【AI・YouTube】最新の勉強ツールの落とし穴! 知識を確実に身につける「ちょっとしたコツ」3選

PCに向かう女性

オンライン講座や語学アプリ、AIの解説。YouTube、ポッドキャスト、Kindleなど、いつでもどこでも手軽に学べるツールがあふれています。

しかし、こうしたツールを活用しているわりに、「思ったほど身についていない」と感じる場面はないでしょうか。

じつは、こうした便利なツールは、使い方を間違えているとインプットの質が下がってしまうのです。ツールに振り回されず、知識を頭にしっかり焼き付けるには「ちょっとしたコツ」が必要。あなたはそのコツを使えているでしょうか?

倍速再生は知識が身につかない!

YouTubeの解説動画やオンライン講座は、いつでもどこでも体系的に学べて非常に便利ですよね。しかし、もし「タイパのために常に倍速で視聴している」としたら、少し注意が必要かもしれません。じつは、講義動画の再生速度を上げるほど、確認テストの成績が低下するという研究結果があるのです。*1

再生速度を上げれば、たしかに短時間で多くの動画を見られます。しかし、大急ぎで見ても、知識として身につかなければ意味がありませんよね。

とはいえ、忙しいなか勉強時間を捻出している身としては、倍速にして少しでも効率を上げたいのが本音でしょう。そんなときは「1.5倍速」で再生するのがおすすめ。

同研究によると、再生速度が1.5倍速以下であれば、標準速度と比べて確認テストの成績差はほとんど見られませんでした。*1 一方で、2倍速に近づくと成績の低下が明確に現れ始めると指摘されています。

つまり、タイパ=「時間あたりの定着率」を重視したいなら、「1.5倍速」がちょうどい速度といえるのです。

 

まとめ

  • 動画学習するなら「標準速度」が基本。もっとも知識が定着しやすい
  • 急いで見るなら、「1.5倍速まで」に留めるのがおすすめ

書類に書き込む男性

AIのまとめをみるだけはNG!

いま最先端の勉強ツールと言えば、AIですよね。

質問すれば、わからない点をすぐに解説してくれるだけでなく、簡単なテストまでつくってくれます。すでに活用している読者の方も多いでしょう。

しかし、もし「AIの回答を読んで満足している」としたら、少し注意が必要です。ある研究では、AIを使って調べものをした人は、従来のウェブ検索で調べた人よりも「学べたことが少ない」と回答したことが報告されています。*2

AIの回答は非常にわかりやすく、短時間で要点をつかむには最適です。しかし、検索して情報を比較する手間を省けた分、「自分で情報を取捨選択し、さまざまな角度から内容を吟味するプロセス」が抜け落ちてしまいます。その結果、知識が脳に定着しにくくなってしまうのです。

では、AIを活用して学ぶときはどうすればいいのでしょうか?おすすめなのは、AIの回答を読んだあとに「自分の言葉で簡単にまとめること」です。

STUDY HACKERでも、白紙勉強法など「学んだあとに自分の言葉でアウトプットすると記憶に定着する」というノウハウを何度もお伝えしてきました。この本質は、最新のAI学習であっても変わりません。

AIですばやく概要をつかむ。そのあと、自分の言葉で整理して記憶に定着させる。これがいま、もっともタイパのいい学び方です。

 

まとめ

  • AIは短時間で概要を把握するのに最適だが、受動的になりやすいため記憶には残りにくい
  • AIの回答を読んだら、最後に「自分の言葉でまとめる」ことで知識が定着する

本棚の背表紙

ブックマークしただけで「勉強した気」になってしまう!

解説動画やお役立ち情報のポストも、勉強するうえでたいへん助かるツールです。どれもこれも役立ちそうで、「見ておかないと損するかも……」と、片っ端からブックマークしている、なんてことはありませんか?(じつは、筆者はこのタイプです)

こんなふうに、ネットサーフィンの延長で気になる情報をブックマークして「あ~頭が良くなる未来しか見えないわ~」なんて満足感を覚えているなら、注意が必要です。じつは、目標に向けた小さな行動を「目標達成への進捗」と脳が受けとると、次の行動が実行されにくくなるという実験結果があるのです。*3

たしかにブックマークは「学ぶための準備」であり、スモールステップの一種と言えます。しかし、あくまで準備であって、実際は何ひとつ学んでいません。それにもかかわらず、脳はブックマークしたこと自体を「勉強の成果」ととらえ、満足感を与えてしまうのです。

この「勉強した錯覚」を防ぐおすすめの解決策が、「ブックマークの上限数を決めておくこと」です。

「英語学習なら10本を上限にブックマークする」と決めておけば、「これらを保存すると12本になるな。じゃあそろそろ2~3本見てしまおう」と、定期的にブックマークを消化するサイクルが生まれます。

その結果、「よさそうなコンテンツをブックマークする」という行動をやめなくても、定期的に視聴して、勉強につなげられるようになるのです。

 

まとめ

  • 教材のブックマークは、脳を「勉強した気」にさせやすい
  • 保存数の上限を決めておくことで、定期的に消化する習慣がつき、実際の学習につながる

***
最新のツールは、効率的な勉強を支える心強い味方です。そこにちょっとした一工夫を加えるだけで、学習効果を大幅に引き上げられますよ。

よくある質問(FAQ)

Q. 倍速視聴はやめたほうがいいのでしょうか?
一律にやめる必要はありません。メタ分析では、1.5倍以下なら成績への影響は小さく、統計的に有意でないことも多いと報告されています。対象は講義動画の学習で、2倍に近づくと影響は無視しにくくなるとも指摘されています。
Q. AIに質問したり要約させたりするのは、使わないほうがいいのでしょうか?
使うこと自体を避ける必要はありません。研究では、AIの回答だけで調べると知識が浅くなりやすいという結果が示されました。題材は専門知識がなくても読める話題でした。答えを受け取ったあとに自分の言葉でまとめ、読むと決めた資料は原典を開く使い分けが考えられます。
Q. ブックマークすること自体が問題なのですか?
ブックマークそのものが問題なのではありません。研究の考え方を当てはめると、保存を「進捗」と受けとった時点で、次の行動が起こりにくくなると考えられます。上限数を決めておくと、保存した教材を見る機会が定期的に生まれます。
Q. 3つとも同時に見直したほうがいいのでしょうか?
一度に変える必要はありません。もっとも当てはまるものをひとつ選び、それが習慣になってから次を試すくらいのペースで進められます。

【ライタープロフィール】
藤真唯

大学では日本古典文学を専攻。現在も古典文学や近代文学を読み勉強中。効率のよい学び方にも関心が高く、日々情報収集に努めている。ライターとしては、仕事術・コミュニケーション術に関する執筆経験が豊富。丁寧なリサーチに基づいて分かりやすく伝えることを得意とする。