「自分がやらなきゃ」を卒業する。責任感が強い人こそ身につけたい「人に頼る」方法

書類に囲まれる男性

どれだけ効率よく進めても、どれだけ残業しても追いつかない仕事の山。
「誰かに少し巻き取ってもらおうかな……」と思いつつも、「自分の仕事なのに人に押し付けるのは申し訳ない」と、ひとりで抱え込んでいませんか?


責任感が強い人ほど、このように「人に頼ること」をためらいがちです。
しかし、頼む側が思っているよりずっと、人は頼まれることを嫌がらない傾向があると、研究でわかっているのです。

ひとりで抱え込まず、少しずつ人に頼る練習を始めてみませんか?
今回は、意外と人に頼っても大丈夫な理由と、無理なく頼れるようになるためのステップをご紹介します。

「責任感の強い人」にこそ、人を頼ってもらいたい理由

「一度引き受けた仕事は、最後までやり通す」——これは、多くのビジネスパーソンが大切にしている姿勢ではないでしょうか。
実際、この姿勢があるからこそ、たしかなスキルが身につき、周囲からの厚い信頼を得られるのは間違いありません。

しかし、ひとりひとりの業務量が増加している現代において、つねに「自分でこなせる範囲」の仕事だけが降ってくるとは限りません。
気づいたときには自分の限界を超えてしまい、納期の遅れや体調不良といったトラブルにつながってしまうことも。

「一度引き受けたら、自分でやりきる」という強い責任感は、捨てる必要はありません。
おすすめしたいのは、そこに「自分の許容量と作業量を客観的に見比べ、必要なときは人に頼る」というスキルを足してあげること。
頼る術を覚えるだけで仕事はぐっと進めやすくなり、あなたの本来の強みや誠実さが、より周囲に伝わりやすくなります。

意外とみんな、頼られたがっている!

「ほかの人に仕事を頼んだら、迷惑じゃないかな……」
そう心配になる気持ちはよくわかります。しかし、そこには少し「ネガティブな思い込み(バイアス)」が影響しているかもしれません。

ある研究では、人に頼み事をする側は「頼みを聞き入れてもらえる確率」を、実際よりもかなり低く見積もる傾向があることがわかっています。*1
つまり、「きっと迷惑がられるし、断られるだろう」と勝手に諦めてしまっているケースが多いのです。しかし現実には、想像している以上に引き受けてもらえることの方が多いものなのです。

さらに別の研究でも、頼まれた人は、お願いされたことを迷惑には感じておらず、むしろ「誰かの力になれた」というポジティブな気持ちを抱きやすいことがわかっています。*2

このように、「頼んだら迷惑になる」という不安は、じつは相手の優しさや親切心を少し過小評価してしまっているだけなのかもしれません。

書類を渡す女性

まずはここから! 「頼み上手」になるための3ステップ

「もっと人に頼りましょう」と言われても、戸惑ってしまいますよね。
慣れていないことに挑戦するときは、拍子抜けするくらい小さな一歩から始めるのが一番です。

ここでは、無理なく人に頼れるようになる方法を3ステップで紹介します。

ステップ1

「5分で終わる作業」を頼んでみる

まずは、「このメール、変じゃないか見てもらえる?」など、相手の時間が5分もかからない、ごく小さな作業を頼んでみましょう。

これは仕事そのものを減らすためではなく、「頼んだら、引き受けてもらえた」という成功体験を得ることが目的です。

「意外と大丈夫だ」と感じられれば、少しずつほかのことも頼みやすくなります。

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ステップ2

「ひとつの工程」を頼んでみる

少し慣れてきたら、次は仕事の工程の一部を切り出して頼んでみましょう。

「この部分のデータ入力だけお願いできる?」のように、範囲を明確に限定するのがポイントです。

ほんの一部分だけでも「自分の業務を人に預ける」という経験を積み重ねることで、「人に任せてもちゃんと仕事は回る」と感じられるようになります。

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ステップ3

「ひとつの仕事」をまるごと頼んでみる

ここまでのステップだけでも、ずいぶん楽になったのではないでしょうか?

最後は、ひとつの仕事をまるごと誰かに委ねてみましょう。やり方まで細かく指定するのではなく、目的・概要だけを伝えて、プロセスは相手にお任せするのがポイントです。

仕上がりが自分のイメージと少し違うこともあるでしょう。でも、それで大丈夫。

「自分とは違う視点やアプローチで、無事にゴールに辿り着けた」という経験こそが、抱え込みを手放し、人に頼れるようになるために必要なのですから。

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人に頼ることは、経験を重ねれば誰にでもできるようになります。
できそうなことから試してみてください。抱え込むクセを手放せば、仕事がもっと楽しくなるはずです。

よくある質問(FAQ)

Q. 断られたら立ち直れない気がします
いきなり大きな依頼をするのではなく、5分以内で済む小さな依頼から始めてみましょう。断られたとしても、それはあなたの人格が否定されたわけではなく、相手のそのときの状況やタイミングによるものです。小さな依頼を重ねて「引き受けてもらえた」経験を積むことで、断られることへの恐れは少しずつ和らいでいきます。
Q. 頼ってばかりの人と思われませんか
「5分でできる作業」から「工程のひとつ」、「仕事をまるごと」というように、頼む範囲を少しずつ広げていけば、急に頼りすぎている印象を与えることはありません。範囲とゴールをはっきり伝える頼み方をすれば、相手も引き受けやすくなります。
Q. 部下に頼るのは上司失格ではないですか
部下に仕事を委ねることは、失格ではなくむしろ育成の機会です。上司がひとりで仕事を抱え込んでしまうことのほうが、チーム全体で見れば大きなリスクになりえます。任せられる仕事を見きわめて頼ることは、部下の成長機会をつくることにもつながります。
Q. 頼れる相手が本当にいない場合はどうすればいいですか
頼り先は、身近な人間関係だけではありません。社内の相談窓口や外部の支援サービス、専門家など、関係性を築いていない相手にも頼ることはできます。まずは、そうした頼り先が身のまわりにないかを探してみましょう。

【ライタープロフィール】
柴田香織

大学では心理学を専攻。常に独学で新しいことの学習にチャレンジしており、現在はIllustratorや中国語を勉強中。効率的な勉強法やノート術を日々実践しており、実際に高校3年分の日本史・世界史・地理の学び直しを1年間で完了した。自分で試して検証する実践報告記事が得意。