
プレゼンが苦手で、伝えたいことがうまく伝わらない。もっと余裕をもって話せるようになりたい。こうした悩みを抱えているビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。プレゼンはビジネスで欠かせない要素のひとつです。
じつは、プレゼンのスキルは生まれ持った才能ではなく、「効果的な話し方」や「人の記憶に残る伝え方」を実践することで向上します。
そこで今回は、「プレゼンが上手い人が決してしない3つのこと」をご紹介します。これらを避けるだけでも、あなたの発表力は格段に向上するはずです。
- 【プレゼンのコツ1】専門用語を多用しない
- 【プレゼンのコツ2】事前準備を怠らない
- 【プレゼンのコツ3】一方的な説明をしない
- プレゼンが上手い人が実践する3つのコツ【まとめ】
- プレゼンに関するよくある質問
【プレゼンのコツ1】専門用語を多用しない
いざ自信満々にプレゼンを始めたものの、聴衆の顔が曇り、つまらなそうな表情を浮かべている。理解が追いつかないのか、置いていかれる人が増えているのか、説明を終えても反応は薄く、質問もゼロ。
「伝わっていない」とガッカリしても、焦りが漠然と募るばかり。でも、次のプレゼンでは改善したい。このケース、もしかしたら専門用語を使いすぎているかもしれません。
なぜ専門用語は伝わらないのか
コミュニケーションが成立するには、話し手と聞き手のあいだで「前提となる知識」が共有されている必要があります。専門用語は、その分野に詳しい人同士なら効率的なコミュニケーション手段になりますが、聴衆がその言葉を知らなければ、話の意図がまったく伝わりません。
聴衆に合わせた言葉選びが鉄則
プレゼンの場では、聴衆の知識レベルに合わせて言葉を選ぶことが鉄則です。専門用語を使う場合は、必ず簡潔な説明を添えるか、日常的な言葉に置き換えましょう。
私たちStudyHacker編集部は、27万人以上のフォロワーを抱えるInstagramを運営しています。SNSでは、伝えたい情報を「スワイプで読める10枚のスライド」に凝縮しなければなりません。
そこで痛感するのは、「専門用語をそのまま使うと離脱される」という現実です。専門的な学術知見を伝える際にも、たとえば「メタ認知」と書くより「自分の思考を客観視すること」と言い換えたほうが、圧倒的に反応が良い。これはプレゼンでも同じです。聴衆が「わからない」と感じた瞬間、心は離れていきます。
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【プレゼンのコツ2】事前準備を怠らない
プレゼンの上手な人は、事前準備を綿密に行なっています。こうした準備を行なうことで、「自己効力感」が高まる好循環が生まれます。
自己効力感がプレゼンの成功を左右する
自己効力感とは、心理学者アルバート・バンデューラが提唱した概念で、「ある状況において必要な行動をうまく遂行できる」という自分の能力への確信を指します。バンデューラの研究によれば、この自己効力感を高める最も強力な要因は「達成経験」、つまり実際に成功した体験です。*1
入念な準備は、本番前に「うまくいくイメージ」を具体化し、擬似的な達成経験をもたらします。「自分はできる」という確信が高まれば、不安が軽減され、本番でのパフォーマンス向上につながるのです。
プレゼン準備の5ステップ
以下、プレゼンが上手い人が実践している準備の流れを解説します。
ステップ1:聴衆を分析する
「誰に向けて話すのか?」を想定し、聴衆の知識レベルや興味関心を事前にリサーチします。たとえば、経営者向けなら「数字や成果重視」、新人向けなら「具体的な手順重視」といった方向性を定めるための意図が必要です。
ステップ2:プレゼンのゴールを明確にする
「なにを伝えたいのか?」を明確にし、それをシンプルなメッセージに落とし込みます。たとえば、「今日、皆さんに覚えてほしいことは3つあります」と最初に宣言すると、聴衆の注意を引きやすくなります。
ステップ3:ストーリー構成を考える
単なる情報の羅列ではなく、「問題提起 → 解決策 → 結論」といったストーリーの流れをつくることで、聴衆の関心を引きつけます。
ステップ4:スライドはシンプルにする
認知心理学の研究では、人間の作業記憶には容量の限界があり、一度に処理できる情報量には制約があることがわかっています。*2 スライドに情報を詰め込みすぎると、聴衆は話を聞きながら文字を読むという二重課題を強いられ、どちらも中途半端になってしまいます。スライドには「1枚1メッセージ」を心がけ、画像と短いキーワードの組み合わせを基本にしましょう。
ステップ5:実際に声に出して練習する
プレゼンは「頭のなかでシミュレーションするだけ」では不十分です。口に出して話すことで、スムーズに説明できるか確認し、話すスピードや抑揚を調整しましょう。
このような事前準備をしておくと、たとえ本番で緊張したとしても、自信を持ってプレゼンに臨むことが可能になります。
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【プレゼンのコツ3】一方的な説明をしない
プレゼンが上手い人は、「話す」だけの場ではなく、聴衆とコミュニケーションを取る場だと認識しています。だからこそ、一方的な説明はしないのです。プレゼンが上手い人ほど「対話」を重視しています。
聴衆を巻き込む「対話型プレゼン」の3つの工夫
ここでは、プレゼンを一方通行にしないためのテクニックをご紹介します。
工夫1:問いかけで相手を巻き込む
「このグラフは 〜 です」ではなく、「このグラフを見て、みなさんはどんなことを感じますか?」と質問を投げかけることで、一方的な説明にならないプレゼンになります。
工夫2:聴衆の反応を見て調整する
退屈そうなら「ここで少し、皆さんの意見を聞いてみましょう」と方針を切り替えます。実際に考えてもらうことで能動的な参加を引き出せます。
工夫3:参加型の工夫を取り入れる
「3人組で1分間ディスカッション」や「スマホで簡単なアンケート投票」など、グループワークやミニディスカッションを取り入れることで、聴衆の集中力と参加意欲を高められます。
「対話型プレゼン」テクニックを取り入れると、会場の空気も熱気を帯び聴衆の関与度がぐっと大きく変わりますので、ぜひ練習の段階から取り入れてみてください。

プレゼンが上手い人が実践する3つのコツ【まとめ】
プレゼンの改善ポイント
・専門用語の多用 → 相手・場面に合わせて用語を使い分ける
・事前準備の怠り → プレゼンの流れを何度もシミュレーションする
・一方的な説明 → 聴衆を巻き込む対話を取り入れる
プレゼンは「話すスキル」だけではなく、科学的に裏付けられた方法を取り入れることで、誰でも上達することができます。
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本記事では「プレゼンが上手い人が決してしないこと」をご紹介しました。大事なのは「伝えたい!」という想いからの実践的な行動です。まずは相手に分かりやすく「伝える」ことを大切にしてみてください。
プレゼンに関するよくある質問
Q. プレゼンが苦手な人でも上達できますか?
はい、上達できます。プレゼンスキルは生まれ持った才能ではなく、練習と準備で向上します。本記事で紹介した「専門用語を避ける」「事前準備を徹底する」「対話型にする」という3つのポイントを意識するだけでも、大きく改善できます。
Q. プレゼンの練習は何回くらいすべきですか?
最低でも3回は声に出して通し練習することをおすすめします。1回目で流れを確認し、2回目で時間配分を調整し、3回目で本番を想定したリハーサルを行ないましょう。重要なプレゼンであれば、5回以上の練習が理想的です。
Q. 緊張を和らげる方法はありますか?
事前準備を徹底することが最も効果的です。準備が万全であれば「自分はできる」という自己効力感が高まり、緊張が軽減されます。また、本番前に深呼吸をする、聴衆の中に味方を見つける、「緊張しています」と正直に伝えるなどの方法も有効です。
*1: Bandura, A. (1977). Self-efficacy: Toward a unifying theory of behavioral change. Psychological Review, 84(2), 191-215.
*2: Cowan, N. (2001). The magical number 4 in short-term memory: A reconsideration of mental storage capacity. Behavioral and Brain Sciences, 24(1), 87-114.
橋本麻理香
大学では経営学を専攻。13年間の演劇経験から非言語コミュニケーションの知見があり、仕事での信頼関係の構築に役立てている。思考法や勉強法への関心が高く、最近はシステム思考を取り入れ、多角的な視点で仕事や勉強における課題を根本から解決している。