
「今日こそやろうと思ってたのに……」
仕事のあと、「英単語を覚える」「資格試験のテキストを読む」と決めていたはずなのに、気づけばSNSをスクロールしている。やる気がないわけじゃない。でも、1日が終わってしまう――。
じつは、「やると決めたことが実行できない」のは、意志力の問題ではなく、行動の仕組みを整えていないからかもしれません。
そこで役立つのが、「If-thenプランニング」です。
このシンプルな手法を活用し、さらに「行動定着ノート」を組み合わせることで、「やるつもりだったのに…」を確実に「やった!」に変える方法を紹介します。
- やりたいことが自然にできる「If-thenプランニング」とは?
- If-thenプランニングを確実に実行するための「行動定着ノート術」
- 実際にIf-thenプランニングを試してみて
- よくある質問(FAQ)
やりたいことが自然にできる「If-thenプランニング」とは?

「やるべきことはわかっているのに、なかなか行動に移せない……」
そんなときに試してほしいのが、「If-thenプランニング」です。
If-thenプランニングとは、社会心理学者のHeidi Grant Halvorson氏が考案した行動の動機づけ手法。著書『やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学』のなかで紹介され、日本でも広く知られています。
方法はいたって簡単。やりたい行動を「いつ」「どこで」行なうのかを決めておくだけです。*1
たとえば、以下のようなイメージです。
If-thenプランニングで行動できるようになる理由
なぜIf-thenプランニングが、タスクの先延ばし防止に効果的なのでしょうか。
それは、意思決定のエネルギーを節約でき、実際の行動に集中できるからです。
Heidi Grant Halvorson氏は以下のように述べています。
私たちが迷うのは、難しい判断をするために意志力が必要になった時である。
そして条件付けによる計画は、意志力にかかる負担を大幅に減らしてくれる。
(中略)
事実、この方法を使うと、目標達成の確率と生産性が平均で200~300%も向上することが、200件を超える研究で明らかになっているのだ。*1

タスクを抱えていると、「あれもこれもやらなくちゃ」「いつやろうかな」など、さまざまな思いが頭を駆け巡ります。
しかし、「この状況になったら、この行動をする」と事前に決めておくことで、余計な思考をカットでき、目の前のタスクに集中できるようになるのです。
また、メンタルコーチの大平信孝氏も、「同じ場所で同じことを行う習慣」は心理学で「アンカリング」と呼ばれ、集中力を高めるうえで効果的であると述べています。*2
If-thenプランニングがタスクへの集中力と実行力を高める方法であることは、科学的にも裏付けられているのです。
とはいえ、せっかくIf-thenプランニングを設定しても、日々の忙しさに追われていつの間にか忘れてしまった……ということもありますよね。
習慣化するまでは、ノートなどに記録しながら運用するのがおすすめです。次項では、If-thenプランニングを確実に実行するための「行動定着ノート術」を紹介します。
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If-thenプランニングを確実に実行するための「行動定着ノート術」
実際に筆者が実践した様子と合わせて、ノートの作成方法を紹介します。
ノートの構成
If-thenプランニングのためのノートを一冊用意し、以下の内容を記録していきます。
- 週間プランニング(毎週の計画)
- デイリーログ(実行記録)
- 週末の振り返り(週ごとの改善点を整理)
1. 週間プランニング(毎週月曜 or 日曜に記入)
ここに実行したいIf-thenプランを記入します。
画像のように、【If(状況)】【Then(行動)】だけでなく、【実行の工夫】【リマインダー】についても書きます(どちらかのみでもOK)。
このひと工夫で、忘れずに行動できるようになり、習慣化につながります。

2. デイリーログ(毎日記録)
If-thenプランニングをどの程度実行できたか記録し、成功・失敗のパターンを把握していきます。
画像のように、【日付】【実行できたかチェック】【気づきのメモ】を記入します。
気づきのメモを書くことで、作成したIf-thenプランが自分に合っているのかをチェックし、改善することができます。

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3. 週末の振り返り(毎週末に記入)
一週間の実践を振り返り、次週のIf-thenプランニングを改善します。
画像のように、【期間】【各If-thenプランの達成率】【うまくいったプラン】【うまくいかなかったプラン・改善ポイント】を記入します。
合わせて、来週分の週間プランニングページも記入してしまうとスムーズです。

ここまで書き終わった状態が、以下の画像です。

実際にIf-thenプランニングを試してみて
If-thenプランニングを設定すると、「この時間にはこの行動をする」ということがはっきりするため、迷いなく行動できる点が大きな魅力です。
実際に筆者も、3つのタスクを自然に日常へ取り入れることができました。
ただ、やはり始める前に設定したIf-thenプランニングは、現実に即していない部分があることにも気づきました。
たとえば、筆者は買い置きがないと朝食をスキップするのですが、そのことを忘れてIfに「朝ごはんのあと」を設定してしまうというミスをしていました。
こういう小さな部分でつまづき、そのまま中断してしまうのはよくあること。しかし、ノートに記録していたことで「このIfは自分には合っていなかったんだ」とすぐに軌道修正できました。
If-thenプランニングが軌道に乗るまでノートに記録し続けることで、確実に習慣化につながるはずです。
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「やるつもりだったのに…」をなくすには、意志力に頼らず、行動の仕組みを整えることが大切です。
If-thenプランニングと行動定着ノートを活用すれば、やるべきことが自然と実行できるようになります。今日から、行動を変えてみませんか?
よくある質問(FAQ)
Q1. If-thenプランニングとは何ですか?
If-thenプランニングとは、「もしXが起きたら(If)、Yをする(Then)」と、行動を起こす条件と内容を事前に決めておく手法です。社会心理学者のHeidi Grant Halvorson氏が提唱し、200件以上の研究で目標達成率が2〜3倍に向上することが確認されています。
Q2. If-thenプランニングを続けるコツはありますか?
ノートに「週間プランニング」「デイリーログ」「週末の振り返り」を記録する「行動定着ノート術」がおすすめです。記録することで、設定したプランが自分の生活に合っているかを検証し、合わない場合はすぐに修正できます。習慣として定着するまでは、書いて可視化することが大きな助けになります。
Q3. If-thenプランニングを設定しても実行できないのはなぜですか?
「If(条件)」の部分が、自分の生活リズムに合っていない可能性があります。たとえば毎日発生しない状況をIfに設定してしまうと、行動のきっかけ自体が生まれません。Ifには「通勤電車に乗ったら」「昼休みになったら」など、毎日確実に起こる状況を設定するのがポイントです。
*1 ハーバード・ビジネス・レビュー|どうしてもやる気が出ないとき、自分を動かす3つの方法
*2 PHPオンライン|専門家が教える「先延ばしする人」「すぐやる人」で分かれる脳の使い方
柴田香織
大学では心理学を専攻。常に独学で新しいことの学習にチャレンジしており、現在はIllustratorや中国語を勉強中。効率的な勉強法やノート術を日々実践しており、実際に高校3年分の日本史・世界史・地理の学び直しを1年間で完了した。自分で試して検証する実践報告記事が得意。