“強くてしなやかな心” を身につける4つの方法。「筋トレで明るくなれる」は本当だった!

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「会社に行くのがつらく、毎日が憂鬱だ」
「仕事でミスが多く、自信が持てない」
このように、精神的に参ってしまっているビジネスパーソンも多いのではないでしょうか?

仕事において、嫌なことやつらいことはたしかにつきものです。しかし、同じつらい目にあっても、参ってしまう人とそうでない人がいます。二者にはどのような違いがあるのでしょう

そのカギは、折れない心を持っているかどうか。「折れない心」は、生活の中のちょっとした工夫や心がけでつくることができますよ。その方法を4つご紹介します。

1.「レジリエンス(逆境力)」をつける

「レジリエンス」という言葉をご存知ですか? 逆境や困難、強いストレスに直面したときに、適応する精神力と心理的プロセスのことです。

つらいことがあったり、ストレスを継続的に感じたりしている人は、心が折れやすくなります。「もうだめだ、どうにもならない」と思考停止してしまったり、「何もやる気が起きない」と意欲を失ってしまったりと、マイナス思考が働いてしまうのです。

しかし、そのように困難が降りかかっても、レジリエンスを持っていれば、柔軟な気持ちで対応することができます。埼玉学園大学の小玉正博教授いわく、レジリエンスのある人には次のような特性があるのだそう。

一般的に“心が強い”とイメージするのは、“鋼のような”、“跳ね返す”、“硬い”、“頑丈な”というイメージを持つが、レジリエンスというのは、楽観性のように自分のいる状況に対して前向きに、不安とかそういうものに打ち負けないでしなやかにこなしていく。そういう心の持ちようがレジリエンスだということが、研究の中でだんだんと明らかにされてますね。

(引用元:NHKオンライン|“折れない心”の育て方 ~「レジリエンス」を知っていますか?~ ※太字は筆者が施した)

たとえば、一生懸命準備したプレゼンテーションが、上司からあまり評価されなかったとします。そのとき、「あんなに頑張ったのに、うまくいかないなんて最悪だ」「もうどうしようもない......」など、0か100かで極端に考えて落胆する人は、レジリエンスが低いといえます。

一方でレジリエンスの高い人は、同じことを経験しても、「準備をした過程で自分も成長できた」「改善できる点を上司に相談してみよう」など、客観的に自分を見て柔軟かつポジティブにとらえます。折れない心をつくるのに大切なのは、失敗しないことではなく、マイナスなことが起きても前向きにとらえることなのです。

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2.「瞑想」で心を整える

ストレスがたまっている人には、瞑想がおすすめです。

瞑想には、リラックスストレス軽減の効果に加え、痛みの緩和や、うつ病の再発率を下げる効果などもあるといわれています。アメリカでは精神医学の分野でも注目されており、投薬では改善しきれなかった患者の治療に瞑想が導入されるケースも増えているほどです。

また、こういったストレス軽減以外にもポジティブな効果があります。TEDxKyotoでマインドフルネスに関するスピーチを行なったこともある、妙心寺の住職である川上全龍副氏によると、瞑想をすると脳内の非認知能力を活性化する部分が刺激され、アイデアが浮かぶようになったり、思いやりの気持ちが強くなったりするそう。

川上氏がすすめるのは、自分の感覚と思考に意識を向けて観察する「観察瞑想」です。方法は次の通り。

1. 最初は自身の呼吸に意識を向けます。
2. 呼吸に意識が向けられたら、自身の思考や感覚に意識を向けます。
3. 気づけば、外の音が気になったり、昨日のことを考えていたり、意識が拡散していることでしょう。そうしたらまた、呼吸に注意を向けます。

これを繰り返しましょう。

同氏によると、瞑想初心者にとって、意識や思考を観察するのは難しいのだそう。そのような人は「セルフ・ナレーティング」から始めることをすすめています。

これは、頭をよぎる雑念を、たとえば「いま、自分は昨日の会社での出来事を思い出している」と第三者が読み上げるかのように頭の中でナレーションしていくというもの。続けていれば、観察瞑想ができるようになるそうですよ。ぜひ試してみてくださいね。

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3. 生活に「筋トレ」を取り入れる

最近の研究では、筋トレには精神を安定させる効果があるということがわかっています。『The New York Times』が33件の研究結果を分析したところ、「筋トレにはほぼ例外なく、うつの症状を軽減する」ことが判明したのです。

注目すべきは。実験を開始した時点でうつ病の診断を受けていたかどうかは関係なかったということ。つまり、筋トレをすると、精神的に健康な人であれば落ち込む可能性が低くなり、うつ病を抱えている人であれば症状が軽減するということです。

また、筋トレの量については決まりがなく、週に何回行なったとしても、効果にほとんど差がないのだとか。「これくらいやらなければ意味がない」などの気負いが必要ないので、気軽に始められそうですね!

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4. 自然に触れる

人の脳は、ネガティブな情報ほど残りやすいという厄介な性質を持っています。何も意識せずに毎日を過ごしていると、ネガティブな思考になり、折れやすい心の状態に陥ってしまうのです。

そうならないために、意識的に「幸福感」を高めましょう。幸福感を上げることは、あらゆるパフォーマンスを向上させる鍵となり、自信にもつながりますよ。

この幸福感を高めるのに特に有効なのは、自然に触れることです。学会誌アラバマ大学バーミンガム校・作業療法学科の研究者らが『International Journal of Environmental Health Research』に発表した内容によると、「都市公園」で20分ほど過ごすだけで、「幸福感」が上昇するのだそう。

また、学会誌『Journal of Environmental Psychology』は、集中力が必要な仕事をする際に、植物を置いてある部屋のほうが、置いてない部屋に比べて、疲れを感じづらいという研究結果を発表しています。また、窓の外に緑が見えることでも、同様の効果を得られるのだとか。

窓の外に木や垣根などの植物がある環境の人は、窓際に座ることをおすすめします。それがない場合は、デスクに小さな植物を置くのもよいでしょう。昼休みや休憩時間に公園へ散歩に行くのも、ストレスを軽減させてくれますよ。

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折れない心を作るためには、レジリエンスをつけて、幸福感を高め、瞑想と筋トレをし、自然に触れることがおすすめです。4つの方法をうまく生活に取り入れて、心の折れにくい人になりましょう!

(参考)
NHKオンライン|“折れない心”の育て方 ~「レジリエンス」を知っていますか?~
東洋経済オンライン|激務でも心が折れない人が持つ3つの習慣
RIET|幸福度の高い労働者ほど生産性が高いのか?従業員の健康に関する企業の関心はエビデンスによって大部分が裏付けされている
プレジデントオンライン|発想力をアップさせる「観察瞑想」のやり方
imidas|古来のメソッドにひそむストレス社会を生きるヒント
東洋経済オンライン|不安感が強い人が「筋トレ」に挑むべき理由
Science Direct|Benefits of indoor plants on attention capacity in an office setting
UAB - News|Urban parks could make you happier

【ライタープロフィール】
Yuko
ライター・翻訳家として活動中。科学的に効果のある仕事術・勉強法・メンタルヘルス管理術に関する執筆が得意。脳科学や心理学に関する論文を月に30本以上読み、脳を整え集中力を高める習慣、モチベーションを保つ習慣、時間管理術などを自身の生活に取り入れている。

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