「やっぱり、朝活したほうがいいのかな」。朝活のメリットを目にするたびにそう思い、早起きに挑戦してみる。でも、無理に起きても頭がぼんやりして、かえってその日1日が台無しになってしまう。
これは、夜型の人によくある悩みです。じつは、夜型の人が無理に「朝活」をしても、逆効果になることがわかっています。
朝活で得られるメリットを夜型の人が得るには、夜型ならではの工夫が必要です。今回は、夜型の人が朝活すると逆効果である理由と、夜型でも「朝活のメリット」を手に入れる方法を紹介します。
夜型の人が朝活すると逆効果である理由
朝活が効果的なのは事実
はじめに断っておきたいのは、朝活そのものを否定したいわけではないということです。実際、朝活には以下のような多くのメリットがあります。
朝活のメリット
・電話やチャットの割り込みが少なく、自分の仕事に集中できる
・毎日同じ時刻に起きることで、生活リズムや体内時計が整う
・一日を「達成感」からスタートできるので、心に余裕が生まれる
実際に、早起きを習慣にして成果を出している人がいるのも事実です。ただし、それは「朝型・昼型」の人にとっての話です。「夜型」の人が同じように真似をしても、逆効果になってしまうケースが多いのです。
「いつ調子が出るか」は体質で決まっている
じつは、「どの時間帯に頭が冴えるか」は、体質によってあらかじめ決まっている部分が大きいのです。ある研究では、朝型・夜型の違いに関わる体質の要因が、遺伝子のなかに数多く見つかっており、体内時計のタイプには、生まれ持った体質が影響している部分もあるといわれています。*1
「夜型」なのは、なまけているせいではありません。生まれ持った体質が関わっています。それなのに、無理に朝活をしようとすれば、体に負担がかかるのは当然です。

そもそも朝活をしたかったのはなぜでしょう? 「時間を有効活用したい」「もっとメリハリのある生活がしたい」という気持ちがあったからかもしれません。その願いは、朝活をしなくても叶えられます。夜型の人には、夜型ならではのやり方があるのです。次から、具体的な実践方法を紹介します。
夜型でも「朝活のメリット」は手に入る!
夜型でも、朝活の3つのメリット、すなわち「生産性の向上」「生活リズムの安定」「心の余裕と達成感」は、工夫次第で手に入れることができます。具体的なアクションを見ていきます。
【生産性の向上】 夕方〜夜に「最重要タスク」をやる
夜型の人は、夕方から夜にかけて集中力が高まりやすい傾向があります。実際に、朝型と夜型のボランティアを対象にした実験でも、時間帯によって認知パフォーマンスの現れ方が異なり、夜型は夜の時間帯にパフォーマンスが高まる傾向がみられたと報告されています。*2
であれば、もっとも集中できるこの時間帯に「頭を使う重要な仕事」をすればいいのです。逆に、集中力が上がりにくい午前中は、メール返信やルーティンワークなど、頭を使わなくてもできる作業をするのがおすすめです。自分の調子にあわせて「オリジナルの時間割」をつくれば、生産性は格段にアップします。

【生活リズムの安定】 「毎日の起床時刻」を固定する
「生活リズムの安定」は、「毎日同じ時刻に起きること」によって得られます。無理をして日の出とともに起きる必要はないのです。起きる時間を固定できていれば、自分に合った起床時刻が10時や11時でもかまいません。
そして、起きたらすぐにカーテンを開けて、光を浴びてください。朝日でなく、昼の太陽の光でいいのです。そうすることで、体内時計がその時刻を「一日の始まり」として認識しやすくなります。無理に早朝に起きなくても、決まった時間に起きるだけで生活リズムは十分に整います。
【心の余裕と達成感】 夜のうちに翌日の準備を終えて「先取り」する
「世の中が動き出す前に、やるべきことを終えられた」という優越感や心の余裕を感じられるのが、朝活のメリットです。夜型の人が動き始める頃には、まわりの人はすでに活動しているため、「この余裕は朝活しない限り永遠に手に入らない」と思い込んでしまいがちですが、果たして本当にそうでしょうか?
準備を必ず「朝」にやらなければいけないルールはありません。朝活が「その日のうちにやりたいことを、朝に先取りでやる」ものだとすれば、夜型の人は「次の日にやりたいことを、夜に先取りでやる」だけで、同じメリットが得られます。
一般的には「夜にいろいろやるなんて無理!」と思われがちですが、夜型の人にとっては「夜なら余裕」と感じられますよね。「明日やるべきこと」を夜のうちに終わらせておけば、翌朝は余裕をもって一日をスタートできます。
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無理に早起きをしなくても、「朝活のメリット」は十分に手に入ります。「夜型」という自分の強みを活かして、あなたにとって最高の1日をつくっていってください。
よくある質問(FAQ)
Q. 朝型・夜型は、どうやって判断すればいいのでしょうか?
Q. クロノタイプは、努力次第で変えられますか?
Q. 早起きしなくても、生活リズムを整えることはできますか?
Q. あきらかな不眠や過眠が続く場合も、体質の問題だと考えていいのでしょうか?
*1: Nature Communications|Genome-wide association analyses of chronotype in 697,828 individuals provides insights into circadian rhythms(Jones, S. E. et al., 2019, 10, 343)
*2: Sports Medicine - Open|The effects of time of day and chronotype on cognitive and physical performance in healthy volunteers(Facer-Childs, E. R., Boiling, S., & Balanos, G. M., 2018, 4, 47)
柴田香織
大学では心理学を専攻。常に独学で新しいことの学習にチャレンジしており、現在はIllustratorや中国語を勉強中。効率的な勉強法やノート術を日々実践しており、実際に高校3年分の日本史・世界史・地理の学び直しを1年間で完了した。自分で試して検証する実践報告記事が得意。