本当に強烈に覚えられる! 世界記憶力グランドマスター推奨「記憶ノート」をつくってみた

「記憶ノート」をやってみた01

英単語や歴史上の人物、化学式など、勉強には「暗記」が欠かせません。なかには集中して暗記するために単語帳を買ったり、自分で単語ノートを作成したりする人もいることでしょう。

しかし、あなたがもしこれまでの単語帳になんらかの覚えにくさを感じているなら、世界記憶力グランドマスターや東大生が実践していた “ひと手間” を加えるとよいかもしれません。この記事では筆者の実践例とともに、覚えたいものを効率よく覚えられるノート術をご紹介します。

イメージで覚える「記憶ノート」が効果的な理由

その “ひと手間” とは、「イメージ(=絵)を描く」こと。世界記憶力グランドマスターの青木健氏は、スムーズに暗記できる・試験本番ですばやく解答できるというふたつの効果が期待できる勉強法として、単語とイメージをセットにした記憶ノートを作成することをすすめています。

脳研究の第一人者で自然科学研究機構生理学研究所教授の柿木隆介氏によれば、記憶にはそもそも、数時間~数日単位で消えていく「短期記憶」と、それよりも長いあいだ記憶に残る「長期記憶」の2種類があるそう。そして覚えたいものを短期記憶から長期記憶へ移行させるには、その情報を脳に重要だと認識させたり、強烈な印象を植えつけたりする必要があると言います。

青木氏も柿木氏と同様の考えを説いており、脳にこれらのインパクトを与える手段として、絵や映像などのイメージで覚えるとよいと述べます。絵や映像を思い描くには、まず覚えたい物事の意味や仕組みなどの理解が必要。その過程を経ることで、脳に重要な情報だとスムーズに認識させることができるのです。

そこで実際に青木氏が暗記する際に作成していたのが記憶ノートです。青木氏いわく、記憶ノートは漢字や化学式、歴史上の人物などさまざまな分野に活用できるそうで、『マンガでわかる 現役東大生が実践していた! 東大を攻める7つの勉強習慣』の共著者であるmosso氏も、受験勉強の一環としてイメージで覚える記憶ノートを作成していたとのこと。スムーズに暗記できるだけでなく、絵を描くことによって勉強が楽しくなったそうですよ。

「記憶ノート」をやってみた02

イメージで覚える「記憶ノート」のつくり方

青木氏とmosso氏が実践していた記憶ノートのつくり方をまとめてみると、次のとおりになります。

  1. ノートの片ページ真んなかに縦線を引く
  2. 縦線で区切った左側のエリアに覚えたいものを書く
  3. 右側に覚えたいもののイメージ(絵)を描く

イメージは自分がわかればいいので、つたない絵でかまいません。それでも難しければ、記号でもよいそう。これら3つが書けたら、横線を引いて区切り、次の単語へ。こうして、「覚えたいもの」と「覚えたいもののイメージ」をセットで書いていくのです。

また青木氏いわく、多少ならノートの使い方を変えても問題ないとのこと。そこで筆者は、ページ左上へテーマも一緒に書く構成にしました。結果として、記憶ノートの見開き1面は下記のようなレイアウトになります。

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記憶ノートを作成できたら、定期的に見直すことが必要不可欠です。枕元に置いて寝る前に見返す、かばんに入れて移動中に見るなど、反復して覚えることが長期記憶への移行をいっそう後押しすると青木氏は説きます。また自身の体験から、具体的なタイミングとしては次の3回が効果的だそうです。

  • 1回目:24時間以内に復習
  • 2回目:1回目の2~3日後に復習
  • 3回目:1回目の約7日後に復習

最低3回の復習をして、重要度の高いものや覚えにくいものについては4回以上の復習を行ないましょう。

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「記憶ノート」を実際につくってみた

筆者は今回、一般用医薬品にかかわる資格を取得する「登録販売者試験」で出題される漢方薬の名前を覚えるために、イメージで覚える記憶ノートを実践してみました。その様子は次のとおり。各キャラクターが、漢方薬が効く症状(発熱・腹痛など)を表現しています。

「記憶ノート」をやってみた05

ノートは大きめサイズのA4普通横罫(7mm×35行)を使用しました。理由はふたつ。ひとつは、漢方薬の名前は漢字の羅列で見にくく、太字のサインペンで大きい文字で書きたかったため。もうひとつは、絵を描き慣れていないのでイメージを描くスペースをできるだけ大きく確保したかったためです。

筆者は左ページで漢方薬を覚え、右ページで漢方薬の材料を覚えることで両者をひもづけて記憶しました。たとえば右ページの上から3番目の「カンゾウ」は、抗ウイルス作用などをもつ生薬で、左ページの漢方薬すべてに使われているため、試験でも頻出単語です。また、筆者は絵を描き慣れていないので次の工夫でカバーしました。

  • 左上にテーマを書く際に、イメージカラーを決める
  • 絵で表現しきれない部分は、効果音や漫画の吹き出し風に単語を書いて補足
  • できる範囲で色づけをする

たとえば、風邪に使う漢方のイメージカラーはピンク色にして、絵の輪郭をピンクで縁取りすることで印象づけるようにしました。さらに、漢方薬は体質によって適するものが異なるので、「虚弱体質=三角顔」「普通体質=丸顔」というように、顔の輪郭を区別して記号化させています。そうすることで、桂枝湯という名前を見たときに「ピンクの三角顔だから虚弱体質の風邪薬」と瞬時にイメージできるようにしました。

また「風邪の初期」を絵で表現することは難しいので、キャラクターがしゃべっているように漫画風の吹き出しで「初期」とだけ書きました。色づけはニンジンのオレンジ色を塗るといった、蛍光ペンでできる簡単な範囲だけ補足して行なっています。

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「記憶ノート」を実践したら、スムーズに覚えられた!

イメージで覚える記憶ノートは、覚えたい言葉のみをただ並べて書く単語ノートに比べると作成に時間がかかります。筆者の場合、1日10個程度の単語のイメージを作成するのに20分ほどかかりました。しかし一度ノートにイメージを描いたものは記憶に残りやすく、効率的に勉強できると感じました。

記憶ノートでスムーズに覚えられた要因にはふたつあると考えています。ひとつは、イメージ化に時間がかかるため必然的に1日あたりに覚える単語の量が少なくなること。もうひとつは、イメージ化によって単語の意味を深く理解できたことです。そして、これまで作成してきた単語ノートがいかに書き写すだけの単調な作業にとどまっていたのかを痛感しました。

1日あたりに覚えられる量は少ない、イメージを描くのに時間がかかると言うと、遠回りな勉強法に思えるかもしれません。しかし、「単語帳を何度見ても覚えられない」「意味を理解していないから結局テキストを読み返すことになる」といった手間がかからないので、総合的には勉強時間が増えることなく、むしろ効率的かつストレスなく暗記できたと感じています。

まれにですが、復習1回目は覚えていたのに2~3回目は忘れてしまっているものもありました。青木氏いわく、これらはイメージ化が不十分なので再度理解を深める必要があるとのこと。これまでの単語帳を使った暗記では、2~3回見直しただけではどれが弱点か把握できていなかったことも多かったので、こうしてすぐに弱点を見つけられたのは大きな収穫でした。

記憶ノートを実践する際は、絵を上手に描こうと頑張らないのがコツです。絵を描くこと自体が苦痛になったり、時間がかかったりすると続かなくなるので、悩むくらいなら文字で補足しましょう。そして、記憶ノートで覚えたものを実践でもアウトプットできるように、過去問とセットで使うとより効果的ですよ。筆者の場合は1回目の復習は記憶ノートだけを徹底的に読み直し、2回目からは記憶ノートの確認に加えて過去問をセットで解きました。これにより、2~3週間後も長期記憶として残り、試験を想定した模擬試験でも高得点を出すことができました。

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一見遠回りなようで効率的に記憶できる記憶ノートを、みなさんもぜひ試してみてくださいね。

文/かのえかな

(参考)
TECH+|脳科学者に聞く - 記憶と脳をめぐる10の真実(前編)
青木健 (2020), 『記憶力日本チャンピオンの 超効率 すごい記憶術』, 総合法令出版.
東大まんがくらぶ (2020), 『マンガでわかる 現役東大生が実践していた! 東大を攻める7つの勉強習慣』, 講談社.

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