フリーランス&副業サラリーマン必見! 成果を生む時間管理の王道手法

「時間管理のマトリクス」に自分の時間の使い方を割り振ったもの

近年、働き方が大きく多様化しています。フリーランスや個人事業主として独立する人が増え、副業を始める会社員も珍しくありません。

しかし、この働き方の変化にともなって、多くの人が直面する課題があります。それは「時間管理の方法」です。

会社勤めのサラリーマンとフリーランスでは、時間の使い方に対する権限と責任が根本的に異なります。そこで今回は、この違いに着目して、フリーランスや個人事業主にとって効果的な時間管理術をご紹介していきます。

サラリーマンとフリーランスの時間管理の違い

まず、サラリーマン時代、多くの人がこんな経験をしているはずです。

「急ぎの仕事に追われて、今日も "本当に大事なこと" ができなかった」

しかし、フリーランスになったいま、この悩みをそのままにしておくわけにはいきません。なぜなら――

時間の使い方を決める権限と、成果に対する責任が、すべて自分にあるからです。

サラリーマン時代は上司の指示に従うのが当たり前でしたが、フリーランスでは自分で優先順位を判断しなければなりません。そして、その判断の結果が直接収入に影響します。

かつて、第34代アメリカ大統領であるドワイト・D・アイゼンハワー氏はこう語りました。*1

私は緊急なものと重要なもの、2 種類の問題を抱えている。
緊急なものは重要ではなく、重要なものは決して緊急ではない。

フリーランスの多くが抱える悩みは、まさにこれです。

「クライアントの急ぎ案件に追われて、事業成長につながる重要な仕事ができない」

アイゼンハワー氏の言葉と、上記の悩みを見比べると、ある事実が浮かび上がってきます。フリーランスの成果の差は――

忙しさが原因ではなく、時間の使い方を決める判断基準の違いが原因かもしれません。

「また大事なことができなかった!」と嘆くフリーランス

つまり結果を出せないフリーランスは、目先の急ぎ案件に時間を奪われること、そして長期的に価値ある仕事を後回しにすることを、自ら決断してしまっているのです。

一方で、成功するフリーランスは、権限と責任を活かして戦略的に時間を使います。だからこそ後回しにされやすい「緊急じゃないが重要な仕事」に時間と労力を注ぐのです。

「緊急性」が判断力を狂わせる

人は「緊急」に見えるものを優先してしまう傾向があります。

たとえば、重要な提案書作成よりも、クライアントに頼まれた「すぐ直してほしい資料」を優先してしまう――といった状況です。

Journal of Consumer Research(消費者研究ジャーナル)に掲載された研究では、客観的によりよい選択肢(報酬が高いタスク)があっても、緊急性があるだけで報酬が低いタスクを選んでしまう人間のクセが明らかになりました。*2

たとえ緊急に見えても、そこで「待った」をかけて何をすべきか冷静に判断できれば、私たちはもっと結果を出していけるかもしれません。

事実、リーダーシップ研究の権威にして、世界的ベストセラー『7つの習慣』の著者であるスティーブン・R・コヴィー氏は、緊急ではないが重要なことに時間を投資すべきと説いています。*3

「第2領域」は効果性の源泉

「時間管理のマトリクス」を目にしたことがあるビジネスパーソンは多いでしょう。冒頭で紹介したアイゼンハワー大統領の言葉を元に、コヴィー氏が体系化したものです。*1

「時間管理のマトリクス」のなかには、「効果性」と呼ばれる領域があります。図右上の「第2領域緊急ではないが重要なこと」です。

この場所がそう呼ばれる理由は、後々大きなリターンをもたらすからだといいます。*4

時間管理のマトリクス

図の参考 *3

それなのに、この第2領域は後回しにされるケースが多いのです。*4

なぜならば、私たちはいつも第1領域や第3領域――つまり最重要課題や緊急事案に追われ、それだけで疲れてしまっているから。そうなると今度は集中することを避け、第4領域の無意味な時間消費に逃げ込んでしまいます。*3

結果、第2領域に割く時間はどんどん減っていくばかり……。

その悪循環を断ち切ってくれるのが、「優先しなくてもいい課題」を減らすこと。そして「第2領域」への投資を増やし、「最重要課題」を減らすという視点の転換。つまり先駆けて行動し、焦って重要なことに取り組む状況をなくしてしまう発想です。

とはいえ――

その理屈ってけっこう当たり前……。それができるなら苦労はありません。いったいどうしたらよいのでしょう?

実践方法:第2領域の時間を守る3ステップ

そこで参考にしたいのが、株式会社ジェイック シニアマネージャー・講師の宮本靖之氏が紹介している方法です。

この方法の注目すべきポイントはこちら。

 
 

時間の使い方を見える化して、逆から減らす

筆者の実践を交えて、具体的な方法を見ていきましょう。

ステップ1: 時間の使い方を「見える化」

まずは先の「時間管理のマトリクス」に、自分の時間の使い方を割り振り、見える化してみます。以下は1週間分を想定しています。

「時間管理のマトリクス」に自分の時間の使い方を割り振ったもの

ステップ2: やらない「ルール」

宮本氏によれば、本当に大事な仕事に時間を割くために洗い出すべきは、単なる急ぎ案件(第3領域)と無意味な時間消費(第4領域)です。*3

前章で洗い出しているので、今度はこれらを「やらないためにどうするか」を決めることが必要です。

たとえば――

  • SNSチェック→「通知をオフにする」→「決まった時間にまとめて確認する」
  • 突発的な資料探し→「事前に整理する」→「よく使う資料をフォルダ分けしておく」
  • 完璧主義による手直し→「80%で一度止める」→「重要度に応じて完成度を調整する」

といった具合。これをマニュアル化してしまいます。

ステップ3: 最重要課題を減らす

前ステップで「時間管理のマトリクス」の下段を削減できました。よって、今度は上段の整備です。

最終目的は「効果性の領域=第2領域」に集中できる時間を増やすこと。

つまり最後のステップでは、緊急かつ重要な最重要課題=第1領域の活動を減らします

たとえば――

  • 「クライアント対応」が第1領域にあるのなら、先駆けて「問い合わせ内容のFAQ化・テンプレ整備」をしておく
  • 「クレーム対応」が第1領域にあるのなら、先駆けて「よくあるトラブルの原因分析と事前対策マニュアル化」をしておく
  • 「急ぎの資料作成」が第1領域にあるのなら、先駆けて「定型スライドや図表のストック化」をしておく

といった具合。

こうして考えていくと、先に洗い出していた第2領域の内容も最適化されます。

第2領域が最適化された「時間管理のマトリクス」

つまり成果を出す人は、時間に追われているのではなく、時間を自分で設計しているのです。

「緊急ではないが重要なこと」の第2領域に意識的に時間を投資すれば、「今日も本当に大事なことができなかった」は次第に減っていくでしょう。

***
成果を出す人は、忙しさに流されず「自分の時間を自分で守る」習慣を持っています。まずは、自分の時間の使い方を洗い出すことから始めてみてください。

【ライタープロフィール】
上川万葉

法学部を卒業後、大学院でヨーロッパ近現代史を研究。ドイツ語・チェコ語の学習経験がある。司書と学芸員の資格をもち、大学図書館で10年以上勤務した。特にリサーチや書籍紹介を得意としており、勉強法や働き方にまつわる記事を多く執筆している。

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