発表やプレゼンで失敗続きで落ち込んでいる人にぜひご紹介したい、相手に確実に好印象を残す、情報の伝え方についてご紹介します。
英国ナンバーワン子供向け番組CBeebiesの伝え方
CBeebiesという、英国の幼児向けチャンネルを知っていますか。6歳以下の幼児を対象として様々な番組を構成し、朝から晩まで放送しているというこのチャンネル。 2002年の放送開始以来、同国の子供向けチャンネルの中で視聴率ナンバーワンを誇り、数々の賞を受賞、世界中でも放送され、人気を博しています。今年の6月から日本でも放送が開始されました。 この番組が子供にとっても親にとっても魅力的である秘訣を、CBeebiesの国際展開の責任者であるヘンリエッタ・ハーフォード・ジョーンズ(Henrietta Hurford-Jones)さんは、「テイクアウト」にあるのだと語ります。
「テイクアウト」とは
テイクアウトとはなんでしょうか。 ヘンリエッタさんは、「テイクアウト」という言葉を次のように用いています。
番組ごとにテーマは違いますが、すべてに共通しているのは、その番組を見た子どもが、何かしら役に立つアイデア・内容を「テイクアウト」できることです。具体的な工作の方法や、数字の知識などに加えて、「新しいことにチャレンジしてみる勇気」「社会には様々な人が生活している」といったアイデアもそうです。そういうポジティブなメッセージを常に発信しています。
[引用元:日経DUAL|英国のNo.1子ども番組が日本上陸。何がスゴい? 子どもを活動的にさせる0〜6歳向け番組「CBeebies」。日本版は英語力アップにも役立つ] つまり、CBeebiesは、子どもが何らかの自分にとってのメリットとなるものを番組から得て、それを自分の住む日常生活の中にお持ち帰り=テイクアウトすることができるように、番組を構成しているんです。その背景には、子供たちに、番組に夢中になってテレビにかじりつくのではなく、番組を見ることによって日常生活を豊かにしていってほしいという願いがあります。 ある情報を伝えることによって、その情報を知った相手の日常生活をより豊かにしたり、新しい発見を持ち帰ってもらったりすること、それこそがただの「メリット」にとどまらない、「テイクアウト」の目的なんです。このテイクアウトは、さまざまな発表やプレゼンといった場面で活かすことができます。
「テイクアウト」を発表に活かす
自分が伝えたい内容を相手に知ってもらいたい、わかってもらいたい、納得してもらいたい、という気持ちで構成するプレゼンや発表。 その時に、ついつい忘れてしまいがちなのが、そのプレゼンに相手にとっての「テイクアウトできる情報」、言い換えれば「メリット」を盛り込むということです。 自分、自社を選んでもらいたいという気持ちから、こちら側の長所や選ぶメリットばかりをアピールしてしまいがちになりますが、そもそもその長所やメリットが、相手のニーズに合っていなかったら意味がありません。 そこで、相手にとって「テイクアウト」したくなるような情報を入れるという訳です。 この場面において相手が「テイクアウト」したくなるような情報とは、相手がもとから欲しいと思っていてアンテナを張っているところにひっかかるような情報です。 そこで、原稿やスライド作成の際に、発表する相手や相手の会社について徹底的に調べます。そのうえで、相手の弱点、相手が求めているところ、埋めてほしいところを探し出します。 そして、その部分を補ってあげられるこちら側からの提案を投げかけます。 「私はこうすごいんです」とアピールするのではなく、「私の持つこういう部分が、あなたの求めるこの点に役に立ちますよ」とアピールするんです。 それはもとからの自分のアピールポイントでなくてもかまいません。自分が見過ごしているところに、相手の求めている利益は眠っているかもしれませんから。
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いかがでしたか。 「テイクアウト」を意識することで、相手に自分の伝える内容についてどれだけ関心を寄せてもらえるかが変わってきます。 相手に自分の伝えたいことがしっかり魅力的に伝わるよう、プレゼンや発表の際に、参考にしていただけると幸いです。
参考 日経DUAL|英国のNo.1子ども番組が日本上陸。何がスゴい? 子どもを活動的にさせる0〜6歳向け番組「CBeebies」。日本版は英語力アップにも役立つ