
「7回読み」という勉強法があった。名前は聞いたことがあるし、効果もありそうだ。けれど、どんなやり方だったかは、ちゃんとは知らない。一度試してみたものの、いつのまにか忘れていた。
東京大学法学部を首席で卒業した山口真由さんの「7回読み」は、本も出て話題になった勉強法です。名前は知っていても、中身まではよく知らないという人は少なくないかもしれません。
7回読みとは、どんな読み方だったのでしょうか。STUDY HACKERのインタビューで山口さんが話してくれた内容から、その中身を改めて振り返ります。
「7回読み」とは
山口さんは、東京大学法学部を首席で卒業し、大学3年生のときに司法試験に合格しました。財務省や大手法律事務所で働いたあと、ハーバード・ロースクールに留学し、ニューヨーク州弁護士の資格も取っています。現在は信州大学の特任教授です。*1
7回読みは、2014年に出版された山口さんの著書『東大首席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法』で紹介された勉強法で、2017年には大幅に加筆されて文庫にもなっています。*2
やり方はシンプルで、学ぶべき内容が詳しくカバーされた1冊を選び、その1冊を7回繰り返して読みます。山口さんは「記憶は才能ではなく反復と継続によって定着する」と話し、この勉強法で塾に通うことなく大学受験や司法試験に合格したそうです。*3
それにしても、5回でも10回でもなく、なぜ7回なのでしょうか。
7回も読むのに、なぜ「超速」なのか
7回と聞くと、ずいぶん時間がかかりそうに思えます。ところが山口さんによると、7回読みで大事なのは、薄くサラサラと読み流すことを何度も繰り返すことです。*3
7回も読める人が少ないのは、「1回1回をしっかり読もうとしているから」だと山口さんは言います。1回目から隅々まで理解しようとすれば、1冊を読み終えるまでに時間がかかり、途中で止まってしまいます。7回読みでは、1回ごとに求めることを小さくして、そのかわりに回数を重ねます。*3
流し読みが苦手だという人もいるかもしれません。山口さんは、それも訓練しだいで、「読み続けていれば誰でも絶対に速く読めるようになる」と話しています。*3

1回目から7回目まで、何をするのか
7回のそれぞれで何をするのかを見ていきます。7回は、大きく3つの段階に分かれています。
「7回読み」の7回
サーチライト読み 全体の形をつかむ
平読み キーワードと要旨をつかむ
要約読み 頭に定着させる
山口真由さんへのインタビュー(STUDY HACKER)をもとに作成。
1〜3回目 サーチライト読みで、全体の形をつかむ
1回目は、章のタイトルや見出しを拾いながら読みます。文章を1行ずつ読むのではなく、情報が集まっている漢字を拾っていくように流し読みします。2回目も漢字を意識しながら、「3行ずつ斜め読みするイメージ」で読みます。3回目も同じ要領で読み、2回目でつかんだ全体の構造をはっきりさせていきます。*3 この段階では、内容を理解しようとしなくてかまいません。
4〜5回目 平読みで、キーワードと要旨をつかむ
4回目からは、ふつうの速さで読みます。よく出てくるキーワードや、詳しく説明されている用語に注目しますが、4回目でもまだ理解しようとする必要はなく、「この単語がよく出てくるな」と感じ取るだけでいいそうです。5回目は、キーワードとキーワードの間の説明文を意識して読みます。*3
6〜7回目 要約読みで、頭に定着させる
6回目は、具体的な事例など細かい部分を読み、キーワードの意味やキーワードどうしの関係を理解しながら、内容が頭に入っているかを確かめます。7回目は、「ここにはこういうことが書いてあるはず」と先に頭の中で要約し、読みながら答え合わせをする感覚で読みます。*3
この読み方は、仕事でも使えます。山口さんは、大量の本や資料を読んで調べものをするときは、まずサーチライト読みで「探していることはどの本に書いてあるか」を意識しながら、読むべき箇所を見つけていくそうです。*3
いま手元にあるテキストで試すなら、まずは1回目だけをやってみてください。見出しと漢字を拾いながら最後のページまでめくるだけなので、1ページずつ理解しながら読むよりずっと早く終わるはずです。
なぜ7回なのか
7回という回数には、山口さん自身の実感があります。山口さんは「7回読めば大体の内容は頭に入る」と話し、家庭教師をしていたときにも、生徒の様子を見ていて、同じ本を7回読めば内容をある程度覚えられると実感したそうです。*3
7という数字に、研究の裏づけがあるわけではありません。山口さんは「文章の理解力を担保するのは、才能ではなく回数にかかっています」とも話しています。*3 7という回数そのものより、1回で理解しようとせず、回数を重ねて覚えるという考え方をまねすればいいのです。

7回読みを続けるために
とはいえ、同じ本を7回読むのは根気がいりそうです。じつは山口さん自身も、勉強を楽しいと感じているわけではありません。
「じつはわたしには勉強が楽しいという感情はほとんどありません。」
そのかわりに山口さんがしていたのは、勉強を自動化することです。毎日の食事や睡眠の時刻を決め、起きたらすぐに机に向かう習慣をつけていました。その感覚を、山口さんは「毎朝歯磨きができるなら、毎朝机に座ることもできるはずという感覚なのです」と表現しています。*4
また、90分たつと集中力が急に落ちるので、90分を一区切りにしていました。本はいつも持ち歩き、「6分あれば1単元が読める」という考え方で、ちょっとした待ち時間にも本を開いていたそうです。*4 7回読みは1回ごとの負担が小さいので、こうしたすき間の時間にも進めやすい読み方です。
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7回読みと聞くと、根気のいる方法に思えます。けれど実際には、1回ずつを軽くすることで、1冊を最後まで読み切るための方法でした。
明日、手元のテキストを、見出しと漢字を拾うだけでいいので、1回目として最後までめくってみませんか?
*1 KAKEN(国立情報学研究所)|研究者をさがす|山口 真由
*2 PHP研究所|東大首席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法
*3 STUDY HACKER|最速で確実に結果がついてくる「7回読み」勉強法——東大首席卒・NY州弁護士 山口真由さんインタビュー【第1回】
*4 STUDY HACKER|学力向上は生活習慣の確立と時間の使い方で勝負が決まる——東大首席卒・NY州弁護士 山口真由さんインタビュー【第2回】
よくある質問(FAQ)
Q. 「7回読み」には、どんな本を選べばいいですか?
Q. 流し読みが苦手で、1回目から内容を読み込んでしまいます。
Q. 7回も読む時間がとれません。
STUDY HACKER 編集部
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