手放すと人間関係が楽になるそうです。
もちろん、相手との意思疎通をやめるわけではありません。「私は○○が嫌だな」「○○をやめてほしいんだけど」と伝えるのはOKです。しかし、それを受け入れるかどうかは相手次第。相手に何かを求めたり期待したりせず、「伝えるだけ」というフラットなスタンスが大切です。
助けすぎない
HSPは思いやりが強く、困っている人を助けずにはいられないもの。同僚が忙しそうにしていると、積極的に手伝うことも多いでしょう。
困っている人に手を差し伸べるのはすばらしいことですが、度が過ぎれば負担が増え、あなた自身が苦しくなってしまいます。「どこまでなら助けるか」と線引きするのが大切です。
同僚の仕事を手伝いたくなったら、
「これは私がやるべき仕事なのかな?」
「手伝えるだけの余力が本当にあるのかな?」
と自問しましょう。そして「自分がやるべき仕事でない」「手伝う余裕はない」と判断したら、手伝わない決断をしてください。相手中心ではなく、自分中心に判断することを習慣化しましょう。
プライベートでも同様です。友人から頼み事をされても、なんでも協力する必要はありません。「自分の負担にならない範囲でのみ協力する」というルールを決め、無理な場合は素直に断りましょう。
保険会社に勤めている友人から「ノルマに追われててさ、生命保険に契約してくれない?」と頼まれても、協力の必要はありません。契約料という負担が生じるためです。
「他人にどこまで手を貸すか」と決めておくことで、人に振り回されすぎるのを防げます。「助けてあげたい」という気持ちがなかなか消えないなら、上でご紹介した方法で「心をリセット」しましょう。
◆人を助けるルールの例
- 自分の職務範囲内、かつ余裕があるときだけ(同僚を手伝いたいとき)
- 自分の負担にならない範囲なら(友だちに頼み事をされたとき)
- 基本的には譲るが、どうしても疲れているときは例外(電車で席を譲るとき)
リフレーミングを行なう
HSP気質と付き合っていくには、「リフレーミング」もおすすめです。リフレーミングとは、ネガティブなことを別の角度から見直し、前向きに解釈すること。不安を乗り越えたいときや、自分を否定することをやめたいときに役立ちます。
心理カウンセラーの笹氣健治氏によると、リフレーミングの手順は以下のとおり。
◆嫌な性格をリフレーミングする方法
- 嫌だと思っている性格の特徴を考える
- その特徴のプラス面を考える
- そのプラス面が役立つ場面を考える
◆失敗をリフレーミングする方法
- 失敗する前の自分を弁護する
- 失敗のメリットを考える
- 失敗の意味を長期的な視点で考える
注意すべきなのは、事実は事実として認めること。事実から目をそらしたり、ねじ曲げたりするのはリフレーミングではありません。
仕事でミスしたのに「あれはミスじゃなかった」「ミスしたって大丈夫!」と考えるのは現実逃避であり、誤ったポジティブシンキングです。物事のポジティブな面もネガティブな面も、両方受け止めましょう。
リフレーミングについて、詳しくは「心理学のリフレーミングとは? 効果&練習法をわかりやすく解説!」をお読みください。
HSPを楽しむ
前出のサン氏は、HSPの長所を最大限に享受し、楽しむことをすすめています。HSPの長所のひとつは、感受性の豊かさ。芸術のすばらしさや自然の美しさ、身体を動かすことの楽しさなど、世界にあふれる喜びを人一倍強く感じられるでしょう。
五感を刺激するような楽しみを日常に取り入れれば、リラックスしてストレスを解消できるだけでなく、「HSPでも悪くないな」と自分を肯定することにもつながります。サン氏が挙げた「HSPを楽しむ方法」は、以下のとおりです。
◆HSPを楽しむ方法
- 自然に親しむ
【例】公園を散歩する、山や海に行く、部屋に観葉植物を置く - 身体を動かす
【例】ランニングやスポーツをする、散歩する、泳ぐ - 身体を刺激する
【例】湯舟にゆっくり浸かる、マッサージに行く、ストレッチをする - 動物に触れる
【例】ペットと遊ぶ、動物園に行く、猫カフェに行く - 芸術鑑賞をする
【例】映画を観る、音楽を聴く、美術館に行く - クリエイティブなことをする
【例】絵を描く、楽器を演奏する、文章を書く - 思索・空想にふける
【例】幸福について考える、宇宙の果てに思いを馳せる、タイムマシンの使い道を空想する
心療内科・精神科に行く
ストレスや苦痛があまりに大きいなら、心療内科や精神科の受診も検討してみてください。
前出の西多氏によれば、自分ではHSPだと思っていても「発達障害による感覚過敏」や「社交不安症」などの可能性があるそう。治療が必要な場合もあるので、気になったら「生きづらさを感じるのは、たぶんHSPだからだな」と自己判断せず、お医者さんに相談しましょう。
「HSPあるある」で困っている方は、ご紹介した対策を試してみてください。
「HSPあるある」がわかる本
最後に、「HSPあるある」の話題を読めたり、HSPの対処法を学べたりする本をご紹介しましょう。
『HSPあるある!』
『HSPあるある!』は、HSPならではの体験を描いた4コマ漫画。HSPに悩んでいるという作者自身が主人公となり、苦労話や失敗談がコミカルに描かれます。
- 人と一緒に観劇すると集中できない
- 旅行の計画を完璧に立てたくなる
- 旅先だと寝つきが悪い
- 飲食店で席をなかなか決められない
など、HSPが共感しやすいエピソードが満載です。癒やしや勇気をもらえるはずですから、ぜひ手に取ってみてください。
『コミックエッセイ 敏感過ぎる自分に困っています』
『コミックエッセイ 敏感過ぎる自分に困っています』は、HSPの概要をマンガで学べる入門書。精神科医の長沼睦雄氏が監修・解説を務めています。
主人公は、広告代理店で働く山本シオリ(25)。繊細かつ内気な性格で、仕事やプライベートでさまざまな苦悩を抱える人物です。シオリの目線で、HSPの感じ方・考え方がわかりやすく描かれます。
『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』
心理療法士のイルセ・サン氏が、専門知識や経験に基づいてHSPを解説する『鈍感な世界に生きる 敏感な人たち』。HSPについて深く学びたい方にイチ推しです。
HSPの「生きづらさ」を緩和できる方法が多数紹介されています。ストレスやトラブルへの対処法だけでなく、HSPを長所として活かすための極意も学べますよ。
『敏感すぎるあなたがうまく話せる本 今日からスーッとラクになる』
前出の精神科医・長沼睦雄氏による『敏感すぎるあなたがうまく話せる本 今日からスーッとラクになる』。HSPがコミュニケーションにおける苦手意識を改善することに役立ちます。なるべく緊張せず会話するための方法が詳しくわかりますよ。
- 浮かんだ言葉をそのまま話す
- 相づちのバリエーションを増やす
- 聞きたくない言葉は “知らんぷり” する
- 相手との共通点から話題を探す
- 全員に好かれようとしない
など、会話が苦手でも実践しやすい具体的なテクニックが満載です。
「雑談がうまくできない……」
「親しくない人とは、何を話していいかわからない……」
そんな悩みを克服したい方は、ぜひ参考にしてみましょう。
「自分はHSPだろうなあ」という方は、ご紹介してきた本をぜひ手に取ってみてください。「HSPあるある」がよくわかり、仕事や日常でのストレスが和らぐのではないでしょうか。
***
「HSPあるある」や、それぞれへの対処法をご紹介しました。繊細な気質と付き合っていく指針として、ぜひお役立てください。
(参考)
イルセ・サン 著, 枇谷玲子 訳(2016), 『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』, ディスカヴァー・トゥエンティワン.
The Highly Sensitive Person|How Do You Recognize an HSP?
ひだまりこころクリニック|HSP気質の方の特徴と抱える悩み
ダイヤモンド・オンライン|【無神経な人に傷つけられないために】「自分より他人のことが気になって仕方がない!」が今すぐやめられる心のリセット法
ダ・ヴィンチニュース|共感しすぎて疲労困憊、空気読みすぎでパニック…社会不適合なダメ人間だと思った私は、HSPだった!
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大学で哲学を専攻し、人文科学系の読書経験が豊富。特に心理学や脳科学分野での執筆を得意としており、200本以上の執筆実績をもつ。幅広いリサーチ経験から記憶術・文章術のノウハウを獲得。「読者の知的好奇心を刺激できるライター」をモットーに、教養を広げるよう努めている。